臨床指標(クリニカル・インディケーター)

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臨床指標(クリニカル・インディケーター)

臨床指標(クリニカル・インディケーター)とは、診療の質を評価する指標のことです。指標を経時的に測定し、評価することで医療の質改善と向上につながると考えられています。当院は、2015年度より日本病院会のQIプロジェクトに参加し、以下の項目を臨床指標と定めています。
※個人情報保護のため、分子に該当する対象患者さんが10名未満の場合、表の分子・分母の患者数を”-(ハイフン)”表記としています。

  • 1.患者満足度

    指標の意義

    受けた治療の結果、入院期間、安全な治療に対する患者さんの満足度を見ることは、医療の質を計る上で直接的な評価となる指標のひとつです。

    外来患者満足度

      「満足」または「やや満足」と回答した外来患者数(分子) 患者満足度調査に回答した外来患者数(分母)
    2019年度 163 186
    2018年度 160 211
    2017年度 216 238
    2016年度 194 218
    2015年度 198 225
    解説

    外来を受診される患者さん、お付添いの方を対象に、総合的に見た当院の満足度についてお聞きしました。「満足、やや満足、どちらともいえない、やや不満、不満」の5段階評価とし、満足またはやや満足と回答された割合です。

    入院患者満足度

      「満足」または「やや満足」と回答した外来患者数(分子) 患者満足度調査に回答した外来患者数(分母)
    2019年度 268 279
    2018年度 277 286
    2017年度 266 284
    2016年度 263 277
    2015年度 256 270
    解説

    当院にご入院された患者さんを対象に総合的に見た当院の満足度についてお聞きしました。「満足、やや満足、どちらともいえない、やや不満、不満」の5段階評価とし、満足またはやや満足と回答された割合です。

  • 2.死亡退院患者数

    指標の意義

    全退院患者のうち死亡退院された患者さんの割合です。医療施設の特徴や入院患者のプロフィールが異なるため、直接医療の質を計る数字ではありません。

    死亡退院患者数

      死亡退院患者数(分子) 退院患者数(分母)
    2019年度 394 17,732
    2018年度 387 17,964
    2017年度 426 17,978
    2016年度 488 18,045
    2015年度 436 18,121
    解説

    当院は、高度な先進医療を担う急性期病院として、ご高齢の患者さんや、高度に進行したがん患者さん、終末期の患者さんなどの重症患者さんのご入院にも対応しています。

  • 3.入院患者の転倒転落発生率

    指標の意義

    転倒転落の発生事例を分析し、適切な予防策を実施していくことが、転倒による傷害予防につながると考えられます。

    入院患者の転倒・転落発生率

      医療安全対策室へ報告された転倒・転落件数(分子) 入院延べ患者数(分母)
    2019年度 428 241,095
    2018年度 479 255,716
    2017年度 472 267,797
    2016年度 505 274,304
    2015年度 499 274,859
    【表1】 損傷のレベル (日本病院会QIプロジェクトより)
    レベル 損傷 説明
    1 なし 患者に損傷はなかった
    2 軽度 包帯、氷、創傷洗浄、四肢の挙上、局所薬が必要となった、あざ・擦り傷を招いた
    3 中軽度 縫合、ステリー・皮膚接着剤、副子が必要となった、または筋肉・関節の挫傷を招いた
    4 重度 手術、ギプス、牽引、骨折を招いた・必要となった、または神経損傷・身体内部の損傷の診察が必要となった
    5 死亡 転倒による損傷の結果、患者が死亡した
    6 UTD 記録からは判定不可能 Unable to Determine from the documentation

    入院患者の転倒・転落発生率(レベル2~6)
    表1の損傷のレベル2~6に該当する患者さんが対象になります。

      医療安全対策室へ報告された転倒・転落件数(レベル2~6)(分子) 入院延べ患者数(分母)
    2019年度 45 241,095
    2018年度 28 255,716
    2017年度 19 267,797
    2016年度 41 274,304
    2015年度 66 274,859

