産婦人科
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妊娠を希望される方に不妊検査、一般不妊治療(タイミング、人工授精)、高度生殖補助医療(ART)(体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)、胚移植(ET))まで一貫して行っています。
当院では分娩も取り扱っているためご希望されれば、妊娠から分娩まで連続して治療を受けることができます。また、総合病院で不妊治療を行うメリットとして、乳癌などの悪性腫瘍や、下垂体手術後の無月経、リウマチなど専門的な治療を受けている方も、各診療科と連携して治療を行うことができます(妊娠について原疾患の主治医の許可は必要です)。
不妊治療は2022年より一部保険適用となりました。保険診療をご希望の場合は、紹介状がない場合に選定療養費(¥11,000 税込)のご負担が必要となります。
保険適用外での不妊治療や、がん・生殖医療、社会的卵子凍結は、選定療養費の対象外となりますので紹介状がない場合の加算はありません(がん・生殖医療は原疾患の主治医の許可の元で行うため、紹介状の持参が望ましいです)。
保険適用の条件については厚生労働省のHPをご確認ください。2024年5月現在、不妊検査・一般不妊治療の年齢制限はありません。
生殖補助医療(ART)の実施については以下の年齢制限が定められています。
保険適用で行う生殖補助医療については、胚移植(ET)の回数が年齢により制限されます。回数制限については施設毎ではなく、各個人毎で管理されますので、他施設で胚移植を保険診療で行ったことがある場合には、必ず申告ください。
40歳未満:胚移植6回目までの、卵巣刺激・採卵・胚移植が健康保険の対象
43歳未満:胚移植3回目までの、卵巣刺激・採卵・胚移植が健康保険の対象
回数制限を超えた場合、すべての生殖補助医療がすべての医療機関で保険適用外となります(自費診療の制限はありません)。
保険で不妊治療を行う場合は、夫婦面談・対面での治療計画書の作成が求められているため、可能であればパートナーと初診や早期の受診をお勧めします。
保険適用外の検査・治療を併用する場合は、先進医療の例外を除き保険と自費の混合診療を行うことは認められていませんので、自費検査・治療に付随する医療行為はすべて自費診療となります。
タイミング法、人工授精を保険適用下で行えます。
AID(非配偶者間人工授精)は実施していません。
体外受精(IVF), 顕微授精(ICSI), 新鮮・凍結融解-胚移植(ET)を行っています。
以下の先進医療を実施しています。先進医療部分は自費診療となります。
1:TRIO検査 (EMMA/ALICE + ERA) EMMA/ALICE、ERA単独での実施も可
2:子宮内膜擦過術
3:子宮内膜刺激術(SEET)法
4:二段階移植法
5:膜構造を用いた生理学的精子選択術
保険診療で生殖補助医療を行う場合の、我が国における年齢制限については上記を確認ください。
当院の自費検査:精子クロマチン構造検査(SCSA)、抗酸化力検査
2024年8月時点での保険診療における診療報酬点数は下記の通りです。原則として当院で自費による生殖補助医療を行う場合は、診療報酬点数1点を10円として計算します。また記載の他に診察料・投薬料・薬剤費などが必要となります。当院独自の料金設定がある場合があります(社会的卵子凍結における採卵費用・凍結卵子管理料、がん・生殖医療における配偶子・胚凍結後の管理料等は別に定めております)
※診察料・投薬料・薬剤費などが別途必要です。
診療内容 | 保険点数(点) | 3割負担 | 自費(税込) | ||
---|---|---|---|---|---|
①採卵 | 基本料金 | 3200 | ¥9,600 | ¥35,200 | |
採卵個数により加算 | 1個 | 2400 | ¥7,200 | ¥26,400 | |
2~5個 | 3600 | ¥10,800 | ¥39,600 | ||
6~9個 | 5500 | ¥16,500 | ¥60,500 | ||
10個以上 | 7200 | ¥21,600 | ¥79,200 | ||
自費の場合の総計(①基本料金+個数加算) | ¥61,600~¥114,400 | ||||
②体外受精 | A 体外受精 | 3200 | ¥9,600 | ¥35,200 | |
B 顕微授精 | 1個 | 3800 | ¥11,400 | ¥41,800 | |
2~5個 | 5800 | ¥17,400 | ¥63,800 | ||
6~9個 | 9000 | ¥27,000 | ¥99,000 | ||
10個以上 | 11800 | ¥35,400 | ¥129,800 | ||
卵子調整加算 | 1000 | ¥3,000 | ¥11,000 | ||
新鮮精子加算 | 1000 | ¥3,000 | ¥11,000 | ||
精子凍結 | 高度乏精子症における凍結保存 | 1000 | ¥3,000 | ¥11,000 | |
患者都合による凍結保存 | - | - | ¥11,000 | ||
自費の場合の総計(①+②A) | ¥107,800~¥160,600 | ||||
自費の場合の総計(①+②B)(*) | ¥114,400~¥266,200 | ||||
③胚培養 | C 培養費用 | 1個 | 4500 | ¥13,500 | ¥49,500 |
2~5個 | 6000 | ¥18,000 | ¥66,000 | ||
6~9個 | 8400 | ¥25,200 | ¥92,400 | ||
10個以上 | 10500 | ¥31,500 | ¥115,500 | ||
