臨床感染症科
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臨床感染症科では、2014年10月より「ワクチン接種外来(成人)」を開設しています。「ワクチンで予防可能な病気」のことを、Vaccine Preventable Diseases(VPD)と呼びます。VPDには、麻疹(はしか)、風疹、水痘(みずぼうそう)、ムンプス(おたふくかぜ)、インフルエンザ菌(Hib:ヒブ)感染症、など多くの細菌やウイルスの感染症が含まれます。これらは小児特有の病気と思われがちですが、ワクチン接種が不十分だったりすると成人になってから罹患することがあります。また、成人においても、年齢が高くなることによって罹患しやすくなる肺炎球菌感染症や帯状疱疹などに対してワクチンの効果が示されています。成人になってからでも遅くありませんので、ワクチンについて気軽にご相談ください。このたび、2019年10月より、「ワクチン接種外来(成人)」を「トラベルクリニック・ワクチン接種外来(成人)」へ拡充いたします。これまでの診療内容に加えて、仕事や留学、プライベートで海外へ渡航(赴任や旅行)される方を対象に、感染症の予防~アフターケア(帰国後の体調不良)まで、虎の門病院がトータルに医療を提供いたします。初診の方、虎の門病院通院の方、いずれも予約可能ですのでご利用ください。
日本で承認されているワクチンは、黄熱ワクチンを除き、全種類接種可能です。取り扱う予防接種のリストを掲載しておりますが、予防接種によっては年齢制限があったり、供給・在庫の状況により接種できなかったりすることもあります。外来で説明と同意の上、接種いたしますので、その際に詳細はご相談ください。また、マラリア予防薬の処方、高山病への対応、アナフィラキシーへの対応(エピペンの処方)、英文診断書作成の相談も可能です。
対象病原体 | 商品名 |
---|---|
ヒブ(インフルエンザ菌b型) | アクトヒブ |
肺炎球菌 | ニューモバックスNP:23価 |
プレベナー13水性懸濁注:13価 | |
髄膜炎菌 | メナクトラ筋注 |
狂犬病 | ラビピュール筋注用 |
インフルエンザ | インフルエンザHAワクチン |
A型肝炎 | エイムゲン |
B型肝炎 | ヘプタバックスーⅡ |
ビームゲン | |
子宮頚癌 (ヒトパピローマウイルス:HPV) |
ガーダシル水性懸濁筋注シリンジ:4価 |
サーバリックス:2価 | |
日本脳炎 | ジェービックV |
4種混合(DTP-IPV) (百日せき/ジフテリア/破傷風/ポリオ) |
テトラビック皮下注シリンジ |
3種混合(DTP) (百日せき/ジフテリア/破傷風) |
トリビック |
2種混合(DT) (ジフテリア/破傷風) |
沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド (DTビック) |
破傷風 | 沈降破傷風トキソイドキット |
ポリオ(IPV) | イモバックスポリオ皮下注 |
おたふく(ムンプス) | 乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン |
水痘(帯状疱疹) | 乾燥弱毒生水痘ワクチン |
麻しん風しん混合(MR) | 乾燥弱毒麻しん風しん混合ワクチン |
風しん | 乾燥弱毒風しんワクチン |
麻しん | 乾燥弱毒麻しんワクチン |
その他 | |
マラリア対策 | マラロン配合錠 |
メファキン錠 | |
アナフィラキシー対策 | エピペン注射液(0.15mg・0.3mg) |
高山病予防 | ダイアモックス錠 |
Q:海外への赴任が決まりました。どのワクチンを何回うつ必要があるのでしょうか。
A:どの国のどの地域へどのくらいの期間滞在されるかで、対応が異なってきます。また、ご自身がこれまでにどのワクチンを打ってきたかも重要です。母子手帳をお持ちの方は、受診時に持参いただくことをお勧めいたします。ワクチンによっては、在庫の関係で当日に接種開始できない、1回では接種完了にならず複数回の接種が必要になる、などのことがありえます。赴任が決まったら早期の受診をお願いいたします。一般的には渡航開始1か月前までの受診をお勧めいたしますが、それより後でも可能な範囲で対応いたします。
Q:自身がその病気に対する免疫(抗体)を持っているかを調べることはできますか?
A:一部の感染症については、免疫を持っているかどうかを血液検査によって調べることができます。具体的には、麻疹、風疹、水痘、ムンプス、B型肝炎などです。受診時にご相談ください。なお、風疹につきましては、年齢によって自治体から抗体価チェックやワクチン接種のクーポンが配布されることがあり、ご利用も可能です。
外来予約先 外来予約直通電話 03-3584-7436(平日9:00~18:00)
その他一般的な問い合わせ先 03-3588-1111(病院代表)