健康管理センター・画像診断センター

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画像診断センター科は赤坂インターシテイAIR 5Fにあります。2008年の活動開始から15年間で約36,000件のPET/CT検査(保険診療31,000件、検診5,000件)を実施し、院内のPET診療を担ってきました。
2024年に本院B2FにPET/CT装置が設置され、保険診療業務が基本的に放射線科に移行したことに伴い、現在はPET/CTがん検診とアルツハイマー病に対する疾患治療薬の使用適否を決めるためのアミロイドPET検査(読影は放射線科PET核医学認定医チーム)を行っています。
また、画像診断センター設置のCT,MRIを用いた各種画像ドック、施設の共同利用を目的とした外部紹介検査(CT, MRI, PET/CT)を実施し、他施設にはない先進的な画像ドックを通して、疾患の早期発見や予防、画像情報を活かしたウエルネスライフの提案を行っています。

”虎の門式”PET/CTがん検診

PET/CTがん検診は1994年に本邦で始まったユニークな検診です。がんに集まる放射性物質18F-FDGを注射して専用のPET/CTカメラで撮影し、症状を来す前のがんの発見をねらうもので、全身(頭~大腿部まで)を一度にチェックすることが特徴です。FDGの集まりが少ない、正常組織やがん以外の病変と紛らわらしい、といった理由で診断できないがんもあり、全てのがんを検出できるわけではありませんが、微量の放射線を入れるだけで「全身を一度に」「形態(かたち)と機能(代謝)の両面から」診てがんやがん以外の様々な病気の発見につなげられる、身体に優しく、情報量に富む検診と言えます。受診者からは「こんなことまでわかるんですか。すごいですね。」というお言葉を多くいただいています。

当科ではA~Dの4コースを用意しており、放射線診断専門医・PET核医学認定医の資格を有し3万件以上の診療実績を持つ複数の医師が丁寧に読影を行い(ダブルチェック体制)、受診者に迅速に結果をお届けします。Web予約も可能です。
Web予約はこちら

C,Dコースは、肺CTつきコースです。肺CTをプラスするのは、PET/CTは息(呼吸)を止めない撮影のために生体の動きや重力の影響で小さい病変を診断しきれないことがあるからで、息をしっかり止めた肺CTをプラスすることで早期肺がんの検出能力の向上を目指しています。

また、結果説明外来では、所見の解説や診療科への紹介だけでなく、必要に応じて様々な検査(ドック)の提案や、生活習慣・次回受診タイミングのアドバイスも行います。精査・治療が必要と思われる方は速やかに虎の門病院の該当する診療科やご希望の医療機関に紹介いたします。

PET/CTがん検診の詳細についてお知りになりたい方は、以下の資料をご覧ください。
FDG-PETがん検診ガイドライン2019版(日本核医学会).pdf

PET/CTがん検診の施設や検査の流れにつきましては、以下の資料もしくは健康管理センター・画像診断センターホームページをご覧ください。

①検診コース一覧・検診の流れ・採血項目一覧.pdf
②検診申込書・問診票.pdf
③PET/CTがん検診を受ける方へ.pdf
④PET/CTがん検診リーフレット.pdf

よくあるご質問
PET/CTがん検診Q and A(よくあるご質問).pdf

お問い合わせ先 03-3588-1111 内線7833

文献
石原眞木子、椎葉真人
「PETがん検診の現状と将来展望」新医療 2015年9月号p43-36

アルツハイマー病による軽度認知障害もしくは軽度認知症の疑いがある方に対するアミロイドPET検査

(医師向け)

認知症を罹患する方は2025年に700万人となり、65歳以上の約5人に1人に達することが見込まれています(厚生労働省新オレンジプランによる)。アミロイドPET検査は、認知症の原因の中で最も多くを占めるアルツハイマー病を早期の段階で判別するための検査です。当科は、2023年に日本核医学会による撮像施設認証を取得し、院内外からのアミロイドPET検査の依頼を受けています。検査のご依頼は、認知症疾患医療センターと連携し、疾患治療薬を用いた治療を行うことができる施設の専門医であれば可能ですので、ぜひご利用ください。(院外からの検査申込書類一式はこちら)

アルツハイマー型認知症の原因は、アミロイドβという脳内で作られるたんぱく質の一種とされています。通常は脳内のごみとして分解・排泄されますが、何らかの原因でアミロイドβ同士がくっついて異常なアミロイドβのかたまり(プラーク)ができると、排出されずに脳に蓄積してしまいます。そして、アミロイドβの出す毒素により脳細胞が壊され、脳の萎縮が起こり、認知症の症状が進行していきます。
2023年12月、アミロイドβプラークに結合して取り除くことによって症状の進行を遅らせる「疾患治療薬」に、保険が適用されました。アミロイドPET検査はアミロイドβプラークを画像的に映しだすことができるので、治療を行う対象となる患者さんかどうかを見極める上で、大変重要な検査となります。

検査は、放射性診断薬を注射してから60分の待機時間をとった後に20分かけて頭部の撮影を行います。検査トータルの所要時間は約2時間半です。検査終了後はすぐに通常の生活にもどることができます。
脳内のアミロイドβが溜まっているかどうかについて、研修を受けた核医学専門医・PET核医学認定医が複数の眼で画像を確認し、脳内に老人斑が沈着しているか否かを陽性か陰性かで判別します。結果報告書は、1週間ほどで郵送いたします。

