MESSAGE診療科からのメッセージ

消化管センター内科 医長山下 聡

全ての消化管疾患に対する世界レベルの診療を体現できます。

消化管疾患は接する機会の多いCommon diseaseです。初期研修中に最先端の治療を熟知した少数の指導医と密に研修することでcommon diseaseに対する診療の深い理解が得られると思われます。是非当院で一緒に学び向上できればと思っております。

診療科の特徴

分院消化管センター内科は部長、医長、後期研修医そして前期研修医と非常に少ない人数ですべての消化管疾患に対応しております。内視鏡診療を中心に、炎症性腸疾患や出血や急性腹症などの救急疾患の診療を幅広くかつ深く携わることが出来ます。消化管センター外科とも綿密に連携しているため、内科と外科の垣根なく両者の疾患を横断的に診療できることも大きなメリットです。また医工連携での医療機器開発も積極的に行っているため、他の施設で使用していないような新しい医療機器に接することもできる診療科であります。

研修内容

消化管疾患は食事摂取困難な患者さんが多いため補液管理を通じて内科的全身管理を研修できます。消化管出血や急性腹症などの救急疾患に対する初期診療を後期研修医、スタッフと共同で診療にあたることでそれらの疾患に対する理解を深めることが出来ます。積極的に腹部超音波や消化管内視鏡など専門的技能に関しても初期研修の段階から接することが出来る研修プログラムとなっております。

腎センター外科 部長中村 有紀

心からのありがとうのためにベストを尽くします。
腎不全患者さんひとりひとりに信頼していただける医療とサービスを提供していきます。腎不全のスペシャリストとして強く、優しく

初期研修医の2年間は医師としての人格形成、研修医の経験、人脈形成はその後の医師人生に多大な影響を与えます。全国から集まる同僚医師や先輩医師、さらに豊富な経験を有する個性豊かな指導医が揃っております。満開の桜をはじめ、紫陽花など四季折々を感じられる分院で医師人生をはじめましょう。医療だけでなく多くのエッセンスを学べること間違いありません。

診療科の特徴

本邦で最初に血液透析をおこなった虎の門病院腎センターの両輪の一つを担う外科です。腎臓という臓器は腎臓病ステージにより内科と外科の連携が非常に大切です。腎臓外科はあまり耳にすることも少ないかもしれませんが、腎不全の患者さんに対する治療を主に行っております。外科の基本的な手技、切る、縫う、結ぶからはじめ、静脈ルート確保、カテーテルの挿入,IVRや移植免疫、血液透析の管理まで、多岐に経験することが可能です。
さらに当院は腎代替療法の選択として、腎臓移植、腹膜透析と血液透析の全てを学べる診療科です。

研修内容

腎臓移植を中心に、腎不全の方に対する外科治療を全般にわたり行っています。虎の門病院では、1982年に分院で腎移植を開始し、2002年からは本院でも行うようになり24年12月までに、合計 860例(献腎移植150例)の腎移植を行いました。慢性腎臓病から、慢性腎不全となり透析療法をうけている患者さん、さらに腎移植をうけた患者さんなど、様々な段階の腎臓疾患の患者さんを、内科と外科が連携して腎センターで診察し、外科的内科的合併症に対応しています。透析療法に至る前に腎移植を行う「先行的腎移植」も積極的に行っています。
腎移植の課題は、長期に移植腎機能を維持することです。成人病といわれる高血圧、脂質代謝異常、糖尿病などの合併症をしっかり管理することが重要です。当センターでは、内科外科さらに移植レシピエントコーディネーターや専門看護師が腎移植患者さんの診療に参加して、長期に移植腎機能を維持します。
本院、分院ともに日本臓器移植ネットワークに腎移植施設として登録されていて、献腎移植の登録も可能です。
主な治療は、①腎臓移植②バスキュラーアクセス③腹膜透析④二次性副甲状腺機能亢進症⑤腎不全(多発性嚢胞腎)の腎摘出などです。
 内シャント手術、シャント関連のI V R、腹膜透析カテーテルの挿入。透析用バスキュラーアクセス挿入術を行います。術前術後のカンファランス、学会発表、論文投稿。
脳死や心停止下臓器摘出手術はもちろんのこと、他施設での臓器移植経験も可能です。腎臓病、腎不全をメスで治す医療を続けていきましょう。
虎の門病院でいのちをつなぐ医療を広げたい

