腎センター

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メッセージ

腎センターは虎の門病院分院内で最大規模の病床数と医師数を有する診療科であり, 特に嚢胞腎診療, 糖尿病関連腎臓病, 膠原病合併慢性腎臓病の診療においては世界をリードし, 腎臓病診療の中心でありつづけてきました。
腎臓病の原因究明, 他科との診療連携を綿密に行い, 腎臓病の適切な診断と最適な治療を提供します。

慢性腎臓病(CKD)とは

腎臓の機能が低下した状態を慢性腎臓病(chronic kidney disease; CKD)と呼びます。CKDは様々な原因で起こります。加齢も大きな要因のひとつであり, 現在慢性腎臓病患者さんは1300万人, 8人に1人がCKDであるといわれていますが, 65歳以上の高齢者においては4人に1人がCKDであると言われています。本邦でも腎疾患対策には力を入れており, 検診, かかりつけ医, 腎臓専門医の連携を積極的に推しています。近年透析導入患者さんは減ってきていますが, 未だに年間4万人近くの患者さんが透析導入となっています。
一度悪くなってしまった腎臓は, もとに戻すことはできません。そのため, CKDを早期に発見し, 早期に適切な介入を行うことが非常に重要です。
当センターでは, 医師だけでなく腎臓病療養指導看護師, 管理栄養士も交えて, 腎臓を守るためにできることを三位一体となり提供しています。

腎代替療法・保存的腎臓療法の選択への取り組み

残念ながら腎機能が低下し, 自分の腎臓だけでは体を維持することができなくなってしまった場合には, 腎代替療法が必要となります。近年は療法選択において, 医療従事者と患者が協力して治療方針を決定するプロセス(Shared Decision Making; SDM)が重視されており, 透析や移植を行わない保存的腎臓療法(Conservative Kidney Management; CKM)という選択肢も重視され, 患者さんのQOLを維持しながら残された腎機能を最大限に活用し, 人生の最終段階をよりよいものにするという考え方も普及してきました。
当院では慢性腎臓病患者さんの療法選択を, 適切な時期に多職種を交えて相談できる体制を整えています。

腎不全に対して内科と外科の両者が共同で治療にあたります

1963に当院は本邦で初めて腹膜透析を開始して以後, 虎の門病院分院は腹膜透析発祥の地として腎代替療法を提供してきました。透析の質も向上していますが, 当院の透析の質は高く, 血液透析においては50年続けられた方もおります。腎移植も1982年から開始し, 現在まで約860例の腎移植を行っています。

これだけ充実した腎代替療法を行い続けてこられたのは, 腎臓外科医が常駐し, 内科と共同で腎不全診療にあたっていることが大きな要因です。バスキュラーアクセス造設, 腹膜透析カテーテル造設, 生体腎移植・献腎移植, 二次性副甲状腺機能亢進症に対する副甲状腺機能摘出術など, 腎不全における外科治療を担っています。内科と外科がシームレスに, 迅速に対応できる体制をとっています。定期的な内科外科合同カンファレンスを行い. 患者さんの負担に考慮した手術を検討しています。

嚢胞性腎疾患

両方の腎臓や肝臓に嚢胞が多発し, 進行性に発生・増大する病気で, 常染色体顕性(優性)多発性嚢胞腎(ADPKD)という遺伝性の疾患があります。嚢胞が腎臓に置き換わり, 最終的に透析に至ってしまう方もおられる病気です。大きくなった腎臓・肝臓によってお腹が張って苦しい方が数多くおられ, 当院から199年代に腎動脈塞栓術という治療を開始しました。以後ADPKD患者さんの診療を日本で最も多く行っている病院となりました。

ADPKD患者さんに対する治療も, 内科と外科が共同で行っています。

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