泌尿器科
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男女共通でみられる症状 |
尿が出にくい、出ない |
尿を出すときに痛い |
尿に勢いが無い |
尿に血が混じる |
おしっこが近い、回数が多い |
夜間、何度もおしっこに起きる |
尿が残っている感じがする |
尿が漏れる |
腰や背中が痛む |
尿道から膿が出た |
腎臓、尿管、膀胱に結石がある |
健診などで血尿を指摘された など |
男性に多い症状 |
PSA(前立腺特異抗原)値が高い |
睾丸や陰嚢など性器の腫脹、痛み |
亀頭、包皮の皮膚に異常がある |
やる気・性欲がでない |
勃起力が低下した など |
女性に多い症状 |
頻尿 |
尿が漏れる |
残尿感がある |
尿に血が混じる |
腟から丸いものが脱出する |
女性の骨盤内の解剖は男性と大きく異なっています。尿道が短い、骨盤内が広い、妊娠・出産のための臓器がある、などにより女性特有の泌尿器疾患が発症します。膀胱炎、腹圧性尿失禁、骨盤臓器脱などがありお困りの方は受診してください。
小児でよくみられる症状 |
陰部のかゆみ、痛み、腫脹 |
包茎、性器の形状、においなどが気になる |
おしっこの出る場所がおかしい |
陰嚢に精巣がない、小さい、またはおおきい |
おしっこを漏らす |
おしっこが近い |
おねしょが治らない など |
健康診断などでPSA(前立腺特異抗原)が高いと言われた方は受診をお勧めします。PSAは前立腺癌の血液マーカーとして用いられており、前立腺癌があると上昇してきます。
今のところ予約不要ですので診療時間内にいつでもお越しください。
PSA上昇は前立腺癌以外にも前立腺肥大などの良性疾患でもおこります。外来での検査を進め、癌かそれ以外の病気に伴うPSA上昇の判断が難しい場合は確定診断のため経直腸的前立腺生検(前立腺の組織検査)をお勧めします。
当院では1泊2日で経直腸的前立腺生検を行っています。肛門側から直腸粘膜を介し前立腺組織を採取しますので、検査後の感染・出血などの合併症が起きないか翌日まで入院で経過を見させていただいております。
当院では手術支援ロボットであるHugo RASシステムを導入しました。泌尿器科領域の手術治療において最先端の医療技術を提供いたします。
新規に癌と診断される患者の中で、前立腺癌は最も頻度が高い癌です。前立腺の血液検査(PSA:前立腺特異抗原)の異常が発見の契機となる場合がほとんどです。ご自分のPSA値が心配、健康診断でPSAが高いといわれた場合は受診してください。
前立腺癌と診断された場合は癌の進行状況を画像診断などで確認し、病状・年齢・ライフスタイルにあった治療を提案します。
前立腺癌術後の尿失禁や尿道狭窄など様々な合併症に対しても対応可能です。
特に尿失禁が1年たっても改善が見られない場合は、人口尿道括約筋の埋め込み手術(AMS―800)も実施しております。
前立腺癌に対する手術治療はHugo RAS システムを用いたロボット支援手術をおこいます。従来の手術よりも繊細で正確な操作を行う事により、前立腺癌の手術後に引き起こされる尿漏れや性機能温存(勃起障害)に対してより良い結果を得ることができます。また、術後の尿漏れに対しては専門的な知識を有する排尿ケアチームが積極的に介入し、退院後の生活をサポートします。
2cm以下の非常に小さい腫瘍では、患者さんによっては経過観察する事が出来ますが、通常は唯一の根治治療である手術が行われます。また、転移がある方でも腫瘍摘除によるメリット(症状緩和・炎症の鎮静・正確な病理診断など)がある場合は手術の適応になります。
一般的に腫瘍の大きさが4㎝以下の比較的小さな腎細胞癌に対する腎部分切除術は、術後の腎機能保持や根治性を損ねることもないため標準手術術式となっています。
腎部分切除術は、血流の遮断→腫瘍の切除→切除後の縫合・止血を行う必要があります。
自由度の高いロボット鉗子を用いることにより、精密な切開や縫合を正確により早く行うことが可能で、癌の根治性の上昇や腎機能の保持に寄与します。