リウマチ膠原病科 部長、腎センター内科 部長澤 直樹

意欲のある人材を求む

当科は腎臓、膠原病、透析内科と診療範囲が広いですが、当科のモットーとして「うちの科ではありません」と言わないように心がけています。そのため専門性の高い領域だけでなく幅広い領域の知識を学ぶことができます。当科の研修でspecialistとgeneralistの二つの視点を見につけましょう

診療科の特徴

腎臓、リウマチ膠原病、透析内科の3領域の研修を行います。腎生検と腎病理の基本的な読影。多発性嚢胞腎の管理。国民病となっている糖尿病性腎臓病の管理。リウマチ膠原病の画像診断と治療。血液透析、腹膜透析、腎移植の3つの腎代替療法。を主な項目として幅広く研修を行います。腎病理の先生をお招きしての腎病理のカンファレンス。腎センター外科の先生方との腎移植カンファレンス。発表症例がそのまま学会発表できる朝カンファレンスなど、豊富な症例にアセスメントを加える機会を多数準備しております。

研修内容

腎臓領域:腎生検と腎病理の基本的な読影。多発性嚢胞腎症例に対するカテーテル塞栓術と嚢胞ドレナージ術。糖尿病性腎臓病の管理。多発性嚢胞腎やAlport症候群といった遺伝性腎疾患の診断。
リウマチ膠原病:関節エコーやMRIなどの画像検査の意義。免疫抑制療法の基礎の習得。特殊治療の適応。IgG4関連疾患、Castleman病、TAFRO症候群といった境界領域の疾患の診断と治療。家族性地中海熱など遺伝性炎症性疾患の診断。
透析領域:血液透析、腹膜透析、腎移植の3つの腎代替療法の管理。透析症例の合併症の管理
虎の門病院でいのちをつなぐ医療を広げたい意欲に溢れた医師をお待ちしております。

呼吸器内科 部長髙谷 久史

全ての呼吸器疾患診療について学ぶことができます。

2年間の初期研修が医師としての土台となり、その後の医師人生を大きく左右します。当院は経験できる症例や処置が非常に豊富で、実りある研修を送ることができます。皆さんと一緒に働けるのを楽しみにしています。

診療科の特徴

肺癌や縦隔腫瘍などの腫瘍性疾患、細菌性肺炎や肺膿瘍、抗酸菌感染症や肺真菌症、COVID-19肺炎などの呼吸器感染症、びまん性汎細気管支炎や慢性閉塞性肺疾患などの気道閉塞性疾患、気管支喘息や好酸球性肺炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症などのアレルギー性疾患、間質性肺炎やサルコイドーシスなどの間質性肺疾患、胸膜炎や膿胸、気胸、胸膜腫瘍などの胸膜疾患、急性および慢性呼吸不全、睡眠時無呼吸症候群など、バラエティーに富んだ多くの呼吸器疾患について学ぶことが可能です。
気管支鏡検査では、気管への挿入と気管支内腔観察を経験することができます。
胸水貯留がある患者の胸腔穿刺や胸水・気胸がある患者さんの胸腔ドレーン挿入の補助や経験をすることができます。
また、初期研修医の先生にも積極的に学会発表を行ってもらうようにしています。意欲のある先生には英字論文も書いてもらっています。

研修内容

初期研修医の仕事は病棟業務が中心です。当直時には指導医の監督下で外来業務も行います。10人前後の入院患者さんを担当してもらいます。病棟では担当する患者さんの診察を行った後、指導医に報告・相談をして指導医とともに考え、診断・治療を実践します。研修医が重要な判断を下すことは基本的にはありませんが、カンファレンス等への積極的な参加と患者さんの病態に関する質問などが出てくることを希望します。
動脈血ガス分析検査、胸腔穿刺、ドレーン挿入、気管支鏡検査などの検査・手技を学びます。
呼吸器疾患に関連する薬剤は多岐におよびますが、抗菌薬や抗癌剤および副腎皮質ステロイドなどの基本的薬剤に関して、作用機序と適応疾患、副作用の概要を学びます。
病状説明に同席し、患者さんや家族への説明の仕方などを学びます。
定期的なカンファレンスや上級医により行われるレクチャー、回診に参加し呼吸器疾患全般の理解を深めます。
気管支鏡検査、CTガイド下肺生検、多職種カンファレンスは毎週金曜日に行っています。

