令和6年度 虎の門病院分院 病院情報の公表

病院指標とは、DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいて作成した指標のことで、病院の診療実績とは異なるものです。

【集計条件】
・令和6年6月1日~令和7年5月31日までの退院患者さんが対象です。
・入院後24時間以内に死亡した患者さん、臓器移植・医療保険外(自由診療・労災保険等)の患者さんは対象外です。
・患者数が10名未満の項目については、個人情報保護の観点より「-」と表記しています。

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 19 94 150 305 665 970 1311 1250 244
令和6年度は70歳代80歳代の患者さんの入院を併せると過半数を占める結果となりました。
高齢化社会を反映して、60歳代から80歳代の年齢層が多くなっています。
当院は慢性疾患治療センターとして、都心から少し離れた住宅地の中に開院しました。
そのため地域住民の方も多く外来受診・入院をされております。
これからも周りの医療機関との連携を強化し、地域に根ざした質の高い医療を皆様に提供すべく努力して参ります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

【指標の意義】
診療科別に症例数の多い上位5つのDPC14桁コードについて、それぞれの患者数、当院と全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を集計しました。
各診療科がどのような疾患を多く診療しているかを知ることができます。患者さんが医療期間を選択する際の情報としても有効活用できる指標です。

呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 78 2.00 2.02 0.00 60.40
040110xxxx00xx 間質性肺炎 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 29 15.03 18.68 0.00 76.86
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 12.07 12.95 0.00 76.70
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 23 16.09 16.40 4.35 82.83
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 19 8.95 8.16 0.00 67.47
今回は睡眠時無呼吸過眠症候群の検査入院がトップの症例となりました。
当院呼吸器内科では、間質性肺炎などのびまん性肺疾患に関して積極的に治療を行っており、多くの診療実績があります。
肺がんに関しては診断と治療方針の決定を当科で行ない、手術が必要な場合は本院の呼吸器センター外科に転院するなど、本院とも連携して診療を行なっております。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 45 2.73 2.57 0.00 63.64
060035xx03xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 36 5.11 6.39 0.00 63.83
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 34 6.56 7.45 0.00 74.97
060010xx04xxxx 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 内視鏡的食道粘膜切除術等 28 6.64 7.39 0.00 69.32
060040xx06xxxx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 12 4.58 6.32 0.00 49.58
当院消化器内科では、内視鏡による検査・治療をはじめ、手術を必要としない消化管疾患の内科治療等を行なっております。
今回は大腸ポリープに対する内視鏡的切除術がトップとなりました。
従前より症例を重ねてきた大腸がんの内視鏡治療に加え、胃がん・食道がんの内視鏡治療も増加しております。外科的治療が必要な症例については消化器外科と連携し治療を行なっております。
食道・胃・大腸だけではなく、下咽頭や十二指腸などのすべての消化器の内視鏡治療を行なっております。また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性疾患の入院治療も積極的に行なっております。
肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx03xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 選択的動脈化学塞栓術 96 12.42 10.22 0.00 75.55
060050xx99000x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 61 7.25 8.13 0.00 76.10
060050xx04xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 23 7.04 7.32 0.00 76.13
060300xx9900x1 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なしChild-Pugh分類 B(7点以上9点以下) 18 12.33 12.59 0.00 76.17
060300xx9900x0 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なしChild-Pugh分類 A(5点又は6点) 17 4.53 9.49 0.00 67.41
今回も肝がんに対する治療が多くを占めました。
当院肝臓内科では肝がんの治療として、血管塞栓術やラジオ波焼灼術を多数行っています。肝硬変に対する治療も上位に加わっております。
当院では最新の臨床治験を通じて薬剤や治療法を検討し、臨床病院として患者さんへ効果の高い治療を提供できるよう努めております。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 42 5.67 4.18 0.00 72.64
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 36 16.11 17.33 2.78 80.97
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 11.48 5.15 3.45 79.17
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 27 3.44 3.07 0.00 74.59
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 14 17.86 20.78 0.00 87.14
当院循環器内科では、狭心症・虚血性心疾患・心不全などの疾患を中心に循環器疾患全般にわたって診療を行なっております。
平成28年に心臓・末梢動脈のカテーテル検査および治療を開始し、多くの症例を積み重ねて参りました。
今回も、狭心症・下肢の閉塞性動脈硬化症に対する検査・治療が多くを占めました。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 51 12.78 14.81 0.00 69.24
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 50 4.40 4.54 0.00 71.32
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 35 5.66 5.99 0.00 57.71
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 7.07 9.08 3.45 74.79
060040xx99x5xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等25あり 23 3.13 4.33 0.00 74.48
今回は大腸癌に対する手術が症例数第1位となりました。
当院消化器外科は、大腸がん・胃がんの腹腔鏡手術を中心に、食道がんの根治手術や虫垂炎の手術治療も行なっております。
大腸がんと診断された際は、病状に合わせて腹腔鏡による手術を行い、必要に応じて化学療法・放射線療法も行い、確実な治癒と機能温存を目指す集学的治療を当院でも取り入れております。
他の症例に関しても、本院の消化器外科との連携を保つことにより、診療レベルの維持・向上を図っております。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 33 46.36 25.29 6.06 83.73
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 32 46.38 21.38 0.00 73.41
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 17 36.71 18.76 0.00 70.00
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 13 29.38 19.16 0.00 86.54
