「がん総合診療部」の設立

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「がん総合診療部」の設立 重点医療(がん診療)

2019年4月、新たにがん総合診療部が設立されました。虎の門病院は総合病院である一方、がん診療連携拠点病院でもあります。がん治療に関係する診療科は20科あり、従来から種々のがんに対して患者さんのニーズに合わせた治療を行ってきました。

(参考:5大がんの治療 胃がん 大腸がん 肺がん 乳がん 肝臓がん および 血液のがん 化学療法 放射線治療 について)

そういった実際の診療を行う各診療科を縦の糸とするなら、それを結ぶ横の糸としての役割を担うのががん総合診療部です。

がん総合診療部設立の背景・目的・役割

日本社会の高齢化が進み、一方、治療の進歩でがん患者さんの5年・10年生存率が改善し、今後さらに高齢のがん患者さんが増えることが予想されます。高齢者の場合、がんだけではなく他の併存疾患を並行して治療する必要がある場合が多く、そのニーズは今後ますます増加するものと思われます。虎の門病院は総合病院ですので、そういった高齢がん患者さんの治療を総合的に行うことができます。がん総合診療部は、複数の診療科、さらには院内の多様なスタッフ間の連携をスムーズにすることで、がん患者さんの治療から退院後の生活環境へ戻るまで、がん治療を「総合的に」サポートしていくことを目的としています。また、そのためのキャンサーボードを統括するのも当部の大きな役割の一つです。

副院長/がん総合診療部部長/消化器外科(下部消化管)部長
黒柳 洋弥

キャンサーボードとは? ~最後の砦としての役割

キャンサーボードとは、複数科の医師のみならず、様々な医療職の面々が集まり、多面的に意見を交わす会議のことです。虎の門病院には、がんが高度に進行していたり、重症の併存疾患があったりするために他の病院では治療を断念された患者さんが、「何とか治療できないか」との思いで紹介されることも多く、そういった場合、治療方針を決めるにあたって、一人の医師・一つの科では治療法選択に迷う場合があります。キャンサーボードを開催することで、決して独善的ではない、“虎の門病院全体としておすすめできる治療法”を考えることができます。三人寄れば文殊の知恵、です。

がん総合診療部の成り立ち

緩和ケアセンター、がん相談支援センター、遺伝診療センターを統括します。それぞれの役割は以下の通りです。

緩和ケアセンター

医師・看護師を中心に薬剤師、栄養士、心理士、療法士、ソーシャルワーカーなどで構成され、『がんサポートチーム』(一般で言う『緩和ケアチーム』)の活動、すなわちトータルペインへの対応などを行います。

がん相談支援センター

看護師・臨床心理士・医療ソーシャルワーカーなどで構成され、がんの患者さん・ご家族からの電話相談・面談や就労支援、さらに患者交流会の支援活動などを行います。

遺伝診療センター

専門医師と遺伝カウンセラーなどで構成され、遺伝性疾患患者さんのカウンセリング、遺伝子パネル検査に基づいたプレジションメディスンのサポートなどを行います。

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