肝臓内科 部長鈴木 文孝

肝疾患の基礎から臨床まで学び、習得しましょう。

肝臓は、体内で代謝や解毒にかかわる大切な臓器であり、高い専門性が求められる分野です。当院では肝疾患に特化した診療科として、本院・分院それぞれに肝臓内科を有し、様々な種類の肝疾患に対応し診断から治療まで迅速な対応を行っています。また、臨床研究や新薬開発のための治験にも積極的に取り組んでいます。消化器疾患の中での肝疾患について深く学び、臨床的な技術を習得していきます。

診療科の特徴

肝臓内科は、特にウイルス性肝炎の治療の進展に貢献し、B型肝炎では核酸アナログ製剤を主体とした治療を、C型肝炎ではインターフェロンを使用しない内服薬のみの治療を行なってきました。また、最近ではMASH(代謝異常関連脂肪肝炎)の患者さんの増加を受けて、肥満・メタボリック症候群とつながる肝疾患の診療にも力を入れています。さらに肝癌に対する肝動脈塞栓術・化学療法を含めた集学的治療を積極的に行うとともに、肝病変の進行抑制、肝がんの抑制にも取り組んでいます。これまでに肝臓内科(本院も含む)で診療し登録されている患者数は、B型肝炎8,229例、C型肝炎12,338例、肝がん4,027例、自己免疫性肝炎347例、原発性胆汁性胆管炎351例、その他脂肪肝(MASH) など7,981例(2024年8月時点)です。
肝臓内科の特徴は研究室を持ち、臨床に関係した豊富なデータをもとに臨床に役立つ研究活動も行っています。当院のデータは国内外の学会、論文等で発表し、世界的な肝臓専門誌にも多数の論文が掲載されています。また、臨床医が主導となる治験にも参加し、新たな薬剤や治療法を模索しています。一方で、国立研究開発法人日本研究開発機構(AMED)の研究班においては、臨床に即した研究も行っています。本院では東京都肝疾患診療連携拠点病院に指定され肝疾患相談センターを設置し、肝疾患に関する情報提供も併せて行っています。

研修内容

A.目標
消化器内科一般の基本的診療の基礎を身につけるとともに、肝臓疾患の病態と治療について学ぶ。B型、C型ウイルス肝炎を中心とした急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変症、肝細胞癌の臨床的なマネージメントが行えることを、目標とする。

B.研修内容
1)病態の把握
肝疾患患者の現病歴、既往歴、家族歴、生活歴の聴取から病態の把握を適切に行える。
2)診察・検査
肝疾患の病態を評価するための診察(理学的所見)を自主的に行う。
行われた検査(採血データ、腹部超音波検査、腹部CT検査、腹部MRI検査、腹部血管造影検査、上部消化管内視鏡検査など)の評価することができる。
3)治療
患者の病態、病気に対する治療を理解し行うことができる。
特にウイルス性肝炎に対する抗ウイルス療法
慢性肝炎、肝硬変症に対する治療(抗ウイルス療法以外の治療)
非代償性肝硬変症、肝不全患者の全身管理
肝癌の治療と治療後の管理について学ぶ。
治験の意義を理解し導入について見学する

C.実際の研修について
1)上級医の指導(man to man method)のもとで入院患者の診察を行う。受け持ち患者数は10人前後とする。
2) 週2回の部長回診に参加し症例提示を行う。
3) 上級医の指導により肝疾患の検査や治療を自主的に計画し行う。

D.勉強会・カンファレンス・学会など
1)上級医の指導により開催される講義・勉強会に出席する。(月1回)
2)抄読会に出席し最新の肝臓病の情報を把握する。(週1回)また自ら英語論文を読み、その要約のプレゼンテーションを行う。(1ヶ月間に1回)
3)学会に参加し医学的な発表や討論について学ぶ。また学会における当院の状況を把握する。 4)医学における統計学的解析を学ぶ。

泌尿器科 医長井原 達矢

超高齢社会においてニーズの高い泌尿器科疾患の診断や治療について学べます

泌尿器科領域の、鑑別診断のための各種症状・徴候の判断、診察法・検査の習熟、手術適応の決定や手技の習得と周術期の管理、を実践するための技能を獲得します。 虎の門病院分院泌尿器科で楽しく研修しましょう!

