内分泌センター
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内分泌疾患の総合的診療を有機的に行います
小児から高齢者まで内科的治療から手術治療まであらゆる領域で充実したスタッフにより患者中心の医療を最高の水準で提供することをめざします。
患者さんご自身または医療機関から各部門の初診予約をおとりください。紹介状を持参の上、受診いただくよう患者さんにお伝えください。
endocrinology@toranomon.gr.jp
※ 一般の方々からのメールによるご相談はお受けしておりません
これらの疾患は、正しく診断されれば、ほとんどの場合に適切な治療が可能となります。
ここでは、比較的頻度の高い、また当センターで頻繁に診療する内分泌疾患についての簡単な説明をいたします。
甲状腺ホルモンの産生を抑えるくすりを服用します。副作用の出現に注意しつつ、次第に減量して正常な甲状腺機能を維持していきます。通常、少なくとも2年間の内服継続が必要となります。
ヨード(ヨウ素)のアイソトープを内服することによる治療法です。バセドウ病ではヨードが甲状腺に特に集まりやすいという性質を利用したものです。甲状腺内部に蓄積されたアイソトープから発生する放射線により甲状腺組織を破壊します。治療前に十分な検査を行い、内服するアイソトープ量を決めます。通常は、一度の内服でアイソトープ治療は完了しますが、その後も定期的な通院は必要です。また、多くの場合には、治療後のいずれかの時期に甲状腺ホルモンの不足状態に陥ります。その場合は、適量の甲状腺ホルモンを内服します。
非常に甲状腺が大きい、副作用のため内服薬が使えない、内服薬による治療に抵抗性である、などの場合には手術を考慮します。甲状腺を一部分のみ残して大部分を切除する方法です。通常、術後すぐに甲状腺機能は改善します。しかしながら、時には術後しばらくしてから甲状腺ホルモン不足の状態に陥ることがあります。また、稀には再発することもあります。
バセドウ病に伴う眼の障害の典型は眼球突出です。これは眼球そのものの異常ではなく、眼球を動かす筋肉や眼球周囲の脂肪組織の炎症性肥厚により生じます。複視(ものが2重に見える)、充血、流涙、痛みなどが自覚症状として表れることがあります。重要な点は、バセドウ病に伴う眼の障害は甲状腺機能とは直接の関連がない、ということです。眼の障害を合併する患者さんは、甲状腺を刺激する抗体に加えて眼の周囲の組織(筋肉や脂肪組織)を刺激する自己抗体ももっていると考えられています(残念ながらこちらの自己抗体の日常的な検査法はありません)。したがって、甲状腺に対する治療を受けても、必ずしも眼の症状が改善するわけではありません。やっかいなことに、甲状腺の治療中に、それまで見られなかった眼の障害が新たに出現してくることもあります。
バセドウ病に伴う眼障害は眼球そのものの異常ではないため、必ずしも全ての眼科で適切に対応できるわけではありません。治療法も確立されたものはありませんが、一般的には、ステロイド短期大量療法(パルス療法)、放射線外照射、手術などの手段があります。このうち、手術以外は当センターで実施しております(2~3週間の入院加療)が、症状が著しい、難治である、手術が必要、などの場合には専門の施設をご紹介しております。
甲状腺の過形成による多発性の結節形成。腫瘍ではなく、良性の疾患。
濾胞(ろほう)腺腫などの良性の腫瘍。
甲状腺の悪性腫瘍はおよそ5種類に分類されますが、それぞれ悪性度が大きく異なるとともに治療法も大きく異なるので、どのような癌であるのかが重要となり、正確な診断が求められます。
通常は、発熱や甲状腺結節部分の強い痛みがあることから診断されます。通常、プレドニゾロン等のステロイド製剤の内服や鎮痛解熱剤で治療します。