    入院患者の転倒・転落発生率(レベル4~6)
    表1の損傷のレベル4~6に該当する患者さんが対象になります。

      医療安全対策室へ報告された転倒・転落件数(レベル4~6)(分子) 入院延べ患者数(分母)
    2019年度
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度 10 274,859

    65歳以上の入院患者における転倒・転落発生率
    65歳以上の入院患者さんが対象になります。

      65歳以上の入院中の患者に発生した転倒・転落数(分子) 65歳以上の入院延べ患者数(分母)
    2019年度 311 137,206
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度
    解説

    2014年1月より転倒・転落対策チームを発足し、毎月活動しています。チームでは、事例検討、病棟ラウンド、入院患者のスリッパ禁止等の対策を実施してきました。その後、転倒・転落予防用具の更新、機種追加、ピクトグラム導入、患者用パンフレット改訂を行い、昨年度末からは転倒転落リスクの高い方に黄色リストバンド(入院)・黄色ストラップ(外来)の装着を開始しました。今年度は新病院に移転し、施設・設備環境の変化はありましたが転倒転落発生率・損傷率は減少しています。今後も転倒・転落のリスク・発生を少しでも減らし、また転倒・転落による損傷が防げるよう、病院全体で継続した活動に取り組んでいきます。

  • 4.褥瘡発生率

    指標の意義

    褥瘡は、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶことによって結果的に在院日数の長期化や医療費の増大につながるため、その予防対策は提供する医療の重要な項目のひとつとされています。

      分母対象者のうち褥瘡の院内新規発生件数 (分子) 入院患者延べ数-(同日入退院患者+褥瘡持込患者+調査月間以前の院内新規褥瘡発生患者) (分母)
    2019年度 130 232,694
    2018年度 95 250,443
    2017年度 117 262,782
    2016年度 141 269,650
    2015年度 121 270,787
    解説

    褥瘡とはいわゆる‘床ずれ’です。褥瘡発生率は、入院患者延べ数を分母とし、そのうち、入院後に新たに「真皮までの損傷」以上の褥瘡を発生した患者数の割合です。褥瘡が悪化すると患者さんの生活の質(QOL)は低下し、また感染を引き起こすなど治療が長期となります。そのため、褥瘡発生のリスクを評価し、体圧分散寝具を使用したり、ポジショニングを工夫したりするなど褥瘡予防に努めています。また、医師、看護師をはじめとするメンバーで編成した褥瘡予防対策チームが定期的に院内をまわり、褥瘡の治療や看護ケア、栄養などについて指導を行っています。

  • 5.紹介率と逆紹介率

    紹介率

    指標の意義

    初診患者に対し、他の医療機関から紹介されて来院した患者さんの割合です。地域の医療機関との連携の度合いを示す指標です。

      紹介初診患者数(分子) 初診患者数-(休日・夜間以外の初診救急搬送患者数+休日・夜間の初診救急患者数)(分母)
    2019年度 13,251 21,736
    2018年度 12,601 20,215
    2017年度 12,890 20,120
    2016年度 13,355 18,999
    2015年度 13,068 22,100

    逆紹介率

    指標の意義

    初診患者に対し、他の医療機関へ紹介した患者さんの割合です。地域の医療機関との連携の度合いを示す指標です。当院から地域の医療機関へ紹介した場合と、治療のために当院を受診し、病状が安定してから紹介元へ逆紹介した例も含まれています。

      逆紹介初診患者数(分子) 初診患者数-(休日・夜間以外の初診救急搬送患者数+休日・夜間の初診救急患者数)(分母)
    2019年度 21,618 21,736
    2018年度 20,291 20,215
    2017年度 12,890 20,120
    2016年度 19,751 18,999
    2015年度 19,016 22,100
    解説

    紹介率・逆紹介率の数値は、地域の医療機関との連携の度合いを示す指標です。高度な医療を提供する医療機関にだけ患者さんが集中することを避け、症状が軽い場合は「かかりつけ医」を受診し、そこで必要性があると判断された場合に高い機能を持つ病院を紹介受診する、そして治療を終え症状が落ち着いたら、「かかりつけ医」へ逆紹介し、治療または経過の観察を継続する。これを地域全体として行うために、地域の医療連携を強化し、切れ間のない医療の提供を行っています。