診療科の特徴

泌尿器科領域である腎・尿路・男性生殖器ならびに関連臓器の先天異常、外傷や損傷、良性・悪性腫瘍、尿路結石症、尿路感染症、下部尿路機能障害、女性泌尿器疾患、神経性疾患、慢性・急性腎不全、小児泌尿器疾患など幅広く疾患について経験できます。排尿管理、尿路感染症の治療など内科的要素と、経尿道的手術、腹腔鏡手術やロボット支援下腹腔鏡手術など外科的要素もあり、様々な診療、手技を経験することができます。

研修内容

泌尿器科領域の検査、処置や手術を経験します。 (1)診察・検査:超音波検査、前立腺触診、内視鏡検査、各種画像検査など。 (2)処置:①膀胱タンポナーデ(凝血塊除去術、経尿道的膀胱凝固術)、②急性尿閉(尿道ブジー、尿道カテーテル留置、経皮的膀胱瘻造設術)、③急性腎不全(急性血液浄化法、尿管ステント留置、経皮的腎瘻造設術)など。
(3)手術:①経尿道的手術(膀胱腫瘍切除術、前立腺核出術、前立腺吊り上げ術)、②陰部小切開手術(包茎手術、精巣摘出術、陰嚢水腫根治術)、③腹腔鏡手術(腎・腎尿管全摘術、副腎摘出術)、④ロボット支援下手術(前立腺全摘除術、腎部分切除術)など。
分院で行わない手術は本院へ見学に行けます。

糖尿病内分泌科 部長辻本 哲郎

糖尿病を中心とした代謝内分泌疾患のマネージメントを学び、患者中心の医療を実践する医師を目指します

糖尿病、高血圧、脂質異常症、種々の電解質異常などはどの診療科でも遭遇するありふれた疾患です。当科での研修を通じて多くの診療科で役立つ知識を増やし、将来優れた臨床医になるための礎を築きましょう。

診療科の特徴

当科では著明な高血糖を伴う糖尿病患者の精査・治療を行い、糖尿病や糖尿病関連合併症に関するマネージメントをしています。また、糖尿病がリスクとなる悪性腫瘍の精査、糖尿病患者の周術期における血糖管理、栄養士による食事指導、理学療法士による運動指導、必要に応じた社会資源の調整など幅広く対応しています。医師だけでなく、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、臨床検査技師、ソーシャルワーカーが連携し、患者中心のチーム医療を実践しています。さらに当院には糖尿病とその療養全般に関する高度な専門知識を持つ糖尿病療養指導士が多数在籍しており、糖尿病に関する高度なケアも提供しています。

研修内容

当科での研修目的は、糖尿病や内分泌疾患についての診断や治療について学び、実践的な力をつけることです。特に糖尿病は患者数も多く、また、種々の合併症や他の生活習慣病・併存疾患を伴うことも多いため、そのマネージメントを学び患者中心のチーム医療を理解することは全ての医師にとって非常に重要です。研修では、糖尿病とともに高血圧、脂質異常症、内分泌疾患、種々の電解質異常などについて学び、理解を深めていただきます。また、症例検討会や抄読会に参加し症例や疾患に対する知識を増やし、患者教育を通じて慢性疾患のマネージメントについても学びます。重要な症例や臨床課題については研究会や学会での発表も可能です。

脳神経内科 部長杉本 泉

急性期から回復期リハビリテーションまで幅広いフェーズで神経疾患を学ぶことができます

医学生の皆さん
虎の門病院分院の診療に関心を持ってくださりありがとうございます。回復期リハビリテーション病棟を有する当院では、急性期からリハビリテーションや退院支援に至るまで、さまざまな神経疾患を縦断的に経験し学ぶことが可能です。皆さんの医師としての土台作りをお手伝いすることができればと思います。

診療科の特徴

脳脊髄から末梢神経や筋、文字通り頭のてっぺんから足の先までが診療の対象となり得る脳神経内科は、かつて対処困難であった疾患に対する治療が次々と確立されてきたこともあって、対応すべき範囲が近年ますます広がっています。当科は、常勤医師2名の小規模な診療科ですが、神経変性疾患・末梢神経障害・筋疾患・てんかん・頭痛など、幅広い診療を心がけております。脳神経外科や血管内治療科を有していない当院では、発症24時間以内の脳卒中に関しては診療が難しいケースが含まれるものの、血管内治療や血種除去術等を要しない例については、十分に対応可能な設備を有しています。特に、急性期に限らず回復期リハビリテーションや退院支援まで含めて縦断的に様々な神経疾患を学びたい方にとっては好適な研修の場としてお勧めしたいと思います。