ほとんどの場合、血尿を契機に発見されます。外来の検査で膀胱癌が疑われた場合は確定診断のため、経尿道的内視鏡手術(TURBT)をまず行います。膀胱癌と診断されても70-80%は表在性の早期癌であり、治療もTURBTのみで終えられることが多いです。
膀胱癌を特殊な光で発光させるPDD-TURBTを導入しており、これにより肉眼的には確認困難な小さな癌の削り残しなどを予防できます。
TURBTだけでは完全切除困難であった、すぐに再発してしまう、などの場合は遠隔転移など癌の進行の危険がありますので膀胱全摘出術を勧めます。
膀胱癌手術
ほとんどの場合、検診や人間ドックの超音波検査を契機に発見されます。腎癌と診断された場合は、まず手術治療を行う事が大原則です。腫瘍の大きさ・部位・進行の状況を外来の検査で確認し、最も適した治療を提案します。
当院では内視鏡を用いた腎摘出術を行っております。腎癌の部位や大きさによっては内視鏡下腎部分切除を行います。
ロボット支援手術の普及により、小径の腎癌に対しては癌の部分だけを切除し術後の腎機能低下を予防する腎部分切除が推奨されております。切除が難しい部位にある腎癌においてもロボット手術で問題なく部分切除できることが多いです。手術支援ロボットであるHugo RASシステムが使用可能となり、癌の根治性を損なわない場合は積極的に腎機能温存のための部分切除を行っていきます。
腎臓から膀胱に至る尿の通り道にできる癌です。膀胱癌と同じ組織型で癌の性質は共通していますが、膀胱癌とは治療の方法が異なります。手術治療が原則で、完全切除のため病側の腎臓・尿管と膀胱の一部を切除する必要があります。当院では内視鏡下手術と小切開手術を併用した低侵襲手術を実施しております。
腎臓の上に左右1個ずつあります。様々なホルモンを分泌する臓器ですが、副腎の位置が後腹膜にあるため副腎に発生する病気は泌尿器科で治療します。副腎の癌は非常に希ですが、良性の腫瘍であっても腫瘍の大きさや異常なホルモン分泌をしている腫瘍の場合は手術治療が必要になります。当院では内視鏡下手術を実施しております。
精巣にできる腫瘍で15~35歳くらいの若い男性によく見られます。急速に増大することがありますので、発見次第に緊急又は準緊急にて精巣を摘出します。肺やリンパ節に転移が見つかった場合も、抗癌剤の投与により90%以上の人が完治します。
陰嚢の腫脹や増大、精巣にしこりがある、精巣の左右差がある、などありましたら早めに受診してください。
前立腺は男性特有の臓器で膀胱の出口のところに尿道を取り囲むようにして存在します。前立腺肥大症の原因は不明とされており、男性のほぼ全員で年齢と共に前立腺が肥大してきます。前立腺肥大症になると尿道が狭くなり尿の勢いが低下し、排尿に時間がかかるようになります。症状を放置することにより、膀胱の収縮力や尿意知覚が低下または消失し、治療が難しくなってきます。内服治療をまず行い、効果のない場合は手術を行います。
従来の内服治療で効果が感じない、いつまで飲む必要があるのか、などお困りの場合、患者背景にあわせた適切な治療を提供します。
内服治療で効果が不十分な前立腺肥大症に対しては古くから経尿道的前立腺切除術(TURP)が行われてきておりましたが、出血等の合併症、入院期間の長さなどの欠点がありました。当院で行っているTUEB(チューブ)では前立腺を包んでいる皮(被膜)から肥大している腺腫を「くり抜き」ます。前立腺をミカンに例えると、従来型の手術はミカンを内側から削り取るため、途中で果汁(血液)が多くでてしまいます。このTUEB(チューブ)という方法ではミカンの果実の部分を皮から、まるごと剥がしてしまうので果汁(血液)が漏れ出しません。手術中の出血やその他の合併症が少なく安全に手術可能で、当院では手術2日後に尿道カテーテルを抜去し、術後3日目に退院できます。
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前立腺肥大症治療薬の内服の煩わしさから解放されたい、内服治療の効果が乏しいので手術を進められているが術後の合併症が嫌で気が進まない、などありましたら当院ではウロリフトが実施可能です。手術の翌日に退院が可能で、TUEB(チューブ)でみられる尿失禁、逆行性射精、性機能障害といった合併症はほぼありません。インプラントの抜去はいつでも可能であり、試しにやってみたいといった方でも対応いたします。