  • 6.救急車・ホットライン応需率

    指標の意義

    救急医療の機能を測る指標であり、救急車受け入れ要請のうち何台受け入れができたのかを表しています。

      救急車で来院した患者数 (分子) 救急車受け入れ要請件数 (分母)
    2019年度 6,488 7,440
    2018年度 5,570 6,445
    2017年度 5,369 6,480
    2016年度 5,132 5,934
    2015年度 3,962 4,422
  • 7.糖尿病患者の血糖コントロール

    指標の意義

    合併症を予防するためにはHbA1cを基準値未満に維持することが推奨されており、糖尿病診療の質を判断する指標の一つとなります。その上で、患者さんごとの状態に応じて目標値を変えることも重要です。

    糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c<7.0%

      HbA1c(NGSP)の最終値が7.0%未満の外来患者数 (分子) 糖尿病の薬物治療を施行されている外来患者数 (分母)
    2019年度 1,658 4,221
    2018年度 1,583 4,243
    2017年度 1,281 4,321
    2016年度 1,573 4,355
    2015年度 1,541 4,298

    65歳以上の糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c<8.0%

      HbA1c(NGSP)の最終値が8.0%未満の65歳以上の外来患者数(分子) 糖尿病の薬物治療を 施行されている外来患者数 (分母)
    2019年度 2,112 2,757
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度
    解説

    HbA1cは糖尿病の治療目標として最も有用な指標です。糖尿病の細小血管障害の予防や悪化防止にはHbA1cを7%未満に維持することが良い目安となります。当院ではおひとりおひとりの患者さんの健康状態、年齢、低血糖の生じやすさなどを考慮して個々の方に適した目標を設定しています。認知症や身体の状況のよくない患者さんでは、その程度に応じて治療目標を7%以上の目標値に設定することがあります。また、重い肝臓病や貧血などの病気の方では、HbA1cが血糖値の状態を適切に反映しないことがあり注意が必要です。

  • 8.30日以内の予定外再入院率

    指標の意義

    初回入院の治療が不十分でないか、回復が不完全な状態で早期退院を強いていないかをみる指標です。

      前回の退院日が30日以内の救急医療入院患者数(分子) 退院患者数(分母)
    2019年度 295 17,411
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度
  • 9.急性心筋梗塞に関する指標

    急性心筋梗塞患者における当日アスピリン投与割合

    指標の意義

    急性心筋梗塞において、血小板による血管閉塞および心筋との需要供給関係の破綻、心筋のリモデリングが問題であり、過去の報告から抗血小板薬およびβ-遮断薬の投与が推奨されています。過去の欧米のガイドラインにおいても、急性期におけるアスピリンおよびβ-遮断薬の処方は、ClassⅠとなっています。
    これらは心筋梗塞量の減少やイベント抑制にかかわっているため、医療の質を示すのには適した指標と考えられます。

      入院当日にアスピリンもしくはクロピドグレルが投与された患者数(分子) 急性心筋梗塞で入院した患者数(分母)
    2019年度 29 32
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度

    急性心筋梗塞患者における退院時抗血小板投与割合

    指標の意義

    心筋梗塞発症後の長期予後を改善する目的で、抗血小板薬、β遮断薬、ACE阻害薬あるいはアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、スタチンなどの投与が推奨されています。

      退院時に抗血小板薬が 投与された患者数 (分子) 急性心筋梗塞で 入院した患者数 (分母)
    2019年度 26 28
    2018年度 26 27
    2017年度
    2016年度
    2015年度
    解説

    急性心筋梗塞で入院した患者さんに対しては、特殊な症例(消化管出血など)を除く全例で、入院時早期および退院時にアスピリンまたは抗血小板薬を投与しています。

    急性心筋梗塞患者における退院時βブロッカー投与割合

    指標の意義

    心筋梗塞発症後の長期予後を改善する目的で、抗血小板薬、β遮断薬、ACE阻害薬あるいはアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、スタチンなどの投与が推奨されています。

