患者さん=医療者のパートナーシップ

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虎の門病院では「根拠を基にした医療」を提供し、「患者さんの権利の尊重」と「患者さんの安全の確保」などに病院をあげて取り組むと共に、患者さんと医療者のパートナーシップを重要な事柄と位置づけています。「インフォームド・コンセント」、「セカンド・オピニオン」、「情報開示」などにより患者さんが自分で自分の医療方針を自由に決定できるよう務めています。病院全体で組織的に、安全管理に配慮すると共に、情報開示制度により知る権利を尊重し、同時にプライバシー確保についても考慮しています。様々な医の倫理の問題には、委員会活動、検討会、手引きなどで対応します。これらのことは医療者側の対応のみならず、患者さんとのパートナーシップが重要なことです。そのため当院では患者さんへのお願いを提示しました。解らないことがあれば納得するまで質問して下さい。安全確保のためにアレルギー歴などきちんとお伝え下さい。いろいろな場所で名前を名のっていただいたり、点滴の確認をしていただくなどの形で診療に参加していただきます。お困りの点、お気づきの点などありましたら、是非相談窓口へのお越し下さい。直接お話下さったり投書してくださっても結構です。是非、より良いパートナーシップを築き上げていただきたいと考えています。

臨床疫学に基づく医療

根拠に基づいた医療とは、臨床疫学に基づく医療という意味です。臨床疫学は多くの患者さんから得られた知見を集団のデータとして定量的に表し、これに基づいて行う医療です。良質な医療の一つの視点として、「技術的に優れた医療の提供」が挙げられます。技術的に優れていることとは、根拠に基づいた正しい医療を正しく提供することを意味しています。当院では根拠に基づくと共に、豊富な知識と経験・技術により患者さん個々に合わせた診療を行っています。また、セカンドオピニオン提供制度もあります。必要な方はお知らせ下さい。

安全の確保

当院では独自に制定した「医療事故防止マニュアル」を基に事故防止の原則を徹底化しています。常に「人は誰でも間違いを起こす」ことを念頭に、医療に携わる個人の問題と組織に潜むシステムの問題との双方を検討し、病院全体や各々の職場において安全性の向上をはかっています。
具体的には、責任体制の確立、組織的活動方針及び手順の確保、組織的な教育・訓練の実施、問題事例の原因分析・対策、外部との連携、患者さんとのパートナーシップの充実に尽力しています。院内感染対策に関しても、組織的な管理、医学的な認識、職員への指導に常時取り組んでいます。
しかし、医療は本質的に不確実なものです。たとえ医療的な間違いが無くとも、事故が起こることがあえります。患者さん自身が十分納得した上で、自由に自分の治療方針を決定していただく様にしております。

医の倫理に対する対応

当院では医の倫理の問題に対し、患者さんの人権を守ることを第一と考え、各々の問題に関して委員会活動、検討会、各種指針で対応しています。すべて患者さんに対して「医師のための入院診療基本指針」で医の倫理、患者さんの権利について示しています。臓器移植については「臓器の移植に関する法律」の運用に関するガイドライン、婦人科においては、人工授精、精子バンク、凍結卵子の問題に関わるガイドラインを尊守し治療を行います。新薬の治験や人工臓器・遺伝子治療等新しい治療技術の開発に関しては倫理委員会、研究委員会にて審議を行い治療方針を決めています。癌告知、知る権利に関してはインフォームド・コンセントの徹底化に努めています。生命の尊厳に関する問題では臨床倫理委員会小委員会にて議論・検討し、ターミナルケア、延命治療についての決定を厳密に行います。

プライバシー確保

当院ではインフォームド・コンセント、セカンドオピニオン、カルテ開示といった情報提供と共に、外来・入院患者さんのプライバシー保護を厳重に行っています。医療情報の取り扱いで、コンピューターのセキュリティーシステムや種々の規約により慎重を期しております。外来では患者さんの呼び出しに注意を払う、入院患者さんに関しては病室に患者氏名を記入しない、などの工夫もしております。電話、郵便物の対応についても教育指導をとっています。

相談窓口―患者さんの家族の意見尊重

患者さんや家族の抱える社会的問題、社会復帰、医療費の負担、施設入所などの問題には医療ケースワーカーを主体として相談に応じています。その他、医療サービス全般、苦情、提案など、患者さんや家族の方の意見を尊重するため、相談窓口、投書、直接対応などで患者さんとのパートナーシップを高めております。

ボランティアグループ

作家の遠藤周作さんが作られたボランティアグループ「遠藤グループ」、「難病の子供支援グループ」、個人ボランティアの方々が本院、分院に来て下さり、患者さんとより近い立場で様々な場面でお役に立っていただいております。患者さんの気持ちをじっと“聴く”ボランティアと定義され、ありがた迷惑にならない、患者さんとお友達にならない、などのグループで定めた鉄則を守り、患者さんのお側にいて下さっています。

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