甲状腺の病気は比較的若い女性に多い病気ですので、妊娠・出産に関する配慮が必要となります。
原則(たてまえ)としてはバセドウ病が良くなり、治療が不要となってから妊娠することが望まれるのですが、現実的には、バセドウ病は何時になったら治療が完了するのか予測することが困難な病気であることや、妊娠・出産には年齢的あるいは社会的な要因が大きく関係してくるので、バセドウ病の治療中に妊娠・出産する場合もしばしばあります。治療中に妊娠をする場合に大切な点は次のような事柄です。
バセドウ病の患者さんの妊娠では、甲状腺ホルモンが正常化しているということが最も大切です。そのため、妊娠を希望している場合には担当医によく相談して下さい。治療のための薬剤の内服よりも、甲状腺ホルモンが過剰であることの方が、胎児にとってはるかに危険であることをよく理解して下さい。
通常、妊娠によってバセドウ病の活動性(病気の勢い)は軽くなるので、おくすりを減量する場合が多くなります。また、甲状腺ホルモンと抗甲状腺薬を併用している場合には、甲状腺ホルモンを中止して抗甲状腺薬を減量することになりますので、いずれにしても事前に担当医によく相談して下さい。また、予定外に妊娠した場合には出来るだけ速やかに担当医に連絡して下さい。
バセドウ病の治療薬は、妊婦に安全であることは保証されていません。しかしながら、これらのおくすりはこれまで数十年にわたり多くの妊婦に用いられています。その経験からは、バセドウ病のくすりを服用しているから妊娠を断念する必要はないといえます。
病気そのものの胎児への影響や出産後の授乳に関しても理解しておくべきことがありますので、担当医にご相談下さい。
なお、虎の門病院では産婦人科と薬剤部が中心となり、「妊娠とおくすり」に関する相談を受け付けております。
甲状腺ホルモンを内服している場合には、妊娠が判明したらただちに担当医に相談して下さい。妊娠中は甲状腺ホルモンの必要量がやや多くなりますので、一般的に妊娠中期からは妊娠前の1.5倍くらいの量を内服することになります。しかしながら、個人差がありますので、血液検査の結果をみながら、くすりの必要量を決めていくことになります。
これらの病気は免疫機構の障害により生じることが大部分です。このような病気は一般に、出産後に悪化することが多いといわれています。出産後、3~6ヶ月くらいで甲状腺ホルモンが不足したり、バセドウ病が悪化したりすることがありますので、疲れやすさなどの体調の悪化を自覚したら早めに担当医にご相談下さい。
それぞれの詳細は関連の項目を参照して下さい。
1)早期閉経(両側卵巣摘出術やホルモンの病気など)
2)母親や祖母が骨粗鬆症(糖尿病などと同様に、骨粗鬆症も遺伝的素因が大きく関与する病気です)
3)若い頃から痩せている(体重や肥満度と骨量との間には強い相関があります)
4)若い頃に運動をしなかった
5)アルコールを多飲する(特に男性ではこれが一番の原因です)
6)ステロイドを内服している(ステロイド内服はほとんどの場合に骨量を減少させます)
1) 十分なカルシウムとビタミンDを摂る。このためには日光浴も大切です。
2) 適度な運動をこころがける。60歳を過ぎたら、骨を鍛えるというよりも、筋力を維持したり、体のバランスを保つ力を訓練したりすることが大切です。
3) 適切な治療薬を用いる。
間脳下垂体疾患のうち、下記の7疾患が難病認定され、該当者は医療費の支援を受けられる場合があります(ただし、治癒している、あるいはこの疾患に対する治療を必要としない場合は通院していても対象とはなりません)。居住地所轄の保健所の「特定疾患に対する医療費助成の申請」に係わる窓口にお問い合わせいただき、速やかに、医療費助成のための手続きをお取り下さい。
なお、実際の手続きにあたっては様々な条件を満たすことが必要とされます。申請しても医療費助成の対象とはならない可能性もあります。