歯科
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抗がん剤を用いた化学療法に伴って口腔内に生じる有害事象には以下のようなものが挙げられます。
口腔粘膜炎や口腔乾燥症などは口腔ケアの介入を行ったとしても完全に予防することはできません。しかし、早期からの継続した口腔ケアは、有害事象の症状や患者さんの苦痛を軽減し、発現期間の短縮、さらには二次的におこる誤嚥性肺炎や敗血症の予防に有効であるとされています。これらの有害事象に対して、当院歯科では以下のような介入を行っています。
歯石除去などの口腔内清掃の他、必要に応じ歯科治療を行います。白血球などの数値が正常範囲であれば通常の歯科治療は可能です。抜歯などの侵襲的処置は、化学療法開始前または終了後に行っております。化学療法中に処置を行う必要が生じた際は、化学療法を行っている主治医と連携することで、処置前、処置後の感染予防を行っています。心配なことがありましたら担当歯科医師に相談してください。
化学療法中も患者さん自身による歯磨きが必要です。通常の歯ブラシで疼痛を伴う場合には、超軟毛歯ブラシを用いることもあり、当院歯科外来にて販売しています。歯磨剤は必須ではありませんが、使用する際は低刺激のものをお薦めします。歯磨きと共に重要なのが、うがいです。清掃と保湿に有効であると同時に、口腔粘膜炎の治癒や疼痛緩和に対しても効果があるとされています。当院においては、アズレンスルホン酸ナトリウムを処方し、利用頂いています。入院中の患者さんで、口の中に痛みを伴う場合は、局所麻酔薬を添加したり、生理食塩水を用いたりすることもあります。含嗽は一日5~8回行うよう指導しています。
また、口の中や唇の乾燥に対しては、白色ワセリンを塗布することを薦めています。
義歯を装着している患者さんには、必ず毎日義歯をはずして清掃を行い、清潔に保つよう指導しています。なお、義歯による痛みが生じた際は、当院歯科外来にて調整を行いますが、装着を中止することもあります。