      退院時にβブロッカーが投与された患者数 (分子) 急性心筋梗塞で入院した患者数 (分母)
    2019年度 22 28
    2018年度 21 27
    2017年度 28 38
    2016年度 19 30
    2015年度 23 32
    解説

    心筋梗塞により心筋にダメージを来した患者さんにおいて、その後の心筋ダメージの回復や予後改善のために適切にβブロッカーを投与することが推奨されております。Βブロッカーには徐脈、低血圧などの副作用もあり、忍容性のない場合もありますが当院においては極力適切な症例にβブロッカーを処方しています。

    急性心筋梗塞患者における退院時スタチン投与割合

    指標の意義

    心筋梗塞発症後の長期予後を改善する目的で、抗血小板薬、β遮断薬、ACE阻害薬あるいはアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、スタチンなどの投与が推奨されています。

      退院時にスタチンが投与された患者数 (分子) 急性心筋梗塞で入院した患者数 (分母)
    2019年度 25 28
    2018年度 23 27
    2017年度 31 38
    2016年度 26 30
    2015年度 23 32
    解説

    心筋梗塞をはじめとする急性冠症候群では、最新のガイドラインにおいて最大用量のスタチンを投与することが推奨されております。これは2次予防という観点で明らかに予後改善を認めるためです。一部の患者さんで、スタチンにより筋肉痛などの不耐性がある方がいるため100%には達しておりませんが、可能な限り投与することにしております。

    急性心筋梗塞患者における退院時のACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤の投与割合

      退院時にACE阻害薬もしくはアンギオテンシンII受容体阻害剤が投与された患者数(分子) 急性心筋梗塞で入院した患者数(分母)
    2019年度 22 28
    2018年度 22 27
    2017年度 27 38
    2016年度 22 30
    2015年度 19 32
    解説

    心筋梗塞により心筋にダメージを来した患者さんにおいて、その後の心筋ダメージの回復や予後改善のために適切にACE阻害薬あるいはアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬を投与することが推奨されております。当院においては適切な症例にACE阻害薬あるいはアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を処方しています。

    急性心筋梗塞患者におけるACE阻害剤もしくはアンギオテンシンⅡ受容体阻害剤の投与割合

      ACE阻害薬もしくはアンギオテンシンII受容体阻害剤が投与された患者数(分子) 急性心筋梗塞で入院した患者数(分母)
    2019年度 26 32
    2018年度 26 28
    2017年度 31 41
    2016年度 25 32
    2015年度 22 33
    解説

    心筋梗塞により心筋にダメージを来した患者さんにおいて、その後の心筋ダメージの回復や予後改善のために適切にACE阻害薬あるいはアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬を投与することが推奨されております。当院においては適切な症例にACE阻害薬あるいはアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を処方しています。

    急性心筋梗塞患者の病院到着後90分以内の初回PCI実施割合

    指標の意義

    急性心筋梗塞の治療には、発症後可能な限り早期に再灌流療法(閉塞した冠動脈の血流を再開させる治療)を行うことが、生命予後の改善に重要とされています。

      来院後90分以内に手技をうけた患者数(分子) 18歳以上の急性心筋梗塞でPCIを受けた患者数(分母)
    2019年度 21 29
    2018年度 10 22
    2017年度 22 30
    2016年度 20 26
    2015年度 18 27
    解説

    急性心筋梗塞は死亡率の高い重篤な疾患ですが、治療には発症後可能な限り早期の再灌流療法が推奨されており、一つの目安として来院から再灌流までの時間を90分以内としております。そうすることで患者さんの生命予後は改善することがわかっており、当院においても適切なインフォームド・コンセントを行い、早期の再灌流療法を施行しています。

  • 10.脳卒中に関する指標

    脳梗塞(一過性脳虚血発作も含む)の診断で入院し、入院2日目までに抗血栓療法もしくは抗凝固療法を受けた症例の割合

    指標の意義

    脳梗塞の治療に対して、入院第2病日までに、抗血栓療法(血栓症の発症を抑える治療)を開始することが勧められています。

      入院2日目までに抗血小板療法を受けた患者数 (分子) 18歳以上の脳梗塞か一過性脳虚血発作の診断で入院した患者数(分母)
    2019年度 93 138
    2018年度 116 162
    2017年度 98 143
    2016年度 92 136
    2015年度 95 124