160980xx99x0xx 骨盤損傷 手術なし 手術・処置等2なし - - 19.30 - -
当院整形外科では、骨折、手の外科、関節鏡、人工関節、脊椎と多岐にわたる手術を行っています。
当院では血液透析を伴う整形外科疾患に関する治療の経験が豊富な為、他院では対処困難な整形外科症例も腎センターのバックアップにより治療に専念することができます。
平均在院日数は全国平均より長い症例もありますが、理由としては、透析患者さんは手術を行うことが難しく、合併症のケアなどにより治療期間が長くなる場合もあるからです。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 14.40 17.95 6.67 79.47
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 12 20.17 20.78 8.33 82.92
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等22あり 定義副傷病なし - - 16.94 - -
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし15歳以上 - - 15.94 - -
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2なし - - 6.31 - -
当院脳神経内科は対象となる疾患が多岐にわたり、疾患毎の患者数は限られますが、パーキンソン病関連疾患や運動ニューロン病をはじめとした変性疾患や、脳血管障害における亜急性期~慢性期治療例などが比較的多くなっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 49 2.49 2.45 0.00 75.86
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 19 11.11 11.11 0.00 73.00
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 18 5.94 6.75 0.00 73.94
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 16 6.75 7.77 0.00 75.19
11013xxx02xxxx 下部尿路疾患 尿道狭窄内視鏡手術等 - - 5.49 - -
当院泌尿器科は令和3年7月から入院診療を開始しました。
今回も前立腺がんの診断のための生検目的の入院が症例数第1位となりました。膀胱がんに対する手術や前立腺肥大症に対する手術も実施しています。
また令和5年度より低侵襲な経尿道的前立腺吊上げ術も開始しました。令和6年2月に手術支援ロボット装置も導入され、泌尿器がんに対して当院で手術可能となりました。
腎センター外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 11 2.82 7.38 0.00 63.36
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.66 - -
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし - - 20.06 - -
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 11.35 - -
180010x0xxx2xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等22あり - - 30.90 - -
今回も慢性腎不全に対するシャント造設目的の入院が第1位となりました。
当院腎臓外科では末期腎不全で透析を導入される患者さんに対してのシャント設置、内シャントの狭窄・閉塞に対する血管拡張などの手術は他施設からの依頼も含めて多数行なっております。
詳しくは、当院ホームページ内の当科の診療科紹介のページをご覧ください。
※当科で代表的な腎移植等はDPCデータ対象外の為、当集計データには含まれていません。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99xbxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2Bあり 53 6.55 12.23 0.00 77.94
130010xx99x9xx 急性白血病 手術なし 手術・処置等29あり 42 12.21 12.45 0.00 67.38
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等22あり 28 35.57 35.63 3.57 50.82
130010xx97x9xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等29あり 25 29.44 34.69 4.00 74.72
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 17 31.24 20.78 5.88 88.71
当院血液内科は、血液内科診療施設が少ない川崎市において新規・転院を含め積極的に患者さんを受け入れております。                                                                       悪性リンパ腫や急性白血病という血液悪性腫瘍に対する化学療法が上位を占める結果となりましたが、多発性骨髄腫の新患受け入れ・治療も行っています。
骨髄穿刺・生検、リンパ節生検などの診断的検査、悪性血液疾患への新規薬剤も含めた化学療法とともに、再生不良性貧血や免疫性血小板減少症などの良性血液疾患の患者管理と治療も行なっております。
川崎市唯一の非血縁者間同種移植施設であり、臍帯血移植を中心とした同種移植や自家移植も2024年6月~2025年5月は56件でした。クリーンルームは14床に増床し、強力化学療法に対しても運用しています。
腎センター内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140550xx99x0xx 先天性嚢胞性腎疾患 手術なし 手術・処置等2なし 176 8.34 10.44 0.57 62.99
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 65 12.89 14.93 7.69 66.45
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 62 6.32 11.35 0.00 59.24
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1あり 58 6.26 6.01 0.00 54.19
140550xx97x0xx 先天性嚢胞性腎疾患 手術あり 手術・処置等2なし 47 16.74 16.23 8.51 61.47
当院腎臓内科は多発性のう胞腎の治療としての腎動脈・肝動脈血管塞栓術(TAE)と、のう胞感染に対するドレナージ治療を多く扱っております。
この症例に関しては本院よりも多数の件数を診療しており、当院の特色ともなっております。
他にも、特に腎機能障害を合併する膠原病・全身性エリテマトーデス・血管炎・腎機能障害を合併した関節リウマチなどの多くの自己免疫性疾患の診療を幅広く行なっております。
厚生労働省班会議においてもIgG4関連疾患・Castleman/TAFRO症候群の研究分担者として協力しております。
関節炎の画像診断・超音波・MRIを積極的に行ない、痛みの可視化を目指して客観的な治療を行なっております。
全身性エリテマトーデスなどの自己免疫性疾患の治療も多くの診療を行なっております。
糖尿病内分泌科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 22 11.00 13.77 0.00 63.73
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし - - 20.78 - -
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり - - 12.60 - -
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし - - 10.46 - -
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし - - 9.83 - -
例年と同様に2型糖尿病の症例が症例数第1位となりました。
当院糖尿病内分泌科では2型糖尿病だけでなく、1型糖尿病や重度の合併症併存症例など専門的管理を要する症例を数多く診療しています。
さらに肝硬変、腎不全(血液透析や腎移植症例含む)、白血病などの血液疾患、種々の膠原病など入院中の様々な重症患者の血糖管理も併診し、原疾患の状態により最適な方法で治療しております。外科症例の周術期の血糖管理も対応しています。専門性の高い糖尿病診療を行う医療機関として、近隣の医療機関や院内の各診療科に通院する糖尿病症例に対して、基礎疾患の特性に対応したきめ細やかな糖尿病治療を心がけています。また、迅速な甲状腺機能検査や甲状腺エコー検査を施行し、甲状腺疾患合併の方にもより良いケアを提供しています。その他内分泌疾患の精査についても対応しています。また、最近ではベストウェイト外来を開始し、肥満症診療も積極的に行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

