感染対策に関する
アドバンスドナース
丸山 俊一郎感染症看護専門看護師
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、感染対策は社会の共通目標となりました。しかし行動レベルで見てみると、その対策は人によってまちまちではないでしょうか。なぜなら感染症は、病原微生物が目には見えないことや、人から人へ伝播する可能性があるという特徴から、人によって考え方や対応に差が生じやすい疾患だからです。病院や地域社会では、この「差」があることにより、不安や混乱がもたらされることも少なくありません。この「差」を理解し、できるだけ少なくすることが、CNSとしての私の大きな役割の一つと考えています。
そうした過不足のない感染対策―リスクを必要以上に怖れて過剰な対策になったり、リスクを過少に見積り対策が不足したりすることがないようにすること―は、感染拡大を抑止すると同時に、感染症を有する患者さんを守ることにもつながると考えています。感染症を有しているだけで、様々な制限を受けその人の権利が軽んじられてしまうことが残念ながら起こりえます。そうした感染症を有する患者さんの立場にも立ち、その負担や不利益を最小限にできる看護を目指し、臨床での実践と支援を積み重ねていきたいと思います。