病院の取り組み2024

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2024年度の病院の取り組みを4項目ご紹介します。

新しい手術支援ロボットHugo

 大腸癌に対するロボット支援手術は2018年に直腸癌、2022年に結腸癌が保険収載され、大腸癌治療の新たなオプションとして普及してきています。手術支援ロボットは、鉗子の多関節機能により腹腔内での鉗子操作の自由度が向上します。またモーションスケールという鉗子を繊細に動かす機能と手振れ補正機能を備えており、より精緻な手術が可能となります。当院でも2019年にdaVinci Xiを導入し、豊富な腹腔鏡手術の経験を活かして安全に手術を積み重ねてきました。現在ロボット支援下大腸癌手術は200件を超えています。手術数の増加に伴い今回新たに導入したのが、メドトロニック社の手術支援ロボットHugoです。こちらは20237月に正式認可された最新機種で、当院が本邦で8施設目の導入です。4本のアームがそれぞれ独立していることが大きな特徴で、従来と比較して柔軟にアームを配置することが可能です。これによりアーム同士の干渉が低減され、患者さんに応じて最適化した手術が可能となります。また従来術者は閉ざされたコックピットの画面を覗き込んで操作する形でしたが、Hugoはオープン方式を採用しています。術者は大型の3Dモニター画面と同時に実際の術野を見ることが可能であることから、術野の確認とスタッフ間のコミュニケーションが円滑となり安全に手術を行うことが可能です。20243月の導入以降、これまで30例のHugo大腸癌手術を行い、安全に手術を終えています。今後もこれまで培った腹腔鏡・ロボット支援手術のノウハウを活かしながら、より安全かつクオリティの高い手術を患者さんに提供できるよう、スタッフ一同努力していきます。

外国人対応の場合、国際部へご連絡ください

 外国人患者さんの診療に際しては、言葉の障壁を超えるだけでなく、それぞれの患者さんの文化的背景を理解したうえで一人ひとりに丁寧に対応し、自国で診療を受けるのと同じように安心して治療を受けていただけるよう努めてまいります。

 「国際化に対応した高度急性期病院」であることを基本方針のひとつとしています。また、「将来構想5大方針」にも、「外国人がスムーズに受診できる病院」を目標としています。

 現在、院内各所に合計28台のタブレット型、電話・機械通訳機(メロン・メディフォン)を配置してあり、外来でも入院でも対応できるように準備しています。また、院内掲示・サインは英語併記(必要なところには中国語も併記)して、外国人患者さんに円滑に受診していただけるように配慮しています。また、検査説明文など必要文書も英文翻訳しています。

 多くの患者さんが、日本在住の患者さんではありますが、外国から医療を受けに来られる医療渡航(インバウンド)の患者さんも受け入れています。原則、認証医療渡航支援企業3社と提携して受入れています。

 外部認証も、2016年よりJMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度、Japan Medical Service Accreditation for International Patients、厚労省支援)、MEJMedical Excellence Japan、経産省支援)を継続認証受審しています。

 外国人患者さんについても、何卒、ご紹介いただければと思います。

PETによる悪性腫瘍、心疾患、認知症診断、がん検診の充実へ

 2024年度8月より高精細のPET/CT装置を本院と画像診断センターで稼働し、悪性腫瘍、心疾患、認知症診断からがん検診まで、年間約3,500件の様々なPET検査が実施可能な体制を敷いております。

■癌などの悪性腫瘍

 FDG-PETは、これから治療を行う悪性腫瘍の病期診断、治療開始後の転移・再発診断に保険適用があり、多くの診療ガイドラインにおいて高いグレードで推奨されています。悪性腫瘍の治療に携わる科と放射線科・画像診断センターとの良好な連携のもと、治療方針決定からその先まで、治療対象を鋭敏にとらえるPETがしっかりサポートします。外部紹介検査もお受けしております。

■心疾患

 心サルコイドーシスの活動性の評価においてFDG-PETは有用です。重篤な不整脈で発症し心臓ペースメーカーが既に挿入された患者さんを含め、治療導入時や再燃が疑われる際にPETが利用されます。また、PETは虚血性心疾患においても保険適用があります。外部紹介検査もお受けしております。

■認知症

 202312月に薬価収載されたアルツハイマー病の疾患治療薬の使用可否を決める目的で、アミロイドPETが保険適用となりました。当院では、関連診療科の綿密な協議のもとで検査が実施されています。また、疾患治療薬の使用を検討されている先生方からのアミロイドPET検査のみのご利用も可能です。

■がん検診

 当院のPETがん検診の特徴は、迅速な診断と診療各科との連携の良さにあります。たとえば、疾患の発見から、該当する診療科のご紹介、手術までが、おおむね2週間程度のスピード感で行われています。ぜひ当院のPETがん検診をご利用ください。

人生100年時代脳ドック「虎の門プレミアム脳ドック」の開設

 脳ドックは、未破裂脳動脈瘤の検出などを目的にMRI装置の普及と共に始まった本邦独自の脳検診システムでありますが、人生100年時代を迎えた今「脳卒中、認知症予防」という本来の予防医学にも重きが置かれるようになっています。そこで当院の脳ドックも、脳動脈瘤の破裂リスクや脳虚血の程度など、今後の重篤なイベントにつながる所見を丁寧にお伝えし、健康管理に役立てていただけるよう、結果報告書の充実を図っております。そうした取り組みの中、2023年度の脳ドック受診者数は2,105件と大変ご好評をいただきました。

 さらに、脳の健康維持には、良好な生活習慣、高血圧や糖尿病など生活習慣病のしっかりしたコントロールが重要であることから、202310月より「次世代の脳とからだの健康管理 虎の門プレミアム脳ドック」を開設いたしました。

 このプレミアム脳ドックでは、以下のように、人工知能(AI)による脳画像解析とともに認知・運動機能、体組成、栄養などの項目を評価して、お一人お一人の行動変容につなげていきます。

  1. 虚血性変化と海馬の体積のAI解析
  2. 公認心理師による認知機能テスト
  3. フレイル・ロコモ度テスト
  4. 体組成分析(InBody)による筋肉量や脂肪量の測定
  5. 生活習慣病関連及びビタミンB1, ビタミンDなどの栄養に関する血液検査

 当院の強みは、それぞれの専門家が連携して、オールラウンドに未病の段階から結果をフォローできるところにあります。

 ドック、診療科、さらにかかりつけ医の先生方が一体となったサポートのもと、脳ドック受診をきっかけに生活習慣の改善ができるような体制づくりを目指しています。

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