①膀胱鏡を経尿道的に標的とする閉塞部位まで挿入します。
②膀胱鏡から出る針を介して留置される小型のインプラントで、閉塞の原因となっている前立腺肥大を圧迫し牽引します。
③このシステムによる治療で閉塞した尿道を再拡大でき、迅速で信頼性の高い症状の緩和を提供できます。
手術直後から排尿症状の良好な回復と、数年に及ぶ持続的な効果が認められています。
経尿道的水蒸気治療(WAVE: Water Vapor Energy Therapy )はボストン社製のRezum (レジューム)システムを用いて行います。
高温の水蒸気を前立腺内に数カ所注入することにより前立腺を縮小させます。
①Rezumシステムの膀胱鏡を挿入します。
②先端から出る針を介して高温の水蒸気を数カ所に注入していきます。
③水蒸気の注入された前立腺肥大組織が時間経過と共に縮小していきます。
血尿や痛みも少なく手術の翌日以降退院可能ですが、効果がでるまで時間がかかることもあり尿道カテーテル留置が必要になることがあります。しかしながら前立腺組織を小さくさせることが出来るため、長い期間の治療効果が期待できます。
前立腺癌術後の失禁に対する人工尿道括約筋埋め込み術(AMS-800)や過活動膀胱に伴う尿失禁に対しボトックス治療などを行っております。
前立腺癌術後の腹圧性尿失禁は骨盤底筋リハビリを行う事により急速に改善していきますが、逆に半年~1年たっても失禁がよくならない場合はこれ以上の改善がないことが多いです。尿失禁でお困りの方は人工尿道括約筋埋め込み術(AMS-800)をお勧めします。
過活動膀胱に伴う尿失禁では薬剤投与をされることが多いですが、特に高齢者に多い過活動膀胱では服用薬剤の増加や薬剤の副作用も問題になります。内服治療が効果ない場合はボトックス注射により失禁症状を60%以上改善でき、内服も不用となることが多いです。
尿道周囲に巻いたカフを陰嚢内のスイッチ(コントロールポンプ)で操作することにより、尿道の解放、閉鎖を自分で行う事ができます。
前立腺癌術後で改善がみられない失禁に対する唯一無二の治療法です。
膀胱の異常な収縮で尿を漏らしてしまう方が対象です。
膀胱の表面麻酔を行い、主に日帰りで行います。入院での対応も可能です。
表面麻酔を施し、特殊な針でボトックスを膀胱内に注射していきます。
主に腎臓で生成される結石が落下し尿管につまることにより発症します。激しい背部痛、血尿などの症状が出現します。10mm程度の結石であれば、結石の詰まった場所や大きさにもよりますが40~80%は自然に排出されます。排出されない場合は、手術治療の適応となり体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)や内視鏡的結石破砕術(TUL)を行います。
当院におきましてTULの施行が可能です。ESWLや1回の手術での摘出が困難な場合は虎の門病院本院へ紹介致します。
勃起はしても硬さや大きさが足りずに十分な勃起にならなかったり、勃起の維持が難しかったりするため、満足な性交渉を行えない状態をいいます。健康状態に問題なければ内服治療を行います。薬剤は自費はとなります。
これらの臓器脱により過活動膀胱・排尿困難・残尿増加・尿失禁を呈するようになります。
骨盤臓器脱の治療には骨盤底筋体操やペッサリー挿入、矯正下着装着などがありますが、唯一の根治治療が外科手術です。患者数だけでなく手術治療が必要となる症例も増えてきております。当院では手術支援ロボットのHugo RASシステムが使用可能となり、これら良性疾患の治療にも積極的に取り組んでいきます。
膀胱・子宮・直腸をつり上げている靱帯をメッシュを用いて再建させる手術です。
元々ある靱帯の再建手術であるため、仕上がりが正常に近く手術成功率も高いです。
SNM(仙骨神経刺激療法)とは、排泄に関連した神経を心臓ペースメーカに似た小型の刺激装置で継続的に電気刺激し、症状の改善を図る治療方法です。
欧米では、過活動膀胱に対する有効な治療方法のひとつとして20年程前から実施されています。
治療の詳細は以下ウェブサイトもご確認ください。
http://oshiri-kenko.jp/