    脳梗塞(一過性脳虚血発作も含む)の診断で入院し、退院時に抗血小板薬を処方された症例

    指標の意義

    非心原性脳梗塞(アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞など)や非心原性一過性脳虚血発作では、再発予防のために、適応のある患者さんには抗血小板薬の投与が推奨されています。

      退院時に抗血小板薬を処方された患者数(分子) 18歳以上の脳梗塞か一過性脳虚血発作の診断で入院した患者数(分母)
    2019年度 91 121
    2018年度 100 123
    2017年度 92 115
    2016年度 77 105
    2015年度 83 107

    脳梗塞患者の退院時スタチン処方割合

    指標の意義

    脳梗塞再発予防には、抗血栓療法(血栓症の発症を抑える治療)とスタチンという薬剤を用いた脂質管理により脂質異常症のコントロールをすることが推奨されています。

      退院時にスタチンを処方された患者数(分子) 脳梗塞で入院した患者数(分母)
    2019年度 75 116
    2018年度 72 113
    2017年度 66 129
    2016年度 52 103
    2015年度 81 156

    心房細動を合併する脳梗塞(一過性脳虚血発作を含む)診断で入院し、退院時に抗凝固薬を処方された症例

    指標の意義

    心原性脳梗塞での再発予防には、抗凝固薬の投与が推奨されています。

      退院時に抗凝固薬を処方された患者数(分子) 18歳以上の脳梗塞か一過性脳虚血発作の診断で入院し、かつ心房細動と診断を受けた入院患者数(分母)
    2019年度 14 18
    2018年度 19 23
    2017年度 18 22
    2016年度 14 16
    2015年度 10 11
    解説

    合併症がある場合などを十分精査した上で、患者さんの病態にあわせて適切な薬剤を選択し治療を行っています。

    脳梗塞における入院後早期リハビリ実施症例の割合

    指標の意義

    脳卒中の診断後、できるだけ早期にリハビリを開始することが機能の早期回復と低下抑制につながります。

      入院後3日以内に脳血管リハビリテーション治療を受けた患者数(分子) 18歳以上の脳梗塞の診断で入院した患者数(分母)
    2019年度 82 141
    2018年度 85 144
    2017年度 56 137
    2016年度 64 129
    2015年度 74 121
    解説

    入院後、全身状態が安定しない等の理由で、早期にリハビリが開始できないことがあります。

  • 11.喘息に関する指標

    喘息入院患者のうち吸入ステロイドを入院中に処方された割合

    指標の意義

    慢性期の管理方法として吸入ステロイドは中心的な役割を果たしています。

      入院中に吸入ステロイド薬の処方を受けた患者数(分子) 喘息を原因とする 5歳以上の入院患者数(分母)
    2019年度 28 32
    2018年度 30 41
    2017年度 39 53
    2016年度 38 45
    2015年度 41 50
    解説

    糖尿病合併の患者さんで、ステロイドの使用が困難な症例では、吸入ステロイド+αの治療で入院後経過を見る場合もあります。また、今でも未治療の喘息患者の発作での入院が多く、ステロイド全身投与に、吸入ステロイド薬の導入をして退院となる高齢症例が多いのが現状です。

    小児喘息に対して入院中にステロイドの全身投与(静脈・経口)を受けた症例の割合

    指標の意義

    喘息発作の症状を素早く軽快し、重症度を下げるためにガイドラインで推奨されています。

      入院中にステロイドの全身投与(静注・経口処方)を受けた患者数(分子) 2歳から15歳の喘息患者のうち、喘息に関連した原因で入院した患者数(分母)
    2019年度
    2018年度 11 12
    2017年度 13 16
    2016年度 14 16
    2015年度 19 21
    解説

    2018年度に引き続き、9割前後の小児喘息患者さんにステロイドの全身投与がありました。ただし、感染によって誘発された喘息性気管支炎では、ステロイドの効果が低く、ロイコトリエン拮抗薬やβ2刺激薬の吸入、抗生剤投与の方が改善に有効な場合があるため、症例ごとの状態に合わせて判断しています。そのため、10%前後の患者さんには全身ステロイド治療を行いませんでした。