【指標の意義】
当院に入院されたがん患者さんの中で、現在日本で罹患率の多い5つのがん(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)に罹患された方を、病期(stage:ステージ)分類別、再発別に集計しました。がんの患者数を見るこで病院がどの程度癌治療に積極的に治療をしているかを知ることができます。また病期分類別に見ることによってその病院の診療の幅広さを知ることができます。

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 42 - - 28 - - 1 8
大腸癌 44 36 35 63 15 59 1 8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - 32 - 34 1 8
肝癌 20 - - 18 - 217 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では、肝がんの再発に対する治療目的の入院が最も多くなっています。
 肝がんは一度罹患すると再発率が高い為、当院では内科的治療、主にラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈血管塞栓術(TACE)、化学療法(分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤など)、を中心に積極的な治療を行なっております。
 肺がんの内科的治療も積極的に行なっており、年々症例数も増えています。
 手術が必要な肺がん、肝がんについては、患者さんそれぞれの状態に合わせて本院や他医療機関への紹介も行なっております。
 胃がんに関しては、早期胃癌に対する胃の内視鏡治療(ESD)と胃がんに対する腹腔鏡下手術の両方を行うことで、幅広いStageの治療に対応しております。手術が難しい患者さんに対しては、化学療法や緩和治療等も行なっています。
  以前より大腸がん腹腔鏡下手術を積極的に行っていることが近隣の医療機関に浸透し、多くの患者様を当院へご紹介いただいております。 令和6年2月に手術支援ロボット装置も導入しました。
 令和4年より乳がんに関する外来を新設いたしました。患者さんの状態に合わせて本院とも連携して治療に当たっております。(入院はお受けしていませんので今回の集計では患者数は算出されません)外来受診の希望がありましたらお問い合わせください。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

