整形外科

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関節疾患

人工関節手術について

関節表面の骨を切除し、金属やセラミック、ポリエチレン等の人工物に取り換える手術です。手術によって痛みを大幅に軽減させ、関節の動きを改善することが可能であり、関節痛に苦しむ患者さんにとって日常生活を楽にすることが期待できます。当院では主に股関節と膝関節の手術を行っています。

【人工股関節全置換術 (THA: Total Hip Arthroplasty)】
原則として全例に前方アプローチ(DAADirect Anterior ApproachもしくはALS: Antero-Lateral Supine approach)で行っています。前方アプローチは仰向けの体位で筋肉を切らずに筋間から入っていく方法です。従来の後方アプローチと比べて皮膚切開が短く(男性は約8cm、女性は約6cm)、筋肉の損傷も小さい低侵襲(MIS: Minimal Invasive Surgery)の手術方法です。これにより術後の疼痛がより少なく、リハビリテーションの進行も早くなっています。術後の脱臼も起こりにくいと言われています。また、両側同日手術も行っています。

【人工膝関節全置換術 (TKA: Total Knee Arthroplasty)】
膝前面の皮膚を約15cm切開し膝蓋骨(お皿の骨)や筋肉を避けて手術を行います。膝関節の内側だけが悪い患者さんには、内側だけ人工物に取り換える単顆置換術(UKA: Unicompartmental Knee Arthroplasty)も行っています。また、両側同日手術も行っています。

脊椎疾患

近年の脊椎外科の進歩にはめざましいものがありますが、脊椎外科においても低侵襲手術が普及し始めております。その目的を達成するために当院では内視鏡を中心とした最先端の医療機器を揃えております。従来の手術では一箇所手術するのに、おおよそ5cmほどの切開が必要でしたが、内視鏡手術では2cm以下ですみます。また内視鏡手術では背骨についた筋肉を全部剥がす必要がないため術後の痛みが軽く、病態により異なりますが術後おおよそ45日の退院が可能で、状態が安定していれば退院後早急に社会復帰も可能です。

当科でも201610月以来脊椎内視鏡手術を導入しております。年間の脊椎手術件数も増加しておりますが、内視鏡下手術実施中にこれに特有と考えられる合併症を起こした事例はありません。
現在、腰部脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア・腰椎変性すべり症・頚椎症性脊髄症では可能な範囲で脊椎内視鏡手術で対応しております。

主な手術症例と件数

人工関節手術

2018 2019 2020 2021 2022 2023
人工股関節全置換術(THA 86 96 90 98 149 124
人工膝関節全置換術(TKA 47 52 66 74 69 60
人工膝関節単顆置換術(UKA 5 8 4 18 3 0

脊椎手術

2018 2019 2020 2021 2022 2023
頚椎椎弓形成術 8 13 25 18 25 43
頚椎前方除圧固定 6 5 5 5 8 10
頚椎内視鏡下椎弓切除術 7 11 10 5 9 11
ヘルニア切除(そのうち内視鏡手術) 19(19) 15(15) 33(33) 37(37) 51(50)

53(50)

椎弓切除術(そのうち内視鏡手術) 68(68) 81(72) 84(76) 75(65) 117(100) 142(127)
後方除圧固定術(そのうち内視鏡手術) 28(16) 39(20) 47(32) 40(17) 58(17) 53(27)
腰椎側方椎体間固定術(そのうち内視鏡手術) 1(1) 13(10) 20(15) 22(16) 27(21) 34(21)
脊椎腫瘍手術 5 12 16 11 13 11
BKP(セメント注入) 10 6 25 21 40 23
その他 23 7 25 37 13 14
合計 175 202 290 271 361 394
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