  • 12.統合指標

    指標の意義

    関連する指標群をまとめて評価し、統合的にケアプロセスの実施状況をみています。

    虚血性心疾患に関する統合指標

    指標の意義

    急性心筋梗塞に関する指標の総合評価です。

      分子の合計 分母の合計
    2019年度 171 205
    2018年度 176 213
    2017年度 207 266
    2016年度 148 178
    2015年度 163 221

    脳卒中に関する統合指標

    指標の意義

    脳卒中に関する指標の総合評価です。

      分子の合計 分母の合計
    2019年度 355 534
    2018年度 392 565
    2017年度 330 546
    2016年度 299 489
    2015年度 303 519
  • 13.インシデント・アクシデントに関する指標

    1か月間・100床当たりのインシデント・アクシデント発生件数

    指標の意義

    身体への侵襲を伴う医療行為は常にインシデント・アクシデントが発生する危険があります。その発生をできる限り防ぐことは医療安全の基本であり、そのためにはインシデント・アクシデントをきちんと報告することが必要です。

      毎月のインシデント・アクシデント発生件数×100の平均 (分子) 許可病床数 (分母)
    2019年度 38,720 819
    2018年度 34,217 868
    2017年度
    2016年度
    2015年度

    全インシデント・アクシデント報告のうち、医師による報告の占める割合

    指標の意義

    一般に医師からの報告が少ないことが知られており、この値が高いことは医師の医療安全意識が高い組織の可能性があります。

      分母のうち医師が提出した総件数 (分子) 年度ごとのインシデント・アクシデント報告の総件数 (分母)
    2019年度 230 4,271
    2018年度 274 4,964
    2017年度
    2016年度
    2015年度
    解説

    当院では透明性を確保し、エラーを再発防止に生かすため、インシデント・アクシデント報告に取り組んでいます。更に、2017年度から、合併症等を報告対象として明確化することで、医師の報告を促す取り組みを行っており、成果が少しずつ現れてきています。今後も、エラーの発生を少しでも減らしていけるよう、全職員で患者安全に取り組んでいきます。

  • 14.職員におけるインフルエンザワクチン予防接種率

    指標の意義

    接種率が高い場合には、院内感染防止対策に積極的に取り組んでいると評価できます。

      インフルエンザワクチンを予防接種した職員数 (分子) 職員数 (分母)
    2019年度 1,985 2,192
    2018年度 1,948 2,077
    2017年度
    2016年度
    2015年度
    解説

    インフルエンザシーズンには、当院でも多くの発熱患者さんの診察・検査が行われます。医療従事者自身がインフルエンザに罹らないよう対策を講じることは、患者さんを感染のリスクから守るだけでなく、病院の機能を維持し、良質な医療を提供し続けるためにも重要な使命です。当院ではインフルエンザ対策の1つとして、全職員を対象にインフルエンザの予防接種を毎年実施しています。

  • 15.糖尿病・慢性腎臓病患者への栄養管理実施率

    指標の意義

    糖尿病や慢性腎臓病の患者は、食事も重要な治療の一つです。入院時に提供される食事には、通常食と治療のために減塩や低脂肪などに配慮した特別食があります。積極的に栄養管理の介入を行うことも、医療の質の向上につながります。

      特別食加算の算定回数 (分子) 18歳以上の糖尿病・慢性腎臓病患者で、それらへの治療が主目的ではない入院患者の食事回数 (分母)
    2019年度 77,156 94,457
    2018年度 31,931 44,953
    2017年度
    2016年度
    2015年度
    解説

    糖尿病や腎臓病をお持ち方には、基本的にそのご病状に応じたエネルギーや栄養素量を調整した治療食をお出ししますが、ご入院中の検査や治療、日々の体調や食欲に応じて、そのとき優先すべき状況に配慮した食事内容に変更するため、厳しい制限の無い食事をお出しすることがあります。

  • 16.血液培養に関する指標

    指標の意義

    広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことが望ましいとされています。
    また、血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。

