産婦人科
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虎の門病院産婦人科では現時点で新型コロナウイルスの感染拡大に伴う診療制限や手術制限は行っておりません。平時と同じく、がん・悪性腫瘍はおよそ4週間以内、子宮筋腫など良性腫瘍は1~2か月以内での手術が可能です。合併症がありご不安な方や、他院で診断され手術までの待機期間が長くご心配な方は是非当院までお問い合わせ下さい。
産婦人科診療の4つの柱である、腫瘍・生殖・周産期・ヘルスケア全ての分野で、専門医の下質の高い診療ができるよう努めています。悪性腫瘍の患者さんの生殖補助医療や妊娠管理など、複数の分野にまたがる治療も積極的に行っています。お困りのことがありましたらお気軽に何でもご相談下さい。
月経が来ない、月経時に痛みがある、妊娠・分娩の心配、外陰部の異常、下腹部痛など、月経、性器、妊娠・分娩、性についての心配がある時には、迷わず産婦人科を受診しましょう。
良性腫瘍 |
子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、卵巣のう腫、子宮内膜ポリープ、子宮頸管ポリープ、バルトリン腺嚢胞など |
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症状や状態などによって経過観察、薬物療法、手術療法などの適切な選択肢をお伝えし、一人一人のニーズにお応えできるよう心がけております。
手術が必要な方に関しては、卵巣嚢腫摘出術や子宮全摘術・子宮筋腫核出術など、開腹手術のみならず、可能な限りより低侵襲な治療である腹腔鏡手術を行なっております。また、最新のロボット支援下手術や、お腹に傷のつかない腟式手術(vNOTES)も対応しております。子宮粘膜下筋腫に対しては、子宮鏡手術(子宮内膜焼灼術を含む)を行なっています。
ご不明な点がございましたらお問い合わせください。
悪性腫瘍 |
子宮頸がん(子宮頸部異形成を含む)、子宮体がん(子宮内膜異型増殖症を含む)、子宮肉腫、卵巣がん・卵管がん・腹膜がん(境界悪性腫瘍含む)、外陰がん、絨毛がんなど |
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婦人科腫瘍の専門医を中心として、手術・化学療法・放射線療法を必要に応じて組み合わせ、最も治癒が期待でき、合併症や副作用がより少ない治療法を提供しております。特に子宮体がんに関しては、比較的初期で発見されることも多く、初期(IA期)でがんの悪性度が高くない(組織型が類内膜癌高・中分化型)といった条件を満たしている場合は、腹腔鏡下手術を行っております。一方、卵巣がんは症状が出にくく、約半数の方がIII期以上の進行がんとして発見されますが、必要に応じ臨床腫瘍科とも協力しながら、手術と化学療法を適切に組み合わせることにより、最大限の治療効果が得られるよう努めております。再発の方に対しても、再発までの期間が比較的長期で再発病変の数が少ないといった条件を満たしている場合は、積極的に手術を行っています。
また、子宮頸がんや卵巣がんに対する子宮や卵巣の温存手術(初期子宮頸がんに対する広汎子宮頸部摘出術など)、子宮体がんに対するホルモン療法といった、若年で現在または将来の妊娠のご希望がある初期がんの方に対する妊孕性温存治療にも力を入れています。子宮頸部異形成に対しては、若年で挙児希望のある方を中心に、レーザー蒸散術を積極的に行っております。
不妊・リプロダクション・ヘルスケア |
不妊症(男性不妊含む)、不育症、月経異常(無月経、月経困難症(月経時の痛みが強い)、過多月経(月経の量が多い)、月経前症候群(月経前に調子が悪い)、神経性食欲不振症、多嚢胞性卵巣症候群、早発閉経など)、性器形態異常(重複子宮、腟欠損、腟閉鎖など)、更年期障害、骨粗しょう症、骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱、直腸脱)、尿失禁、性感染症(クラミジア、淋病、梅毒、HIV感染症など)、骨盤腹膜炎・付属器炎、膀胱炎、外陰炎・腟炎など、ブライダルチェック |
