緩和医療科(がんの痛み外来)

このページを印刷

メッセージ

みなさんは、緩和医療やサポーティブケア(支持療法)や緩和ケアという言葉をお聞きになったことはありますか?

これらはいずれも、
・痛みやその他の体のつらさ、不安や落ち込みなどの気持ちのつらさ、仕事・学校・家庭のことなどの社会的な悩みを
・早期に見つけ、治療し、予防し、和らげて
・患者さんと家族のQOLを向上させる取り組み
を指しています。病気のみではなく、人間全体に注目して対処します。

それらの取り組みは大まかなイメージとして
・診断後から治療中に提供されるサポーティブケア
・命が閉じようとしている時期に提供される終末期医療・ホスピスケア
などと呼ばれ、全体をまとめて緩和医療と呼びます。
本人にとって、そのときどきの一番いい状態を目指すことを使命として、当科では病気の時期にかかわらず一連の流れをもってこれらの治療・ケアを提供しています。

当科の特徴

包括的な痛みの評価と神経ブロックを組み合わせた総合的痛み治療を得意としています。

たとえばがん由来の痛みを例にとります。
みなさん、がん患者さんはいつか七転八倒するような痛みを経験するようなイメージをお持ちではありませんか?実はがん患者さんで痛みを経験するのはおおよそ7割で、残り3割のかたは痛みを経験せずにすみます。痛みを経験する7割の方々は、一般的に以下の流れをもって治療し、強い痛みを経験しないように対応していきます。

主治医による痛み治療開始
① 一般的鎮痛薬

② 医療用麻薬(内服、注射、貼付薬)

ある一定量まで増量しても取りきれない痛みは難しいタイプの痛みと判断

当科を軸とした多職種チーム(サポートチーム)が主治医と併走して医療用麻薬の調節開始

③ 痛みの神経に直接痛み止めを注入する神経ブロック、あるいは鎮痛目的の放射線照射を検討

例:直腸がんの痛みにフェノールサドルブロック
例:膵がんの痛みに内臓神経(腹腔神経)ブロック

例:骨転移の痛みには原因部位を同定して、

整形外科と連携して神経根ブロック

放射線治療科と連携して放射線照射

対象となる疾患

対象となる病気

当科では病気の種類にかかわらず、依頼をお受けしています。
がんや心不全など生命を脅かす病気はもちろんのこと、感染症、間質性肺炎、慢性腎不全など広い範囲の患者さんのサポーティブケアを、主治医チームと合同で提供しています。

対象となる症状・悩み

体のつらさ:痛み、息苦しさ、だるさ、吐き気、しびれなど
気持ちのつらさ:不眠、不安、落ち込み、混乱している(せん妄)など
その他、療養の場所の相談、病気を理解して治療を決定していくサポート、親・子供に病気について伝えるサポートなどを提供しています。

診療体制

構成員

緩和医療科医師、精神科医師、専門・認定看護師、公認心理師、ソーシャルワーカー、理学・作業療法士、管理栄養士などが、対処する問題によってチームを組んで対応します。

依頼方法

当科単独ではなく、もともとの病気に対する主治医の治療と並行して行いますので、おかかりの医師、あるいは担当の看護師にご希望をお伝えください。
また当院はがん診療連携拠点病院として積極的な苦痛のひろい上げをしております。主治医を通してこちらからお伺いすることもあります。

「がんサポートチーム」のページをご覧ください。

地域の医療機関の皆様へ

当科では、当院かかりつけでなくても、痛みの治療に難渋しているかたの外来相談をお受けしています。また必要時には、元の療養先に戻っていただくことを前提として、入院での鎮痛薬調整、神経ブロックもお受けしています。以下の流れでご相談ください。

PAGE TOP