循環器センター内科

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 当院では2019 年の新病院移転後、ハートチームを刷新し⼼臓弁膜症や冠動脈疾患な
どに対し年間約300 例の開⼼術を⾏っております。2020 年12 ⽉からは⼤動脈弁狭窄
症に対する経⽪的⼤動脈弁置換術(TAVI)も導⼊しました。⼼臓弁膜症が急速に増加す
る中で⼼エコー図検査はますます重要な役割を担っています。2019 年の新病院移転時
に導⼊した最新の超⾳波装置 (フィリップス社製 EPIQ CVx 4台+EPIQ 7C 1台)を検
査室5室でフル稼動し、年間約7000例の経胸壁⼼エコー図検査、約330例の経⾷道⼼
エコー図検査、約160例の術中経⾷道⼼エコー図検査、約90例の運動負荷エコーを施
⾏しています(数は2020 年度)。当院では⼀⼈⼀⼈の患者さんに対してより正確に⼼機
能や疾患の重症度を判定するために丁寧な評価を⼼がけています。超⾳波医学会認定指
導医・専⾨医(常勤2 名+⾮常勤1 名)の資格を有する⼼エコー医が検査室に常駐し、
技師10名(認定超⾳波検査⼠6名)の⾏う検査を1例ずつ医師がダブルチェックする
体制を整えています。術前・術後だけでなく⼿術中の⼼エコーもしっかり評価していま
す。⼼エコー図検査に関するご相談は太⽥医師がメールでも受け付けていますので、お
気軽にご相談ください。(⼼エコーに関する相談は mota@toranomon.gr.jp)

経胸壁⼼エコー図検査

 超⾳波を⽤いて⼼臓の動き・⼤きさ・形・弁の異常や異常な構造物の存在といった形態
及び⾎⾏動態といった機能評価をする検査です。上半⾝裸になり、左を下にして横向き
になり、超⾳波プローブ(探触⼦)という器具を⾊々な⽅向から胸にあてて⼼臓を観察し
ます。検査所要時間は30-50分で低侵襲であり、繰り返し検査が可能です。
 当院では、通常のスクリーニング検査に加え、がん治療関連⼼機能障害(CTRCD)や
⼼臓弁膜症(⼤動脈弁狭窄症、⼤動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、
三尖弁閉鎖不全症)などを対象に、多くの⼼疾患で評価が求められる左室⻑軸⽅向スト
レイン(global longitudinal strain; GLS)や右室ストレイン、3Dなど最新の⼼エコー機
器を⽤いて撮像し詳細な評価を⾏っています。

経胸壁心エコー図検査

左室ストレイン評価(GLS)

右室機能評価

左室3D評価

経⾷道⼼エコー図検査

 超⾳波プローブ(探触⼦)を胃カメラのように⼝から⾷道・胃まで挿⼊し、⼼臓を⾷道か
ら観察する検査です。⾷道は⼼臓のすぐ後ろにあるため、鮮明な画像を得ることが出来
ます。経胸壁⼼エコー図検査に加えて、この検査を⾏うことで⼼臓内の⾎栓や⼼臓弁膜
症、⼈⼯弁置換術後、感染性⼼内膜炎、先天性⼼疾患などの⼼臓の状態をより正確に評
価することが可能となります。弁膜症の術前には3D エコーによる詳細な評価を⾏い、
僧帽弁形成術を始めとする開⼼術、⼤動脈弁狭窄症に対する経⽪的⼤動脈弁置換術
(TAVI)の術前および術中評価に役⽴てています。

3D(僧帽弁閉鎖不全症)

3D color(僧帽弁閉鎖不全症)

負荷⼼エコー図検査

 負荷⼼エコー図検査は⼼臓に負荷をかけることで安静時には認められない⼼臓の壁運
動や⾎⾏動態の変化について調べる検査です。息切れの原因精査や弁膜症の⼿術適応を
決めるための重要な役割を担っています。仰向きになってエルゴメーター(⾃転⾞)を
漕いでもらう運動負荷⼼エコーと、強⼼薬を投与して⼼臓に負荷をかける薬物負荷⼼エ
コーの2種類があります。負荷をかける前に安静時の⼼エコー検査を⾏い、3-5分毎に
負荷を増やしていき、各段階で⾎圧、脈拍、酸素飽和度を測定しながら⼼エコー評価を
⾏います。所要時間は約30-40分です。

負荷心エコー図検査
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