臨床腫瘍科

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化学療法件数

臨床腫瘍科では、下図に示しますように、化学療法のほとんどを外来で行っております。2022年度には全体で6,000件超の化学療法を実施しましたが、そのうち、5,228件が外来での投与でした。この背景には、抗がん剤治療の副作用マネジメントが進歩したこと、複数職種や専門家によるチームでの対策が進歩したことなどが挙げられます。当院外来化学療法室では、20243月現在、37床のリクライニングシートとベッドで稼働しており、年間で約15,000件の化学療法を実施しております。

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治験件数

近年、がん薬物療法における新薬開発のスピードが加速しており、毎年の様に標準治療が更新される時代に突入しております。その結果、数年先に標準治療になる可能性のある薬剤が治験として実施される確率が増えてきました。そのため、我々は、標準治療を提供するだけでなく、治験というオプションも患者さんに提示できる様に、国際共同〜国内治験、企業治験から医師主導治験に至るまで、多くの治験を当科で実施しております。開発中の新薬を投与する際には、現在の標準治療を上回る効果が得られない可能性もありますし、未知の副作用が現れることもあります。我々は、がん薬物療法の専門家として、これらの新薬のマネジメントに慎重を期して取り組んでおります。

実施中の治験情報(2024年3月時点)
対象疾患 治験課題名 web link
膀胱癌 膀胱全摘除術に不適格である、又は膀胱全摘除術を選択しなかった、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)膀胱内注入療法に不応性の高リスク筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)患者を対象として、TAR-200Cetrelimabの併用、TAR-200単独、又はCetrelimab単独の有効性及び安全性を評価する第2b相臨床試験(SunRISe 1) https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2071200086
膀胱癌 膀胱全摘除術を受けていない筋層浸潤性膀胱尿路上皮癌(MIBC)患者を対象として、TAR-200とCetrelimabを併用したときの有効性を同時化学放射線療法と比較する第3相多施設共同、ランダム化試験(SunRISe 2) https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2071200088
膀胱癌 日本人のBCG不応性高グレード筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)患者に対するFE 999326の膀胱内注入療法における安全性及び有効性を評価する第相オープン試験(000381試験) https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2053220142
膀胱癌 シスプラチン不適応又はシスプラチンを拒否した筋層浸潤性膀胱癌患者を対象とした膀胱全摘除術と周術期のペムブロリズマブ及び膀胱全摘除術と周術期のエンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブを膀胱全摘除術単独と比較する無作為化第Ⅲ相試験(KEYNOTE-905/EV-303試験) https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2031220686
食道癌 進行固形がん患者を対象としたAB122プラットフォーム試験(AB122AB154TAS-120 https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jrct2011210020
乳癌 転移性 HER2 陽性乳癌の維持療法としてtucatinib又はプラセボをトラスツズマブ及びペルツズマブと併用する無作為化、二重盲検、第3相試験(HER2CLIMB-05 https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2011220007

乳癌
末梢神経障害

パクリタキセル毎週投与を受ける乳がん患者を対象としたONO-2910 の化学療法誘発末梢神経障害(CIPN)発症抑制効果及び安全性を検討する前期第相多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(ONO-2910-03 https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2031230173
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