内分泌代謝科(内分泌部門)
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内分泌疾患は、わかりやすく言うと、ホルモンをつくる臓器の病気及びホルモンの作用の異常をきたす疾患ですが、極めて幅広い範囲の病気が対象となります。
甲状腺疾患 |
バセドウ病、橋本病、甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、腺腫様甲状腺腫、粘液水腫症、甲状腺癌、甲状腺良性腫瘍など |
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副甲状腺・骨代謝疾患 |
原発性副甲状腺機能亢進症、続発性副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症、偽性副甲状腺機能低下症などによるカルシウム代謝異常、骨粗しょう症、骨軟化症、クル病、ビタミンD代謝異常症、低ホスファターゼ症 |
副腎疾患 |
クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、副腎性器症候群、アジソン病、副腎機能低下症、副腎腺腫、副腎癌 原発性アルドステロン症の診断の際に行う副腎静脈サンプリングは、当院ではマイクロカテーテルを用いた副腎静脈分枝からの採血を行っており、詳細な評価が可能です(下記「お知らせ」参照)。 |
下垂体疾患 |
先端巨大症、巨人症、プロラクチノーマ、クッシング病、非機能性下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、ラトケのう胞、下垂体機能低下症、尿崩症、下垂体炎、下垂体性無月経 間脳下垂体外科と密接に連携し検査・治療を行っています。 |
膵内分泌腫瘍 |
インスリノーマやガストリノーマなどの機能性膵内分泌腫瘍、MEN-1 インスリノーマやガストリノーマの局在診断に選択的動脈内カルシウム注入試験(SACIテスト)を積極的に行っております。 |
男性性腺 |
男性性腺機能低下症、女性化乳房 |
女性性腺 |
多のう胞性卵巣症候群、無月経 |
電解質異常 |
低ナトリウム血症、バーター症候群、ギッテルマン症候群 |
糖代謝異常 |
上記疾患に合併した糖尿病 |
二次性高血圧症 |
上記疾患に伴う高血圧症 |
以下の画像はクリックすると拡大します。
通常の副腎静脈サンプリングは中心静脈で行われますが、当院では直径1mm以下の特殊なマイクロカテーテルを用いて支脈の採血を行うため、より詳細な評価が可能です。
検査時間は2〜3時間です。
遠方からの入院もお引き受けしています。
検査結果については詳細な説明を心がけています。
当科の特徴として、常勤医5名全員が内分泌代謝科専門医、3名が同指導医、2名が日本甲状腺学会専門医、1名が日本骨粗鬆症学会認定医の資格を有し一般病院では他に類を見ない充実した診療体制となっています。
内分泌疾患は手術適応となる腫瘍性疾患も多く、院内の間脳下垂体外科(下垂体手術)、耳鼻咽喉科(甲状腺・副甲状腺手術)、消化器外科(膵内分泌腫瘍手術)、泌尿器科(副腎手術)とも密接な連携をはかっています。さらに小児科(移行期医療)や放射線科(静脈サンプリング、バセドウ病放射性ヨウ素内用療法)とも連携し「内分泌センター」の中核として内分泌疾患の総合的診療を有機的かつ効率的に行うよう心掛けています。このような高度に専門的な診療体制により、患者さんを中心にした高い水準と質の医療を、内分泌疾患全般にわたって提供することをめざしています。
初診の場合には初診の予約をとってから受診ください。また医師からの紹介状を必ずご持参下さい。予約なしで初診にいらっしゃった場合、長時間お待たせすることとなり、お待ちいただいてもその日に診察ができない場合もあります。スムーズな診療にご協力をよろしくお願いいたします。
内分泌疾患では、間脳下垂体外科・産婦人科・泌尿器科・耳鼻科・消化器外科などの診療が必要な場合もありますが、いずれの場合も院内の専門医と協力して診療にあたります。
間脳下垂体疾患のうち、下記の7疾患が難病認定され、該当者は医療費の支援を受けられる場合があります(ただし、治癒している、あるいはこの疾患に対する治療を必要としない場合は通院していても対象とはなりません)。居住地所轄の保健所の「特定疾患に対する医療費助成の申請」に係わる窓口にお問い合わせいただき、速やかに、医療費助成のための手続きをお取り下さい。
なお、実際の手続きにあたっては様々な条件を満たすことが必要とされます。申請しても医療費助成の対象とはならない可能性もあります。
これらの疾患は、正しく診断されれば、ほとんどの場合に適切な治療が可能となります。比較的頻度の高い、また当センターで頻繁に診療する内分泌疾患については内分泌センターのページで簡単な説明をいたします。