輸血・細胞治療部
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輸血責任医師、輸血検査技師、輸血療法に関与する機会が多い各診療科医師、看護師、薬剤師、事務職員など複数の部署から選出された21名の委員から構成され、年6回以上実施しています。輸血用血液製剤およびアルブミンの使用状況や廃棄状況の確認、自己血の使用状況や廃棄状況の確認、輸血に関連する各種手順書及び運用体制の整備、輸血療法に関連する事例検討、輸血に関する教育や新しい情報の周知などを行い、より安全で適正な輸血療法の実施を目指しています。
輸血を実施する部署を定期的にラウンドし、現場の状況確認と問題点の把握を行います。
その結果を輸血療法委員会で共有すると共に、各部署に対する改善策の提案や指導を行います。
当院は、日本輸血・細胞治療学会認定医制度指定施設、認定輸血検査技師制度指定施設、臨床輸血看護師制度指定研修施設であり、各種研修を行っています。
輸血検査科では、輸血用血液製剤の管理、輸血関連検査、貯血式自己血輸血などを行っています。
・輸血用血液製剤の管理
・コンピューターシステムによる輸血用血液製剤の管理
・厳密に温度管理された保冷庫での保管
・輸血用血液製剤の放射線照射(顆粒球輸血時の放射線照射も含む)
・輸血関連検査
・血液型検査(ABO式、Rh式など)
・交差適合試験、抗体スクリーニング、不規則抗体同定検査
・血液製剤使用前の検査
・貯血式自己血輸血
・貯血式自己血輸血の採取・保管(冷凍式・冷蔵式)・管理
・全自己フィブリン糊調製装置を用いた自己フィブリン糊の作製・保管
当院では、自己フィブリン糊調製システム(クリオシールシステム)を用いた自己フィブリン糊の作製と、赤血球製剤の冷凍保存を行っています。1990年後半より、用手法による自己血漿から自己クリオプレシピテート(自己クリオ)の作製を開始、2014年からは、クリオシールシステムにより、自己血漿から自己クリオと自己トロンビン両方を調製し自己フィブリン糊を作製・使用しています。現在、自己血採血患者さんの約80%が自己フィブリン糊の作製を依頼しています。
また、遠方より受診・治療を希望される方では、利便性を考慮して手術日未定の紹介・検査時に自己血採血を実施することも多いため、長期保存を目的とした赤血球製剤の冷凍保存(1年保存可)も行っています。
細胞治療科では、細胞治療を行うための、造血幹細胞や再生医療等製品などの調製・保管・管理を行っています。
・造血幹細胞の処理・凍結保存・管理(末梢血幹細胞の凍結保存、臍帯血の保管など)
・CD34陽性細胞測定
採取された末梢血幹細胞は、細胞凍害保護液(CP-1液)を用いて凍結保存します。移植日程が決まった時点で、スモールサンプルを用いて造血幹細胞の回収率を測定し、移植が安全に実施できることを確認します。
・臍帯血洗浄術
当院では血液内科で年間100件を超す臍帯血移植を行っています。
輸血・細胞治療部では、搬入・保管・出庫に加え、臍帯血輸注時のアナフィラキシーにも対応しています。
・DLI(ドナーリンパ球輸注術)用細胞の保存・管理
・血液型マイナーミスマッチ骨髄移植時の骨髄血漿除去
・ヒト(同種)骨髄由来間葉系幹細胞(テムセルⓇ HS注)の調製
使用時には、輸血・細胞治療部で、症例ごとに投与毎に、投与細胞数を調製して払い出しを行っています。
・CAR(キメラ抗原受容体)-T細胞の保管・管理
現在、リソカブタゲンマラルユーセル(liso-cel, ブレヤンジⓇ静注)、アキシカブタゲンシロルユーセル(axi-cel, イエスカルタⓇ点滴静注)、イデカブタゲンビクルユーセル(ide-cel, アベクマⓇ点滴静注)の保管・管理を行っています。
※詳細は、細胞療法センターのページもご参照ください。