外傷センター

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外傷センターとは?

欧米では、1960年代に外傷センターが設立され1970年代に制度化されました。本邦においては、1960年代より救命救急センターが設立され制度化が進み、現在290を越える救命救急センターが登録されています。救命救急センター設立当時の目標の一つが、増え続ける交通事故死亡者への対応であったことを考えると、救命救急センターそのものが外傷センターの意味合いを持ったものであったと考えられます。その後、道路交通法規整備や自動車技術進歩などにより交通事故死亡者は減り、一方で高齢化により内因性疾患が増加したため、救命救急センターの対象とする症例も内因性疾患が多くを占めるようになりました。また救命救急センター自体の数も増え、これらの施設に勤務する医師でさえ重症外傷症例を十分経験することが困難になってきました。
一方で、近年医療技術の進歩により重症外傷でも生命を取りとめる可能性も高まり、さらにその機能回復に対する要求も高くなっています。防ぎ得た外傷死と防ぎ得た外傷機能障害を減らすためには多数の十分な経験を積んだ医師が必要で、重症外傷患者を集約できる施設、すなわち外傷センターが必要ということになります。2000年代に入りその機運も高まり、全国に外傷センターを標榜する施設が散見されるようになりました。しかし現状では、本邦に制度化された外傷センターはありません。

本邦の現状

インターネットで検索すると、全国に外傷センターを標榜する施設が約40施設あり、その半分が整形外科主導の機能再建型外傷センター、1/4が救命救急センター型外傷センター、残りの1/4がその混合型であると思われます。重症・多発外傷患者の超急性期には、救急医、集中治療医、外科医、脳外科医などの関与は必須でありますが、亜急性期以降は大多数の症例において整形外科医による機能回復を目指した治療が必要となります。通常、整形外科医は外来診療や予定手術に追われ、また必ずしも外傷治療を専門としないため救急搬送されて来る外傷患者に対応するのは負担となります。

我々の目指すところ

そこで救命治療から救急整形外傷を中心に外傷センター医師が担当し、さらに必要な場合には外傷センターと各分野の専門家が知識・技術を共有し、より良い治療を患者さんに提供することができるように考えています。外傷センター医師が、救命救急センターと各診療科との間でうまく調整することにより病院全体でうまく分業できる体制の構築を図ります。

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