D 胚盤胞加算 | 1個 | 1500 | ¥4,500 | ¥16,500 | |
2~5個 | 2000 | ¥6,000 | ¥22,000 | ||
6~9個 | 2500 | ¥7,500 | ¥27,500 | ||
10個以上 | 3000 | ¥9,000 | ¥33,000 | ||
自費の場合の総計(①+②+③C(+③D)) | ¥157,300~¥414,700 | ||||
④胚凍結保存 | 1個 | 5000 | ¥15,000 | ¥55,000 | |
2~5個 | 7000 | ¥21,000 | ¥77,000 | ||
6~9個 | 10200 | ¥30,600 | ¥112,200 | ||
10個以上 | 13000 | ¥39,000 | ¥143,000 | ||
自費の場合の総計(①+②+③+④) | ¥212,300~¥557,700 | ||||
胚凍結保存延長 | 1年毎 ※不妊治療を1年以上中断している場合には凍結保存胚の延長に保険は適用されず自費になります |
3500 | ¥10,500 | ¥38,500 | |
がん・生殖医療による凍結保存の延長料金(1年毎) | - | - | ¥11,000 | ||
⑤胚移植 | E 新鮮胚移植 | 7500 | ¥22,500 | ¥82,500 | |
F 凍結融解胚移植 | 12000 | ¥36,000 | ¥132,000 | ||
自費の場合の総計(①+②+③+⑤E) | ¥239,800~ | ||||
自費の場合の総計(①+②+③+④+⑤F) | ¥344,300~ | ||||
透明帯開孔法 | 1000 | ¥3,000 | ¥11,000 | ||
高濃度ヒアルロン酸含有培養液 | 1000 | ¥3,000 | ¥11,000 |
(*)体外受精と顕微授精を同時実施した場合は+2100点
リプロダクション外来では将来妊娠を希望している若い方が乳癌、白血病、精巣腫瘍などの悪性腫瘍にかかり、手術、化学療法(抗がん剤)、放射線療法などの治療によって妊娠しにくくなる可能性がある場合に、治療前に精子、卵子、胚(受精卵)を凍結保存する妊孕性温存を実施しています。当院にかかりつけでない方のご相談も可能ですし、カウンセリングのみや精液検査・卵巣機能検査などの検査のみも受付ていますのでお気軽にご相談下さい。
また妊孕性温存にかかわらず、がん治療後に不妊症になった場合の不妊治療、閉経後のホルモン補充療法、性生活のお悩みなどの相談にも応じています。
2024年5月時点での費用は下記の通りです(2024年6月以降変更する可能性があります)。
※下記以外に検査・注射等の費用が発生します。(全額自費)
診療内容 | 自費(税込) | |
---|---|---|
精子凍結保存 | 1回あたり | ¥27,500 |
精液検査のみ(助成対象外) | ¥1,600 | |
胚(受精卵)凍結保存 ※胚(受精卵)の個数等により異なる |
¥212,300~¥453,800 | |
卵子凍結保存 ※卵子の個数等により異なる |
¥116,600~¥257,400 | |
がん・生殖医療による凍結保存の延長料金(1年毎) | ¥11,000 |
不妊治療は2022年4月から保険適用になりましたが、がんなどの治療に対する妊孕性温存(精子・卵子・胚などの凍結保存)は不妊治療ではないため保険適用にはならず、助成金「若年がん患者等生殖機能温存治療費女助成事業」の助成対象になります。助成を受けるためには条件がありご自身での手続きが必要になりますので、スタッフがご案内します。
2024年4月以降当院においても社会的卵子凍結(医学的理由ではない個人的理由による卵子凍結)を対応開始いたします。
当院は東京都が実施している「卵子凍結に係る費用への助成」「凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成」事業の登録施設です。
東京都における補助金の対象、内容については東京都のHPをご確認ください。
社会的卵子凍結は保険診療の適用とならず、関連するすべての医療行為が自費診療となります。凍結保存した卵子を用いて、将来的に生殖補助医療を行う場合も、2024年5月時点の社会保険制度下では自費診療となります。
社会的卵子凍結の費用の概算は下記の通りとなります。凍結卵子を用いた生殖補助医療(体外受精・顕微授精・胚移植)については、保険診療点数の1点を10円と計算した自費診療となります。(2024年5月現在)
※採卵までの期間などにより前後します。
診療内容 | 自費(税込) | 詳細等 | |
---|---|---|---|
診察・検査料 | ¥66,000前後 | 初再診料・医学管理料・超音波検査費など | |
薬品料・管理料 | ¥77,000前後 | ||
採卵費用 | ¥187,000 | 採卵数が0の場合も消耗品費用として¥35,200(税込)かかります | |
麻酔費用 |
- |
特別な麻酔料金の設定はありませんが、薬品代の実費はご負担いただきます | |
凍結費用 | 1個 | ¥55,000 | 1シートに最大2個ずつの卵子を保存できます |
2~5個 | ¥77,000 | ||
6~10個 | ¥110,000 | ||
以降1個増える毎 | ¥5,500 | ||
保管料 | 1年 | ¥44,000 | 1年未満で使用・破棄・移送などした場合も、日割りでの返金等はありません |
10個採卵の場合、総額は約¥440,000(保管料含まず)となります。
凍結卵子について、第3者への譲渡・販売などは一切禁止とし、当院がそれらの斡旋などに関わることもありません。
社会的卵子凍結を実施するか迷われている患者さんへのカウンセリングも行っております。