放射線治療科
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私たちは、放射線治療を必要とする全ての患者さんに対し、高精度の放射線治療と体に負担の少ないやさしい医療の提供をめざしています。
近年、放射線治療の技術進歩はめざましく、当院でもがんに放射線を集中し周辺の正常臓器へのダメージを極力抑える強度変調放射線治療(IMRT)や定位放射線治療(ピンポイント照射)を行っています。
放射線治療では治療の計画と照射の技術の融合が大切であり、適切な治療が提供できるようスタッフ一同日々研鑽しております。
放射線治療はがんの治癒を目指すとともに痛みなどの症状を和らげる目的で行われます。
治療は平日毎日行うため、通院しやすいことがとても大切です。
虎の門病院は職場からアクセスしやすい虎ノ門という立地に加えて、出勤前後の時間を有効にご活用いただけるよう、朝夕の時間帯にも治療を行っています。
【治療時間】月~金 8:30~12:00、13:00~19:00(最終受付18:40)
通院の負担を軽減するために、治療回数の少ない放射線治療を行っています。
治療回数や副作用などていねいな説明をした後、患者さんのご希望に合わせて適切な治療を提案します。
乳がん | 16回(約3週)、25回(5週) |
---|---|
前立腺がん | 5回(2週)、20回(4週)、28回(6週) |
※ 治療回数と( )内は通院する期間
腫瘍に正確に放射線を集中し、正常組織へのダメージを極力抑える高精度な放射線治療を実施しています。
トモセラピーとCT同室設置リニアックを用いて行う、強度変調放射線治療(IMRT)や体幹部定位放射線治療などの手法があります。
また、左乳がんでは心臓の負担を減らす深吸気息止め照射を行っています。
医療の進歩に伴いがん以外の病気を抱えている患者さんが増えています。
たとえば、ペースメーカーを使用している患者さんが放射線治療をうけた場合、まれにペースメーカーが誤作動を起こすことがあります。
また、人工透析を行っている患者さんでは、透析をする日も放射線治療をしなければなりません。
このような患者さんも虎の門病院なら安心です。
虎の門病院は総合病院の強みを活かし、関連する診療科と密接に連携しながら治療を行います。
公開講座「みんなで学ぼう虎の門がんセミナー」第11回の映像です。
※外部サイトに移動します。
虎の門病院では、乳がん、前立腺がん、食道がん、肺がん、直腸がん、悪性リンパ腫など多くのがんに対して、担当科と連携して放射線治療を行っています。
乳がんの手術後に乳房やその周辺に放射線治療を行う場合があります。
治療回数は5週間で25回または約3週間で16回行います。
手術の状態によっては5回程度の追加照射を行う場合があります。
治療回数や副作用の違いを説明し、患者さんの希望に合わせて適切な治療を提案します。
また、左乳がんでは、心臓の負担を減らすため「深吸気息止め照射」を行っています。
この治療では深く息を吸い呼吸を止めた状態(約20秒)で放射線を照射することで、心臓にあたる放射線が減少し将来の心臓の副作用を軽減します。
虎の門病院では、骨などに転移のない前立腺がんに対し、
2週間で5回照射する体幹部定位放射線治療(超寡分割照射)と4週間で20回または6週間で28回照射する強度変調放射線治療を行っています。
治療回数や副作用の違いを説明し、患者さんの希望にあわせて適切な治療を提案します。
また、前立腺がんの手術後にPSAが上昇した場合に、前立腺のあった部分に33~35回(7週)の放射線治療を行っています。
虎の門病院では前立腺がんの放射線治療を行う際に、前立腺内に金マーカーを、前立腺と直腸の間にスペーサーの挿入を推奨しています。
金マーカーを使用すると、より正確に前立腺に放射線を照射し、直腸や膀胱にあたる放射線を減らすことができます。
また、スペーサーを挿入することで直腸が前立腺から離れるため、直腸に放射線があたることによるダメージが減少し、直腸出血などの副作用が少なくなります。
この効果は治療回数が少ないほど大きく、特に5回の治療では直腸の副作用を大きく減らすことができます。スペーサーは治療後に徐々に吸収されてなくなります。
当院の放射線治療には健康保険が適用されます。
一般の方は3割負担です。
75歳以上の方は収入に応じて負担割合が変わります。
高額療養費制度も利用できます。
当院では、放射線治療にかかる医療費を週1回まとめてお支払いいただくことも可能です。
乳がん | 放射線治療の内容 | 3割負担の場合 |
---|---|---|
乳房温存術後 | 乳房照射(25回) | 16~19万円 |
乳房照射(16回) | 14~16万円 | |
乳房切除術後 | 胸部と鎖骨上部の照射(25回) | 16~24万円 |
前立腺がん | 放射線治療の内容 | 3割負担の場合 |
---|---|---|
根治照射 | SBRT(5回) | 19万円 |
IMRT(20回) | 32万円 | |
IMRT(28回) | 32万円 | |
前立腺全摘術後の照射 | IMRT(32-35回) | 38~40万円 |
※ SBRT:体幹部定位放射線治療、IMRT:強度変調放射線治療
上記の他、初診料、再診料、検査料、薬代等が必要になることがあります。
乳がんの手術後の乳房照射、転移のない前立腺がんに対する放射線治療については、現在おかかりの医療機関からお電話でご予約をお願いします。
診療に必要な資料の確認が必要なため、患者さんからの直接のご予約は受け付けておりません。
担当は患者支援部 医療連携室になります(詳細はこちら)。
具体的な手続きは 地域の診療所・クリニックの先生へを参照して下さい。
乳がんと前立腺がん以外のがんの放射線治療については、放射線治療科では直接受付しておりません。当院の各担当科にご相談ください。
担当科の予約についてはがん相談支援センターにご相談下さい。
現在おかかりの医療機関から当院の医療連携室(03-3560-7823)にお電話いただき、放射線治療科のセカンドオピニオンの予約をお取り下さい。
受診の際には現在の状況を確認するために、紹介状や画像検査・病理検査のレポートなどが必要になります。
放射線腫瘍医3名、診療放射線技師8名、学物理士3名、看護師2名、事務1名で診療を行っています。
強度変調放射線治療(IMRT)専用装置です。
IMRTはがんに放射線を集中し、がんの周りの正常臓器への影響を従来法より小さくできます。
IMRTが有効なほぼ全てのがんに対しIMRTを行っています。また、骨髄移植の際の全身照射も、トモセラピーで行っています。
これまでの方法に比べて全身に均一に放射線を照射することが可能で、肺と腎臓の放射線量を下げて副作用を減らすことができます。
オーダーメイドの治療を行うことができるため、体への負担が小さくなります。
CT同室設置リニアックも、トモセラピーと同様にIMRTを行うことができます。
この装置の最大の特徴は、最近の放射線治療でよく用いられる簡易的なCTではなく、画質の優れた診断用CTを利用して照射位置を合わせられることです。
診断用CTでないと見つけられない早期の肺がんも、正確に位置を合わせて定位放射線治療(ピンポイント照射)をすることができます。
さらに、この放射線治療装置は乳がんの治療でも高精度の放射線治療を行うことができます。
治療時に患者さんの体表面をモニターする専用装置が付属しているため、治療時の腕の位置で微妙に形が変わる乳房に対しても、正確に姿勢を合わせて放射線治療をすることができます。
また、左乳がんに対する深吸気息止め照射もこの装置を用いて行います。
心臓にあたる放射線が減少し将来の心臓の副作用を軽減します。