高齢者総合診療部
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超高齢社会と認知症患者急増の現実に向き合うため、2015年7月、認知症科と同時に発足した新しい診療部です。入院患者のみが対象となり、主治医と一緒に高齢患者を支えます。
高齢者はうつや認知症を合併し易く複数の慢性疾患をもつため、臓器別医療では対応ができません。高齢者医療を社会の一環としてとらえ直し、患者のどのような日常生活が制限され、それがなぜ起こったのかを総合的に考えてゆきます。
以上を行い、高齢者のもつ複合的な要因を総合的に考えてゆきます。
当診療部では医師、看護師、薬剤師、臨床心理士、栄養士、ソーシャルワーカー(MSW)による多職種チーム医療をおこないます。
このようにそれぞれの職種の視座で障害をもつ患者像を捉えなおし、その改善策を提案してゆきます。さらに患者を医療だけの立場からみるのではなく、社会での患者の在り方や医療へのかかわり方も同時に考えます。
※入院患者さんでご希望の方は主治医にご相談ください。
認知症の簡易評価を行いますが、入院時にはせん妄の影響がでるため精査は外来の認知症科で行います。
周辺症状は全身状態の悪化や住環境の変化、周囲の方の状況にそぐわない対応から生じます。その原因を突き止め、対応策を講じます。
高齢者のせん妄は、意識障害との鑑別診断が重要です。神経内科医、精神科医、中枢神経放射線科医が集まることで脳梗塞や髄膜脳炎などの神経学的救急疾患、認知症疾患、うつ病、統合失調症などの精神疾患、診断が困難な低活動型せん妄まで、大脳疾患のすべてに対応します。
せん妄に対して不用意に薬剤が投与されたり、拘束されないように、ケアの重要性を指導し、鎮静剤や眠剤の適切な使用を検討します。
75歳以上高齢者の高侵襲度手術前介入を行います。せん妄を未然に防ぎ、術後せん妄にも対応します。
全身状態から精神状態、栄養状態まで高齢者の術前・術後の総合評価を行います。
主に外科領域での内科的評価・医療提案をします。
日常生活のどこが、なぜ障害されているのかを総合的に判断し、改善策を提案します。
退院時にMSWを通じてかかりつけ医の調整を提案します。
ポリファーマシー対策や高齢者の使用注意薬・副作用の指摘、内服状況の確認と効果的な投与法を提案します。
患者の抱える社会的問題に対策を講じます。
病院ではスタッフと患者さんの間に、ちょっとした「食い違い」が生じることがあります。
その「食い違い」が生じる背景には、高齢者特有のうつや不安、認知症が関わっています。当診療部は患者の立場に立ち、急性期病院での高齢者対応はどうあるべきかを考え、問題解決法を提案します。
全病院スタッフに認知症や高齢者の心理、その対応方法を指導し、病院全体の適応能力を高めてゆきます。
ノーマライゼーションの理念は「障害者や高齢者のありのままをすべて受容し、彼らが健常者と同じような生活ができるよう周囲が変わること」です。この考え方をもとに変動する社会に柔軟に対応できる医療チームを目指します。
老年症候群、認知症一般、うつ、大脳機能障害、神経中枢疾患、脊椎疾患、フレイル、サルコペニア、ポリファーマシー、せん妄、意識障害
当診療部は高齢者の入院患者さんを総合的に拝見する診療部です。入院患者のみの対応になります。
メッセージ欄の「病棟での主な役割」をご覧になり、希望される内容がございましたら、入院時に主治医までお問い合わせください。