施設認証書類.pdf

AIサポート型脳ドック、~次世代の脳とからだの健康管理~虎の門プレミアム脳ドック

人生100年時代を迎えた今、脳ドックは今治療すべき脳の病気があるかないかだけでなく、「脳卒中、認知症予防」という本来の予防医学に重きが置かれるようになっています。脳においても、受診者本人の生活習慣の改善と継続フォローが疾病の予防に重要であることは言うまでもありませんが、それをどう伝えるかにドックの質が問われています。画像診断センター科は、関連科との協議のもと、もっとも頻度の高い所見である脳小血管病のグレードや脳動脈瘤の破裂リスクやなど今後の重篤なイベントにつながる所見がわかりやすく、今後の健康管理に役立つ情報を載せた「総合脳ドックレポート」を考案しました。

また、近年は人工知能(AI)を利用した様々な画像診断支援ソフトウエア(CAD)が普及してきています。当院の脳ドックも、AI-CADを未破裂脳動脈瘤の見落とし防止、生活習慣病のサロゲートマーカーである白質高信号(虚血性変化)の客観的評価に役立てています。
さらに、画像診断センター科では、AIによる海馬の体積を白質高信号(虚血性変化)と同時評価することで脳のエイジングを可視化するAI解析レポートを考案し、各科・部署と協力し~脳とからだはつながっている~をテーマに多角的脳ドック「次世代の脳とからだの健康管理 虎の門プレミアム脳ドック」を、関連科とタイアップして2023年10月に立ち上げました。
プレミアム脳ドックでは、以下の項目を多角的に評価します。
1. 白質高信号と海馬の体積のAI解析
2. 公認心理師による認知機能テスト
3. フレイル・ロコモ度テスト
4. 体組成分析(InBody)による筋肉量や脂肪量の測定
5. 生活習慣病関連及びビタミンB1, ビタミンDなどの栄養に関する血液検査

虎の門プレミアム脳ドックは、今治療すべきもしくは経過観察を要する脳の病気を発見することに加えて、脳の健康を保つためにどうすれば良いかを医師や医療スタッフとともに考えていく脳ドックです。結果説明外来では、受診者の皆様より「減塩が大事なんですね。」「もっと運動しなければいけませんね。」などと、好評をいただいています。
画像診断支援AI Q and A.pdf
プレミアム脳ドック紹介記事(KKR2024年7月号).pdf


参考文献
Makiko Ishihara et. al. Detection of intracranial aneurysms using deep learning‑based CAD system: usefulness of the scores of CNN’s final layer for distinguishing between aneurysm and infundibular dilatation. Japanese Journal of Radiology https://doi.org/10.1007/s11604-022-01341-7
石原眞木子 他 人生100年時代脳ドックにおけるAIソフトウエア利用の試み INNERVISION (39・7) 2024

bi-parametric MRIによる前立腺ドック

前立腺がんの罹患者数は高齢化社会の進行とともに2000年頃から急増しています。国立がん研究センターによる2018年のがん統計では人口10万人対149.5人と男性の部位別癌罹患者数で第1位であり、現在もこの状況は続いています。
前立腺がんのスクリーニングには prostate-specific antigen (PSA) 検査が広く普及し、早期の診断が可能になっていますが、PSA値が正常を越えているが臨床的有意癌のレベル(PSA10ng/ml)に達しないいわゆるグレーゾーンに入る対象者は比較的多く、外来での経過観察の対象となっています。また一方で、PSA検査の感度は80%程度とされており、PSAでは発見されない前立腺がんも多く存在します。
近年、前立腺がんの診断におけるMRI検査の有用性が報告され、前立腺生検の標的決定や経過観察として欠かせない検査として確立しています。

そこで、画像診断センター科と泌尿器科がタイアップし、2021年よりMRIを用いた前立腺ドックを立ち上げました。検診という観点から、非造影検査すなわちT2強調画像と拡散強調画像のみで前立腺を評価するbiparametric MRIにて評価する方法を用い、診断専門医によるしっかりした画像評価と泌尿器科専門医による丁寧な診察、説明を組み合わせたドックとしました。MRIを用いた前立腺ドックは、PSA検診と比べると臨床的有意がんの検出率が高く、前立腺肥大などがん以外の疾患の評価も可能です。また、泌尿器科医師にすぐ相談できるドックであることから、人気を集めています。

この他、画像診断センター科では、子宮がん検診のMRI診断、CTによる肺ドックの一次読影を実施し、画像診断の質向上に寄与しています。

脳ドックと前立腺ドックの実績

実施件数 2021年度 2022年度 2023年度
脳ドック 1,916件 2,000件 2,105件
前立腺ドック 131件 300件 379件

紹介検査

公共交通機関からのアクセスの良さを活かし、施設の共同利用として近隣の医療機関様にCT,MRI及びPET/CT検査を御利用いただいています。検査の申込は虎の門病院の医療連携室が窓口となります。

虎の門病院 患者支援部 医療連携室 電話:03-3560-7823 (直通) FAX:03-3560-7878

読影は放射線科(FDG-PET/CT, アミロイドPET)と放射線診断科の専門医(CT,MRI)が行います。

(実施可能な検査一覧)
CT:頭部、副鼻腔、眼窩、頸部、胸部、腹部、骨盤など ※造影検査は実施しておりません。
MRI:頭部、頸部、下垂体、脊椎(頸椎、胸椎、腰椎)、肝胆膵、MRCP、腎、骨盤、MR urography、前立腺中心など ※造影検査は実施しておりません。
PET:FDG-PET保険(悪性腫瘍病期及び転移再発診断、心サルコイドーシス、大型血管炎)、FDG-PET自費及び自費(腫瘍マーカー高値、炎症性疾患など)、アミロイドPET

FDG-PET検査 アミロイドPET検査 CT検査 MRI検査
診療情報提供書(FDG-PET) 診療情報提供書(アミロイドPET) 診療情報提供書(CT検査) 診療情報提供書(MRI検査)
検査説明文書・意思確認書(FDG-PET一般) 検査説明文書・意思確認書(アミロイドPET)

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