【指標の意義】
当院に市中肺炎で入院された18歳以上の患者さんを肺炎の重症度別に集計しました。肺炎は、高齢になるに従って、罹患率、重症化率及び死亡率が高くなる傾向にあります。
肺炎の診療には、総合的な対応が求められるため、他職種によるチーム医療が必要な疾患の一つと言えます。

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 11 9.55 46.91
中等症 20 18.20 75.10
重症 14 18.14 83.43
超重症 - - -
不明 - - -
軽症の肺炎の場合は基本的には外来で治療となりますが、患者さんの状態によっては(基礎疾患がある場合など)入院しての加療となる場合もあります。
 重症度に関しては、男性70歳以上・女性75歳以上となると重症度分類の評価項目のひとつに該当するため、高齢化による影響で重症度が上がりやすくなる傾向にあります。
 新型コロナウイルス対策として行っていたマスクの着用・手洗い・消毒の徹底などの感染対策は市中肺炎の患者数減少にも繋がります。
 今後も感染対策を継続していただきたいと思います。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

【指標の意義】
脳梗塞で入院した患者さんについて発症日の違いによる転院率、入院期間の違いを示しています。脳は虚血に大変弱い臓器ですので早期の治療が大変重要です。
脳梗塞が完成する前に閉塞した動脈を再開通させることで後遺症が軽減し、社会復帰、自宅復帰の可能性が高まります。

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 15 29.87 76.47 15.79
その他 - - - -
当院は脳卒中救急医療機関ではなく脳神経外科も有していないため、急性期脳血管障害の患者さんが搬送されることが少なく、全体的に数値が低くなっています。
 血管内治療をはじめとした超急性期治療には対応しておりませんが、それらを要しない症例に関しては十分に対処可能です。また回復期リハビリテーション病棟を有しておりますので、他医療機関で急性期治療を終えて回復期リハビリ目的にリハビリテーション科に入院される患者さんもいらっしゃいます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

【指標の意義】
診療科別に手術件数の多い上位5術式について、それぞれの患者数、平均術前・術後日数、転院率、平均年齢を集計しました。
各診療科が、どのような手術を多く行っているか知ることが出来ます。

