病院の取り組み2025

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2025年度の病院の取り組みを4項目ご紹介します。

2025年4月に間質性肺疾患包括治療センターが設立~「3本の柱」

1)難病とされる本疾患群を呼吸器センター内科・外科、放射線診断科、病理診断科が中心となり定期的に多職種カンファランスを行い適切な診断治療を決定します。膠原病合併間質性肺炎、肺高血圧、感染症や急性呼吸不全などに膠原病内科、循環器センター、集中治療科、腎センター、感染症科など多くの診療科が連携します。薬剤部、看護部はもちろん、リハビリテーション、臨床工学技士など多くのコメディカル部門が患者さんのケアにあたり、あらゆるステージの患者さん中心の診療を行います。難治性気胸や重症慢性呼吸不全に対する肺移植登録など、各専門施設とも協力して治療にあたっています。

2 )間質性肺疾患合併肺がんも難治病態であり呼吸器センター外科が1999年以降に10000件以上行ってきた低侵襲手術(胸腔鏡下手術)の実績と、呼吸器センター内科の専門の協力体制により、適切な治療を提供できるようにします。がんの根治性と間質性肺炎急性増悪による急性呼吸不全のリスクを十分に検討し、切除可能と判断すれば外科手術(胸腔鏡手術)を提案します。進行期肺がんに対しては化学療法を提案し治療の道を模索します。

3 )虎の門病院は高度ながん治療を実施する病院です。各診療科で積極的にがん治療が実施されます。そこで問題になる全身麻酔実施における慢性間質性肺炎の周術期管理や、抗がん薬使用時の薬剤性肺障害、放射線性肺障害などの肺有害事象に対する相談窓口を設置し、がん治療の主体診療科と適切ながん治療が継続できるように「副作用マネージメントセンター」の一員として協力しています。

当院泌尿器科では臨床的に意義のある前立腺がんの診断精度の高い「MRI-TRUS融合画像ガイド下前立腺生検」を施行しています

近年MRIによる「前立腺がん疑いの強さ」を5段階のカテゴリーに分類して評価するProstate Imaging and Reportingand Data System PI-RADS)が報告され、臨床的に意義のある(患者の予後に影響を及ぼす)前立腺がんの検出における有効性が証明されました。

当院泌尿器科では前立腺がんが疑われる患者さん全員にMRIを施行し、PI-RADSを利用し、癌が疑われる病変を、MRI画像と一緒に前立腺生検時に使用する経直腸的前立

腺超音波検査(TRUS)上にリアルタイムに表示させ、その標的部位を経会陰アプローチにて正確にモニターしながら生検することのできる「MRI-TRUS融合画像ガイド下生検(経会陰アプローチ)」を導入しております(図1)。

実際、MRI-TRUS融合画像ガイド下生検は従来の系統的生検に比べ、臨床的に意義のある前立腺がんの検出率が有意に高いと報告され、精度の高い診断が可能です。

 また局所麻酔下で経会陰的に施行することで、感染リスクを大幅に軽減し、より安全に施行できる点も特長です。

 また前立腺がんが診断された際には、DaVinci XiIntuitive Surgical社)に加えて、2024年度に導入した次世代のHugo™ RAS SystemMedtronic社)の2機種を用いたロボット支援前立腺全摘除術を実施しています。待機時間は短く、通常1 2か月以内で手術可能です。

 泌尿器科専門医による丁寧な診療体制を整えております。PSA高値の患者さんなどいらっしゃいましたらご紹介ください。

雨ニモマケズ夏ノ暑サニモマケズ仕事ト両立デキル放射線治療ヲ提供シタイ

放射線治療はさまざまながんに対して根治や緩和の目的で行われています。手術や化学療法と組み合わせることもあれば、単独で行うこともあります。最近は多くの患者さんが外来治療を選択しており、当院では外来患者が全体の75%を占めています。

-当院の放射線治療の特徴-

■仕事と治療の両立を支援

 放射線治療は1回約15分で、平日に毎日連続して受ける必要があります。期間は、数日から6週間以上と幅広いです。近年、働きながら治療を受ける患者さんが増えているため、当院では8:30から19:30まで治療を行っています。治療は予約制で、仕事と治療を両立しやすいと患者さんから高い評価を得ています。最近、虎の門病院と虎ノ門ヒルズ駅がデッキでつながり、雨ニモマケズ夏のノ暑サニモマケズ快適に通院いただけます。

■乳がん

 手術後に16回または25回の放射線治療を提供しています。治療回数や副作用の違いを丁寧に説明し、患者さんの希望に沿った治療を提案しています。看護師が中心となって乳房ケアを担当し、放射線皮膚炎が軽度であると評価をいただいています。また、左乳がんの患者さんには、心臓の負担を軽減する「深吸気息止め照射」を実施しております。

■前立腺がん

 5回の体幹部定位放射線治療や、20回の強度変調放射線治療(IMRT)を提供しています。前立腺全摘術後の場合、2535回の治療が行われます。治療法の違いについて説明し、患者さんの希望にあわせた治療法を選択しています。

-当院からのお願い-

 当院では、一人ひとりの患者さんに寄り添い、最適な放射線治療を提供することを目指しています。放射線治療が必要な患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひ当院にご紹介ください。

より自然で回復の早い人工関節手術へ

 整形外科では「生涯元気に歩こう」をモットーに、要介護要支援や転倒を減らすことによる健康寿命の延伸を目指して診療しています。とくに歩行に関係する下肢(主に股関節・膝関節)の人工関節手術は社会の高齢化に伴い年々需要が高まっており、より自然に感じ回復の早い手術を目指して以下のような取り組みを行なっています。

■安全で合併症の少ない手術

 術前に栄養状態や口腔内衛生状態のチェックを行い、感染予防の第一歩としています。また、CT画像を3次元に再構成したデータをもとに綿密な術前計画と準備を行い、安全で正確な手術を心がけています。

■身体的負担や痛みの少ない手術

 筋肉を切開せずに行う低侵襲手術により、術後の痛みや脱臼のリスクを最小限にする工夫を行なっています。また、手術部位に鎮痛剤カクテル注射(作用機序の異なる複数の鎮痛剤を混注)を行うことで術後早期の痛みをコントロールします。

■術後早期から積極的なリハビリテーション早期の回復・退院を可能とし合併症を防ぐことを目的として、手術翌日より積極的にリハビリテーションを行います。術後のリハビリテーションを含めた平均的な入院期間は股関節で約2週間、膝関節は2~2.5週間です。(さらに長期間の入院でのリハビリテーションを要する場合は、リハビリテーション専門の病院へ転院してリハビリテーションを継続することがあります。)

■退院後のフォロー外来

 退院後の回復状況を定期的に外来でフォローします。通常は退院後1ヶ月以内に1度、その後は手術から3ヶ月、6ヶ月、1年、以降は年1回受診していただき、生涯責任をもってフォローします。

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