フットケアセンター

このページを印刷

メッセージ

2023年4月より、新たにフットケアセンターを立ち上げました。フットケアセンターとは、下肢の閉塞性動脈硬化症(下肢の血管の狭窄・閉塞)による痛みや壊疽の疑いがある患者さんの診断、治療を迅速かつ総合的に行うために、関連する専門家が集まったセンターです。

閉塞性動脈硬化症とは

下肢に酸素を供給する血管が動脈硬化により著しい狭窄あるいは閉塞となることにより、下肢の筋肉や組織に酸素が十分に送られなくなる状態にことです。筋肉や組織に酸素が不足すると、不足している部位に痛みが起こり、ひどくなると潰瘍ができたり壊疽になったりします。
歩いた時にだけふくらはぎなどに痛みが起こる症状を間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。閉塞性動脈硬化症の比較的軽い症状で、この状態から急に潰瘍や壊疽となり下肢切断が必要になることはほとんどありません。
じっとしていても足に強い痛みがあったり、赤黒く色が変わってしまう、皮膚に潰瘍ができるなどの症状がある方は、重症の閉塞性動脈硬化症が疑われます。急いで治療を行わないと、下肢切断が必要となる可能性があります。血管造影による診断、血流を改善させる治療、潰瘍や壊疽がある場合はその傷のケアを速やかに行わなくてはなりません。

閉塞性動脈硬化症ではないかもしれなくても、ためらわずに受診してください

フットケアセンターの最初の仕事は、閉塞性動脈硬化症が疑われる患者さんの足の痛みが、本当に動脈の狭窄・閉塞によるものなのかを確かめることです。足の痛みの原因となる疾患には、閉塞性動脈硬化症の他にも、糖尿病足、しもやけ、内反母指等の整形外科疾患、足の皮膚病など、多くのものが考えられます。動脈硬化症が原因ではない場合は、当該科への紹介をフットケアセンターより行います。

閉塞性動脈硬化症と診断されたら、迅速に血管の治療と傷の治療を並行して行います

血管の狭窄・閉塞によりすでに潰瘍、壊疽などができている場合は、血行再建*1と傷の治療をどちらも並行して迅速に行い、下肢切断の回避あるいはできるだけ小さな切断で済むようにします。センター長に心臓血管カテーテル治療の専門医である藤本 陽(ふじもと よう)医師、副センター長に形成外科専門医 北井 諒(きたい りょう)医師を配する当センターならではの特長です。

*1 血行再建
血管の狭窄・閉塞による血流の悪化を改善するために、カテーテル治療、バイパス手術などを行い血流を改善させる治療

病気が進んでいても手遅れとは限りません

すでに壊疽となっていても、膝下の血管が全部つまっていたとしても、急いて血行再建と壊疽の応急的な治療を行えば、予定された切断の範囲を小さくできる可能性があります。あきらめずにご相談下さい。

医療従事者の方々へ

閉塞性動脈硬化症が疑われる方がいらっしゃいましたら、ぜひ当院へご紹介下さい。主訴と現在の内服薬、ABIや採血等の検査が行われている場合はその結果などを添付頂けましたら、紹介状の内容はごく簡潔なもので結構です。閉塞性動脈硬化症か否かの診断も承ります。ABIや採血等の検査がされていなくても受診は可能です。閉塞性動脈硬化症以外の疾患が疑われる場合は、当該科への紹介も当センターにて承ります。ご紹介お待ちしております。

一般の方々へ

足の指の痛みや色の変化(赤黒、紫など)、繰り返す歩行時のふくらはぎの痛みなど、閉塞性動脈硬化症かな?という症状がありましたら、まずはかかりつけの先生にご相談下さい。かかりつけのない方は、ご近所の内科あるいは皮膚科クリニックを受診して頂き、ご相談ください。閉塞性動脈硬化症が疑われると判断された場合には、紹介状を書いて頂き、フットケアセンター外来をご受診下さい。当センターの専門医が診断、治療をいたします。

診療体制

フットケアセンターは以下のメンバーで構成されています。

センター長:藤本 陽 循環器センター内科
副センター長:北井 諒 形成外科

佐藤 敦彦 循環器センター外科
原 理沙 腎センター内科
藤原 秀臣 分院循環器内科
皮膚科 須永 真司
整形外科 福島 成欣
看護部 斎藤 美子

オブザーバー

児玉 隆秀 循環器センター内科
江口 智明 形成外科
森 保道 代謝科
柴 昌徳 分院循環器内科
柳沢 ちづる 看護部

月曜 火曜 水曜 木曜 金曜
午前 北井 諒 佐藤 敦彦 フットケア外来
午後 藤本 陽 藤本 陽

※こちらの外来は完全予約制になります。

フットケア外来では、センター長 循環器センター内科 藤本 陽と副センター長 形成外科 北井 諒が同時に診察を行います。血管造影とカテーテル治療、傷の治療の計画を1回の外来で立てることができ、大変スピーディーです。重症下肢虚血*が疑われる方はフットケア外来の予約をお勧めいたします。もちろん、症状が重く、一日でも早く受診をご希望の方は、上の表のどの外来を予約して頂いても結構です。ご予約の際に紹介状をFAX送信して頂けますと、より迅速な診断、治療が可能となります。FAXして頂く紹介状は、主訴(症状)とお薬手帳のコピーだけでも結構です。ご予約の際は、予約係に形成外科 フットケア外来予約とお伝えください。
間欠性跛行の方は、循環器センター内科 藤本 陽あるいは循環器センター外科 佐藤 敦彦の外来予約をお勧めします。

*重症下肢虚血:足に壊疽や潰瘍がある、あるいは歩かなくても痛みがあり、色が赤紫色になっているなど、重症の血流障害が疑われる状態

足の痛みでお困りの方で、閉塞性動脈硬化症が少しでも疑われる場合は、お気軽に当院フットケアセンターにご相談ください。

PAGE TOP