消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 48 0.96 3.02 0.00 60.27
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 40 0.53 1.15 0.00 66.65
K526-22 内視鏡的食道粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術 36 1.22 5.00 0.00 69.47
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 26 1.12 5.04 0.00 78.65
K6531 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍粘膜切除術 14 0.57 2.21 0.00 56.07
今回は、早期大腸がんに対する内視鏡的治療が第1位となりました。
当院消化器内科は内視鏡治療に注力し、外来手術や2泊3日等の短期入院で行なっております。
治療部位についても、食道・胃・大腸だけではなく、下咽頭や十二指腸などのすべての消化器の内視鏡治療を行なっております。
肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) 選択的動脈化学塞栓術 97 1.43 9.91 0.00 75.84
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) 2cm以内のもの その他のもの 17 1.53 4.94 0.00 77.29
K533 食道・胃静脈瘤硬化療法(内視鏡によるもの)(一連として) - - - - -
K697-32ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) 2cmを超えるもの その他のもの - - - - -
K533-2 内視鏡的食道・胃静脈瘤結紮術 - - - - -
今回も例年と同様に肝がんに対する血管塞栓術が第1位となりました。
肝硬変症の合併症である食道静脈瘤の治療として内視鏡的な静脈瘤治療も多数行なっております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 32 5.31 6.44 6.25 79.53
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 21 2.81 6.52 0.00 71.62
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 21 2.71 2.57 0.00 74.19
K5462 経皮的冠動脈形成術 不安定狭心症に対するもの - - - - -
K5461 経皮的冠動脈形成術 急性心筋梗塞に対するもの - - - - -
今回は、下肢閉塞性動脈硬化症に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術が第1位となりました。
当院循環器内科では、カテーテル治療をメインに行なっており、狭心症などに対するカテーテル治療も多く行なっております。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 54 3.41 9.57 0.00 70.22
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 48 1.44 3.88 0.00 59.83
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 39 0.97 2.15 0.00 69.77
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 22 0.50 2.68 0.00 44.59
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 19 0.26 4.16 0.00 70.47
今回も腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術に対する手術が第1位となりました。
当院消化器外科では、全般的に腹腔鏡下手術を積極的に行ない、より低侵襲性な手術を心掛けており、短い在院日数を達成しております
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 60 5.70 38.27 0.00 72.80
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 24 6.83 36.21 0.00 84.79
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 14 5.00 48.93 14.29 84.21
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 - - - - -
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 - - - - -
当院整形外科では、骨折、人工関節、脊椎、手の外科、関節鏡(鏡視下による手根管開放術等)と多岐にわたる手術を多数行なっています。
上記の入院して行なう手術の他にも、外来で行なう手術もございます。実際の当科の実績とは異なることをご承知おきください。
全体的に平均術後日数が長くなっていますが、これは、手術後に回復期リハビリテーション病棟に移り、リハビリを長く行なっているからです。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 23 1.22 6.48 0.00 74.96
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 19 1.32 8.79 0.00 73.00
K841-5 経尿道的前立腺核出術 16 2.19 3.56 0.00 75.19
K841-7 経尿道的前立腺水蒸気治療 10 1.00 2.20 0.00 76.20
K841-6 経尿道的前立腺吊上術 - - - - -
今回は膀胱がんに対する手術が第1位となりました。
前立腺肥大症に対して低侵襲な経尿道的前立腺吊上げ術を令和5年に開始し、症例数を増やしております。
令和6年2月に手術支援ロボット装置も導入され、より幅広い症例に対して当院で手術可能となりました。
腎センター外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 23 0.70 2.26 0.00 76.57
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 16 2.56 3.94 0.00 62.38
K6147 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈 14 1.57 7.00 7.14 70.57
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合 - - - - -
K6072 血管結紮術 その他のもの - - - - -
今回は透析シャントの拡張術・血栓除去術が第1位となりました。
当院腎臓外科では末期腎不全で透析を導入される患者さんに対してのシャント設置、内シャントの狭窄・閉塞に対する血管拡張などの手術を、他施設からの依頼も含めて多数行なっております。
特にシャント拡張術・血栓除去術は外来でも行なっており、ステントグラフト、薬剤溶出バルーン拡張を積極的に行なっております。詳しくは、当院ホームページ内の当科の診療科紹介のページをご覧ください。
※当科で代表的な腎移植等はDPCデータ対象外の為、当集計データには含まれていません。
腎センター内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6154 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)その他のもの 25 2.80 11.12 4.00 59.16
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 25 2.52 2.08 0.00 73.08
K691-2 経皮的肝膿瘍ドレナージ術 22 11.64 27.36 9.09 60.73
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 21 11.71 16.81 9.52 73.33
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 20 16.15 17.45 5.00 69.30
今回も多発性のう胞腎に対する腎動脈・肝動脈塞栓術とドレナージが上位症例となっています。
当院腎センター内科は患者さんの腎代替療法の選択に関して、透析室看護師が保存期外来にて情報提供を行なっております。また、血液透析・腹膜透析・腎移植の全ての腎代替療法が選択できます。腎臓内科・外科・コメディカルの連携のもと包括的な腎不全療法を行なっております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード

【指標の意義】
医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、あるいは様式1の精度向上を図るため、
以下の傷病名を、入院契機病名の同一性の有無を区別して症例数と発生率を示しています。