研修内容

まず研修開始の段階で常勤医師による神経学的診察の指導を受けていただいた上で、上級医のバックアップのもと入院患者さんの受け持ちをしていただきます。他職種との連携が特に重要な診療科ですので、週1回開催される多職種カンファレンス(看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医療ソーシャルワーカーとの合同カンファレンス)でのプレゼンテーションや意見交換は、神経疾患を多角的にとらえる視点を養うにあたり貴重な経験となることでしょう。ローテイト中には、神経疾患に関連する諸検査(頸動脈超音波・脳波・末梢神経伝導検査など)についての講義も行います。研修の締めくくりとして、本院と合同で行われるクリニカル・カンファレンスで発表していただきますが、一つの症例を深く掘り下げて考察することで視野の広がりや思考の深まりを実感することができるでしょう。希望者には院外での発表の機会も用意します。

血液内科 部長、内科総合診療科 部長和氣 敦

血液内科は「自分らしく生きたい」に応える責任を考えた個別化医療を実践します。

わたしたちとともに神奈川県の地域医療としての血液内科を発展させましょう!

診療科の特徴

血液内科の領域の2つの柱である薬物·免疫療法と、造血幹細胞移植を中心とした細胞治療の双方に注力しています。神奈川県下で数施設、川崎市では1施設しかない非血縁者間造血幹細胞移植施設認定診療科(カテゴリー1)で、紹介患者を中心に年間50件を消える造血幹細胞移植を行っています。

研修内容

移植症例はもちろんですが、移植非適応症例の治療も含め、診断未確定の血液疾患患者さんを数多く受け入れており、診断、初期治療、終末期治療、病病連携や在宅診療との結びつきも学ぶことができます。初期研修医は非移植症例を中心に、専攻医は移植症例を中心とし、診断、治療、終末期医療など血液内科のイロハから全てを学ぶことができます。また、救急医療も輪番受入科となっており血液疾患以外の内科疾患の地域医療も学べます。

整形外科 部長喜多島 出

将来いずれの診療科に進むのであれ,運動器疾患への理解は必要となっています。

超高齢化社会において、ロコモティブシンドローム(がんロコモなど)、フレイルへ対応、運動器疾患の理解、公的サービスの活用は、将来、どの診療科に進むのであれ必要となっています。当科をローテーションすることは、医師として重要な研修だと考えています。

診療科の特徴

われわれの科は、部長以下常勤医4名、非常勤医3名(うち日本整形外科学会専門医5名)で診療にあたっています。特に手外科、関節疾患の手術症例数は県内有数です。
治療方針:充分な保存的治療を行い、疾患に関連する運動療法,生活指導を十分行うように心がけています。外科手術は低侵襲、早期の社会復帰を第一に考え、行っています。
術後リハビリテーション:術後のリハビリテーションは入院、通院で行っています。回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟を利用することにより、急性期病院でありながら、担当手術患者の術後経過を追って診ることが可能です。恵まれた施設、スタッフを生かし、患者さんが納得するまでリハビリテーションを行えるように心がけています。
専門医:整形外科には様々な専門分野が存在しますが、各分野の専門家が在籍しております。各医師はそれぞれ専門分野を持っておりますが、専門以外の分野の治療をおろそかにすることはありません。
血液透析関連整形外科疾患:血液透析を受けられている方は、それだけで整形外科治療を断られることが多いのです。当院では腎センター内科の協力のもと、できる限り血液透析患者さんの運動機能回復、社会復帰のご希望に添えるように治療を行っています。