    広域抗菌薬使用時の血液培養実施率

      投与開始初日に血液培養検査を実施した数 (分子) 広域抗菌薬投与を開始した入院患者数 (分母)
    2019年度 417 1,505
    2018年度 378 763
    2017年度
    2016年度
    2015年度

    血液培養実施時の2セット実施率

      血液培養オーダが1日に2件以上ある日数 (分子) 血液培養オーダ日数 (分母)
    2019年度 4,412 6,289
    2018年度 4,148 7,309
    2017年度
    2016年度
    2015年度

    解説

    感染症が疑われる場合には、原因となる病原体を突き止めるために培養検査を積極的に実施します。血液の培養検査を行う際には多くの採血量が必要となりますが、起炎菌がわかることで最適な治療法を選択することができます。より良質な医療の提供に向けて、血液培養実施率や2セット実施率の向上に取り組んでいきます。

  • 17.地域連携パスに関する指標

    指標の意義

    脳卒中と大腿骨頚部骨折は、治療が終了した後も継続的な医学管理とリハビリテーションが重要です。地域連携パスの使用率を見ることは、地域医療に関する医療体制を評価することにつながります。

    脳卒中患者に対する地域連携パスの使用率

      「地域連携診療計画加算」を算定した患者数 (分子) 脳卒中で入院した患者数 (分母)
    2019年度
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度

    大腿骨頸部骨折患者に対する地域連携パスの使用率

      「地域連携診療計画加算」を算定した患者数 (分子) 大腿骨頸部骨折で入院し、大腿骨頸部の手術を受けた患者数 (分母)
    2019年度
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度
  • 18.大腿骨頚部・転子部骨折の早期手術割合に関する指標

    指標の意義

    大腿骨頸部骨折や大腿骨転子部骨折は、ガイドラインではできる限り早期の手術を推奨されています。
    本指標では、各手術について、入院2 日以内に手術を受けた症例数として計測を行いました。

    大腿骨頸部骨折患者の早期手術割合

      分母のうち入院2日以内に手術を受けた患者数(分子) 大腿骨頚部骨折で入院し、大腿骨折の手術を受けた患者数(分母)
    2019年度
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度

    大腿骨転子部骨折患者の早期手術割合

      分母のうち入院2日以内に手術を受けた患者数(分子) 大腿骨転子部骨折で入院し、大腿骨折の手術を受けた患者数(分母)
    2019年度 12 20
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度

    解説

    大腿骨頚部・転子部骨折については、合併症の評価やコントロールのために数日間待期せざるを得ない場合を除いて、なるべく早期に手術を行うようにしています。

  • 19.化学療法に関する指標

    指標の意義

    良好な治療アドヒアランス(患者さんが積極的に治療方針の決定に参加し、治療を受けること)を得て化学療法を円滑に進めるために、催吐リスクに応じた予防的な制吐剤の使用は重要です。
    高度の抗がん薬による急性の悪心・嘔吐に対しては、NK1 受容体拮抗薬と5HT3 受容体拮抗薬およびデキサメタゾンを併用することが推奨されています。

    シスプラチンを含むがん薬物療法後の急性期予防的制吐剤投与率

      分母のうち実施日の前日または当日に、5HT3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬およびデキサメタゾンの3剤全てを併用した数(分子) 18歳以上の患者で、入院にてシスプラチンを含む化学療法を受けた実施日数(分母)
    2019年度 241 295
    2018年度
    2017年度
    2016年度
    2015年度

    解説

    未実施理由として、定義上の服用開始日より前に処方されている症例や対象の制吐剤が禁忌となる症例があり、それらを除く投与率は約95%となります。対象薬剤を使用出来ない患者さんへは個々の症状にあわせ適切な対応を行っております。

    なお、当院では、下記の対応でシスプラチンを含むがん薬物療法による予防的制吐剤投与を実施しております。
    1) 点滴の制吐剤は、化学療法のオーダーシステムに同時に組み込まれている
    2) 内服の制吐剤は、病棟薬剤師、外来では化学療法室看護師によるダブルチェックを行う

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