・播種性血管内凝固症候群(DIC)…感染症などによって起こる、全身の重症な病態
・敗血症…感染症によって起こる、全身炎症反応の重症な病態
・その他の真菌感染症…真菌(カビ等)による感染症
・手術・処置の合併症…手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態(術後出血等)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 35 0.70
異なる 74 1.48
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 80 1.60
異なる - -
 この指標は、医療の質の改善に寄与するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症について、入院契機病名の同一性の有無を区別して患者数と発生率を示しています。
 「入院契機と同一」とは、例えば入院した時に敗血症と診断されている患者さんであり、「入院契機と異なる」とは、入院した時には別の病気で入院したがその後に敗血症をおこし元々の病気の治療よりも敗血症の治療に時間を要する(医療資源を多く投入した)場合のことを言います。 
 敗血症の内訳としては、重症感染症で入院し、入院後に敗血症をきたした患者さんが多くを占めました。 
 手術・処置などの合併症に関しては、人工透析シャント不全(狭窄・閉塞)が多くを占めております。当院は腎センターに専門医師がおり、血液透析施設も有する病院であるために、当院の透析患者さんはもちろん、他院で透析を行っている患者さんも手術が必要になった場合には対応させて頂いております。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード

【指標の意義】
肺血栓塞栓症は突然死を引き起こす可能性のある極めて重篤な疾患です。大きな手術の後や長期臥床の際にしばしば起こります。
手術前後の肺血栓塞栓症の予防実施は、急性肺血栓塞栓症の発生率を下げる事につながると考えられています。

肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
317 264 83.28%
「肺血栓塞栓症」とは、多くは下肢の静脈にできた血栓という血の塊が肺に送られて、肺の血管で詰まってしまう病気です。飛行機などで長時間同じ姿勢をとり続けることによって起こる「エコノミークラス症候群」はこれと同じです。多くの重症肺塞栓症は前兆なく突然発症し、発症すると致死率10-30%と言われています。そのため予防策がとても大切です。当院でも患者さん一人ひとりのリスクを評価して、予防策(弾性ストッキングの着用、間欠的空気圧迫法など)を行っています。また、安全な範囲で早期に離床(ベッドから離れて体を動かすこと)を進めたり、ベッド上で足の運動を一緒に行ったりすることも、非常に効果的な予防策です。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード

【指標の意義】
血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されています。

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
3700 2374 64.16%
 血液培養検査は病原微生物を特定できるため、適切な感染症治療(適切な抗菌薬の選択)につながります。この検査は好気性ボトルと嫌気性ボトルで1セットとカウントしますが、これを2セット以上行うことで、より正確な判断ができるといわれており、感染対策部門では定期的にモニタリングを行っています。
 1セットでよいケースもあるのですが、この数値を改善していくことは適切な治療につながることであり、ひいては薬剤耐性菌の抑止にもなります。お示ししたデータは、血液培養検査を2セット採取した割合になりますが、64.16%とまだまだ十分とはいえない値ですので、当院の課題の一つと考え、改善に取り組んでいます。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード

【指標の意義】
適正な抗菌薬の使用には、抗菌薬を使用する前に血液培養を行い、どのような細菌が原因であるのかを調べることが重要です。

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
721 634 87.93%
 広域スペクトル抗菌薬は、あらゆる種類の細菌に効果がある抗菌薬です。細菌培養検査は時間がかかるため、その結果がわかり次第その細菌に応じた抗菌薬に切り替えるのが原則です。細菌培養検査を行っていない場合、不必要な抗菌薬を長期間投与することになるため、薬が効きにくい細菌(薬剤耐性菌)ができてしまう可能性もあります。
 以上から、抗菌薬適正使用の観点で、広域スペクトル抗菌薬を使用する際には、細菌培養検査を行う必要があります。当院では実施割合が87.93であり、概ね適正に実施されていると評価します。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード

【指標の意義】
転倒・転落の発生事例を分析し、適切な予防策を実施していくことが、転倒による傷害予防につながると考えられます。

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
61883 233 3.77‰
入院中、住み慣れた環境との違いや、病気・治療による体力低下などから、予期せぬ転倒・転落事故が起こることがあります。この指標は、怪我がなかったケースも含め、すべての入院患者さんの転倒・転落の発生割合を示しています。
患者さん一人ひとりの転倒リスクを評価し、ベット周囲を安全な環境に整えるほか、院内全体の環境にも配慮しています。また、滑りにくい踵のある履物のご案内や安全な移動方法を一緒に考え、病院全体で転倒転落予防対策を行っています。
入院中や外来受診時に少しでもふらつくことや一人で歩くことに心配などがありましたら、遠慮なくスタッフにお声がけください。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード

