虎の門病院は国家公務員共済組合連合会の中核病院として1958年に設立されました。以来、広く国家公務員以外の方々にも開かれた日本を代表する総合病院です。虎の門病院の最大の特徴は、臓器別の高度な専門診療を行うために各領域のスペシャリストが揃っていることです。本院は、がん、血液、循環器、消化器・肝臓、呼吸器、睡眠、脳神経、腎臓、泌尿器、内分泌・代謝、間脳下垂体、乳腺、感染症、小児科、産婦人科、整形外科、外傷などの各領域の専門診療を縦糸とし、救急・集中医療、麻酔、リハビリ、高齢者総合などの領域横断的診療を横糸とし、患者さんの緊急度や重症度、病態・病期などに合わせてあらゆるニーズに対応する全人的診療を特色としています。
2019年5月1日にスタートした虎の門病院本院の新病院は、地下3階、地上19階で、1階に救急部、防災関連、2-7階に外来、検査部門、手術室、ICU/HCU/SCU、10階にリハビリテーション部を置き、11階以上が病棟となっています。病床数は819床であり、うち個室を216床と増加させ、患者さんの多様なニーズに応えられるようになっています。医療機器も大幅にリニューアルし、手術室は20室に増室、ICU/HCU/SCUは37床に増床など、より高い病院機能を目指しています。交通の便も、これまでの虎ノ門駅、溜池山王駅に加え、2025年3月にはこの地域の再開発事業の一環として虎ノ門ヒルズ駅直結となる予定です。
虎の門病院本院は高度な専門医療を安全に提供いたします。専門医療においては、関連する領域が診療科の垣根なく連携し、疾患別のセンターを設け、虎の門病院を受診される患者さんに最善の診療を提供できる体制をとっています。虎の門病院は、がん診療連携拠点病院でもあります。がん総合診療部は「虎の門がんセンター」の役割を果たし、多くの診療科、さらには多職種が連携し、患者さんの最先端治療から退院後の生活環境へ戻るまでがん治療を総合的にサポートしています。虎の門病院は総合病院であり、がん専門病院で治療が難しい、心・腎・肝疾患や糖尿病など他の併存疾患を伴うがん患者さんの治療に強みを発揮します。また、当院が得意とする鏡視下手術・ロボット支援手術など低侵襲手術はそのような併存疾患の多い患者さんの安全な手術に有用です。循環器センターは日本でも有数の心臓カテーテル治療、心臓外科手術の拠点をめざして活動を展開しています。脳卒中センターも、脳神経内科、脳神経外科、脳神経血管内治療科が連携し、24時間体制で超急性期の脳卒中患者の受け入れを行っています。当院は、地域医療支援病院の指定に加え、2020年10月に東京都災害拠点病院の指定を受け、救急医療についても一層力を入れています。その一環として、2022年度からは外傷センターも設立しました。
高度先進医療機関である虎の門病院は、「患者中心医療」を掲げ、今後も病院の理念であります、「医学への精進と貢献」、「病者への献身と奉仕」をモットーに、安全で安心の、最善の医療を提供すべく職員一人一人がさらなる努力を重ねてまいります。
2024年6月
院長 門脇 孝