研修内容

受け持ち患者について、診断、治療を指導医とともに考え実践してもらいます。整形外科は脊椎疾患、関節疾患、スポーツ、手外科、腫瘍、骨粗鬆症など、専門領域がたくさんあります。すでに進む領域が決まっていても、決まっていなくても、初期研修として十分な経験が積めると思います。特に末梢神経疾患が豊富ですから、神経学的診断法をマスターすることが可能です。整形外科的手技(各種ブロック治療、関節穿刺、ギプス処置、脱臼整復など)を学ぶ事が可能です。大腿骨頸部骨折(人工骨頭置換術、観血的整復内固定術)、上肢・下肢骨折症例、腱鞘炎、良性軟部腫瘍などでは症例に応じ、実力に応じ、執刀医となってもらいます。専門医取得の際に必要な学会発表、論文執筆も経験してもらいます。
毎週月曜日 AM8:00~本院分院合同カンファレンス(オンライン).毎週水曜日 PM2:30~回診.を行っています。外傷手術などが入った場合には回診は中止になることが多々あります。外来見学は月曜日、手術見学は木曜日がおすすめです。

消化管センター外科 部長戸田 重夫

消化器外科のやりがい、楽しさを存分に味わってもらいます!

私が外科医になろうと思ったのは、医師として患者さんの役に立っているところが直接的でわかりやすい、と思ったからでした。そして当院を選び、働き続けているのは、大変な仕事の中でも先輩方が楽しそうに働いていたからでした。皆さんはどうでしょうか? ただし、外科に興味がある人も、きついんじゃない?器用じゃなきゃダメ? など不安はあると思います。でもご安心ください。60年を超えるレジデント教育の歴史のある当院には、どんなレジデントも育て上げる力があります。虎の門病院分院消化器外科は、興味とやる気のある方に、消化器外科の知識と技術、やりがいと楽しさを提供できると自負しています!

診療科の特徴

消化器外科のスタッフは5人で、全員が消化管がん(食道・胃・大腸)の鏡視下手術(腹腔鏡手術・ロボット手術)が専門ですが、地域の一般病院として幅広い疾患を診療しています。急性腹症(虫垂炎、腸閉塞、憩室炎、消化管穿孔、胆嚢炎)や、鼠径部・腹部のヘルニア、肛門疾患(痔核、肛門周囲膿瘍/痔瘻、直腸脱)の外科手術も行っており、特定の疾患に偏りがちな本院よりも多様なcommon diseaseを経験することができるところが当科の大きな特徴です。地域との結びつきも強く、地元の患者さんが近隣の顔見知りの開業医さんから紹介される場合がほとんどです。自分が地域の役に立っている、と実感しやすいです。
2名の上部消化管外科医と3名の下部消化管外科医が一緒のチームで診療に当たっているのも本院と違う特色です。指導医は当院レジデント出身者が多く、自分の研修時代を思い出しながら、レジデント一人一人に最適な指導を心がけています。

研修内容

消化器外科に入院する患者さん全員を1チームで診療しており、そのチームの一員となって診療に当たってもらいます。そのため多数の症例を経験でき、上級医にも気軽に相談できてチームで診療するので負担が多くなりすぎません。
月曜日の朝8時から、消化器外科・消化器内科合同でカンファレンスを行っています。外科の手術症例、内科の内視鏡治療症例の検討を行います。研修医のみなさんには症例のプレゼンテーションをしてもらいます。問題点を的確に把握して伝える良いトレーニングになります。
2024年度は1か月の手術件数はおよそ30~40件でした。手術日は固定されておらず、平日は毎日手術が入る可能性があります。虫垂炎などの緊急手術も週に1~2件あり、研修医のみなさんにも執刀するチャンスがあります。午後~夕方には毎日チーム全員で入院患者さんを回診します。火曜日の16時には部長回診(約15~30分)があります。火曜日午後と金曜日午後は大腸内視鏡を行っており、見学ができます。
また病院内には腹腔鏡下手術トレーニングモデルや上部・下部内視鏡トレーニングモデルも完備されており、腹腔鏡下操作のトレーニングや、上部・下部内視鏡のトレーニングを行うことができます。

麻酔科 部長中村 誠

手術室で、気道管理を身につけ、全身管理を学びましょう。

麻酔科の研修では、自然に気道管理を余裕を持って行う自信がつくはずです。それだけでなく、循環管理や鎮静について学ぶよい機会で、日々考えながら麻酔管理を行うとその効果は上がりますので意欲的に頑張りましょう。