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月経時や排卵時の痛みが強い、月経量が多い、月経不順、月経前に調子が悪いといった症状に対し、低用量ピル(OC)や漢方療法による月経異常の治療を行っています。また、ターナー症候群など原発性無月経の方のホルモン補充療法も行っています。
ホットフラッシュ、手足が冷える、眠れない、いらいらするといった、更年期障害の諸症状に対してホルモン補充療法や漢方処方などで対応しています。合わせてその後の骨量減少、骨粗しょう症の予防的治療も行い、更年期からの健康管理、QOL(Quality of Life, 生活の質)の維持向上を目指しています。
周産期 |
合併症妊娠(糖尿病、甲状腺疾患、下垂体腫瘍など)、不妊治療後妊娠、高齢妊娠、妊娠悪阻、切迫早産、切迫流産、妊娠高血圧症候群、前置胎盤、妊娠中・産褥のマイナートラブル、異所性妊娠、胞状奇胎など |
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他科と連携し、高齢の方や他の病気で治療中の方でもなるべく安全に安心して出産できるよう、特に力を入れております。
外来初診時から分娩・産後に至るまで継続して、医師のみならず病棟助産師や看護師も加わり、きめの細かいケアを心がけています。
新病棟が完成し、2019年5月より新しい分娩室や産科病棟の他、LDRを新設しました。LDRではご家族も一緒に過ごしていただき、分娩に立ち会うことができます。詳しくは産科外来までお問い合わせ下さい。
異所性妊娠(以前子宮外妊娠と呼ばれていたものです)に対しては、できる限り腹腔鏡下での低侵襲手術を行っています。また、比較的早期に診断された方に対しては、病状とご希望に応じて待機療法(経過観察)、薬物療法などの卵管温存療法も行っております。
妊娠初期の流産に対しては、子宮の中が癒着して次回以降の妊娠が困難になり得るといったリスクがあることから、できる限り流産手術(子宮内容除去術)は行わず、待機療法を行うようにしています。手術をご希望の場合は、手術法なども含め、担当医にご相談ください。
常勤医・非常勤医・研修医でグループによる診療を行っています。婦人科腫瘍指導医を中心とした悪性腫瘍の手術・治療、数多くの良性疾患の婦人科手術(腹腔鏡・子宮鏡・開腹)、生殖補助医療やがん・生殖医療を含む不妊・生殖医療、分娩・周産期医療、ヘルスケアなど幅広く診療を行っています。
妊婦健診は原則として曜日ごとに担当医師を固定しています。妊婦健診では、最新鋭の超音波装置である Voluson® E8, P8を導入し、より高度な周産期医療に役立てております。ご希望の方には、超音波専門医による胎児スクリーニングも行っております。分娩は助産師と医師が当番体制で担当し、ハイリスク分娩では小児科医が立ち会います。夜間・休日の帝王切開においても、産科・小児科・麻酔科の当直医と産婦人科の待機の医師が対応しています。
また、通常の妊婦健診の他、合併症などで薬を内服している妊婦さんあるいは妊娠を目指す方を対象に、妊娠と薬相談外来を開設しています。妊娠と薬外来では、現在内服している薬の胎児への影響について医師、薬剤師が相談に応じております。相談を希望される方は「妊娠と薬」をご覧下さい。
腹腔鏡手術や子宮鏡手術は常勤医全員が担当し、必要に応じ内視鏡技術認定医の協力の下で行っています。
手術やがんの治療では原則として外来の担当医が主治医となり、治療方針は部長以下の全員の検討会で決定します。特にがん治療では、週1回産婦人科医、臨床腫瘍科医、病理医の合同検討会を行っています。
不妊治療は専門外来を設けて、不妊カウンセラー・体外受精コーディネーターとともに、生殖医療専門医が中心となり3名の医師と看護師・胚培養士が担当しています。
当院は日本婦人科腫瘍学会指定修練施設A、日本生殖医学会認定研修施設、超音波専門医研修施設、日本女性医学学会認定研修施設、日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設、日本産科婦人科内視鏡学会ロボット手術認定研修施設に指定されております(2024年4月1日現在)。