【指標の意義】
『インシデント影響度分類レベル3b以上』とは手術や大きな処置を必要とする損傷レベルの高い転倒転落事例を指します。
この指標は、病院として転倒転落予防の取り組みを効果的に行えているかを表す指標になります。

退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
61883 10 0.16‰
転倒により骨折や頭部外傷等生じた場合、手術や治療が必要となるだけでなく、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。当院では、転倒・転落リスクの高い患者さんを早期に把握したり、多職種(医師・看護師・薬剤師・リハビリスタッフ)による転倒転落対策チームで予防策を検討したりして、一人ひとりに合わせた予防策を行っています。また、万が一転倒してしまった際に備え、骨折等を防ぐための衝撃吸収マットを設置するなど安全な療養環境の整備も行っています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード

【指標の意義】
手術後に、手術部位感染が発生すると、入院期間が延長し、入院医療費の増大に繋がります。
感染を予防する対策の一つとして、手術前後の抗菌薬投与があり、手術開始から終了後2~3 時間まで、血中および組織中の抗菌薬濃度を適切に保つことで、感染を予防できる可能性が高くなります。
このため手術執刀開始前の1時間以内に、適切な抗菌薬を投与することで、感染を予防し、入院期間の延長や医療費を押さえられると考えられています。

全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
551 545 98.91%
 手術中、皮膚の切開や臓器操作によって、皮膚の常在菌や腸内細菌などが傷口に侵入するリスクが高まります。そのため皮膚切開時から抗菌薬の血中濃度や組織濃度を十分に保っておく必要があります。抗菌薬投与のタイミングは早すぎても遅すぎても、その効果を十分に得ることができません。そのため、手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率は、医療の質や安全性を示す指標に用いられています。
 当院における本指標は98.91%と高い水準であり、手術部位感染を最小化するため、適切なタイミングで抗菌薬が投与されていると評価できます。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード

【指標の意義】
褥瘡は、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶことによって結果的に在院日数の長期化や医療費の増大につながるため、その予防対策は提供する医療の重要な項目のひとつとされています。

退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
59628 24 0.04%
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード

【指標の意義】
この指標は医療機関の栄養管理体制を表す指標です。早期に低栄養リスクを評価し適切な介入を行うことで、在院日数の短縮、予後改善に繋がります。

65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
3237 3227 99.69%
入院診療計画書の特別な栄養管理必要性の有無に基づき、入院1週間以内に栄養状態を評価し、栄養管理計画書を作成しています。定期的な評価を行い、問題がある場合には多職種で栄養状態の改善に取り組んでいます。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード

【指標の意義】
この指標は身体拘束の実態を把握し、早期に拘束解除を行う努力が継続されているか検証するものです。
医療の現場では、自らの身に生じる危険を回避することが難しい患者さんに対して、危険を回避する目的で身体拘束をせざる得ない場面があります。身体拘束の必要性に関する判断は、患者の生命・身体の安全確保の観点から行い、必要最小限にとどめることが大切です。

退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
61883 9924 16.04%
身体拘束最小化チームにより、身体拘束マニュアルの整備や全職員を対象とした研修を行っています。加えて、本指標の推移を定期配信することで院内の身体拘束の実態を周知し、身体拘束最小化への意識を高めるような働きかけを行っています。
更新履歴
2025/09/29
令和6年度 虎の門病院分院 病院情報公開
2024/09/28
令和5年度 虎の門病院分院 病院情報公開
2023/9/28
令和4年度 虎の門病院分院 病院情報公開
2022/9/29
令和3年度 虎の門病院分院 病院情報公開
2021/9/28
令和2年度 虎の門病院分院 病院情報公開
2020/9/29
令和元年度 虎の門病院分院 病院情報公開
2019/9/27
平成30年度 虎の門病院分院 病院情報公開
2018/9/28
平成29年度 虎の門病院分院 病院情報公開
2017/9/29
平成28年度 虎の門病院分院 病院情報公開
2016/9/28
平成27年度 虎の門病院分院 病院情報公開