診療科の特徴

当院の手術室では、年間約1,450件の手術が行われていますが、このうち局所浸潤麻酔のみでは施行できない手術1,036件(2024年度)は全て、麻酔科が担当して管理しています。このうち9割以上の978件を全身麻酔で行い、症例に応じて硬膜外麻酔や神経ブロックを併用して術後の鎮痛を図っています。手術を行っている科は、消化器外科、整形外科、腎臓外科、泌尿器科、精神科が主たる科となります。当院の性格上、透析患者をはじめとして内科的に重篤な合併症を抱えた患者さんの手術が多いのですが、そうした患者さんも含めて安全に手術を受けていただけるよう、麻酔管理を行っています。そのために、各患者に丁寧に術前診察を行って麻酔計画を立てるとともに、丁寧に麻酔の説明を行って安心して手術を受けてもらえるように心がけています。

研修内容

麻酔科研修は、手術症例の麻酔管理を麻酔科スタッフの指導下で行うことが中心となります。研修医は、担当症例のための準備を責任をもって行うことから始まり、8時半入室などの症例の患者さんを受け入れて、スタッフとともに麻酔導入から術中の全身管理、麻酔覚醒から退室まで行ってもらいます。こうした中で、全身麻酔におけるマスク換気、気管内挿管といった基本的な気道管理を自信をもってできるように十分の経験を積んでもらいます。症例数は多くはありませんが、声門上器具留置、脊髄穿刺(脊椎麻酔)、動脈圧カテ留置といった手技もじっくり学んでもらいます。術中管理では、輸液の管理や循環作動薬の使い方など循環動態や、鎮痛や鎮静についても習得してもらう機会となります。

循環器内科 部長柴 昌徳

初期対応、急性期治療、慢性期管理、退院マネジメントのすべてを学ぶ!

虎の門病院分院循環器内科の柴です。虎の門病院分院では、敷居の低い循環器内科をモットーに、日々地域に根ざした循環器診療をしています。循環器診療を通じて患者さんに接し、医師として成長できる環境を提供したいと考えています。心身共に充実した日々を過ごせることを約束します。

診療科の特徴

当科はカテーテル治療を中心として、心不全や心筋症、不整脈などのcommon diseaseを幅広く扱っています。神奈川県川崎市高津区の当地域は、高齢者が多く循環器疾患の割合が高いため、症例数が豊富です。また,呼吸器内科や腎センター内科・外科など他科との連携も密であり、様々なコンサルテーションを受けます。そのため当科のみで接する機会の少ない稀な疾患に対しても十分な経験を積める診療科だと言えます。
また、本院循環器センター内科・外科との関係性も密であり、分院だけで対応が難しい症例については迅速に本院と連携し、シームレスな医療を提供しています。当科はハイボリュームセンターでは無く、また超高度医療機器を使用する治療は行っておりませんが、このような小回りのきく診療科でこそ得られる経験があります。研修医の先生達が病棟管理の中心となって活躍することで、実践的な学びと問題解決力が養われます。他の病院では得られない充実感があり、臨床医としてスキルを高める一歩目としては最善の研修病院だと思います。
また、当院の大きな強みは急性期の一般病床以外に、地域包括ケア病棟や回復期リハビリ病棟を有していることです。急性期治療の後も、リハビリテーションを含む継続的なケアを提供しています。この体制は通常の研修病院では稀であり、患者さん一人一人の生活を深く考慮した病棟管理を学ぶことができます。急性期治療だけでなく、患者さんの人生全体を考える視点を身につけ、医師としての重要な経験を積むことができることと思います。

研修内容

週に1回、当科では病棟カンファレンスを開催しています。医師だけでなく、看護師やMSWなどのスタッフからも意見を伺いながら、患者さんにとってより良い医療を共に議論しています。穏やかな雰囲気のカンファレンスで、怖いツッコミなどは一切ないので安心して参加できます。病棟管理においては、上級医・部長と密接な連携を築きながら、最新のエビデンスや経験論なども踏まえ、個別のケアを提供していきます。何か不安なことがあれば、皆で考え、実践していくことが大切です。怖いことは一切ありませんので、皆で協力して良い経験を積んでいきましょう。 その他、週に2日間はカテーテル検査や治療を行っており、必要に応じて緊急カテーテルも実施しています。研修医の方が希望する場合は、上級医の指導のもとで積極的にカテーテル検査などにも参加・実施していただけます。患者さんのケアにおいてチーム全体で協力し、スキルを向上させていくことを目指しています。どんなご質問や疑問でもお気軽にお知らせください。研修医の先生お一人お一人が、充実した経験を得られるよう、サポートいたします。

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